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第119話

Author: ルーシー
玲奈が後部座席に腰を下ろしたのを見て、智也は眉をひそめた。

自分を運転手扱いしているのか。

だが時間が押しており、言い争っている余裕などなかった。

黙って車を走らせ、新垣家の本邸へと向かう。

玲奈は後部座席で贈り物の箱を抱き、横を向いて窓の外を流れる景色を見つめていた。

智也にどんな贈り物を用意したのかと尋ねることも、愛莉がなぜ同乗していないのかと尋ねることもなかった。

かつては家族のために心を砕き続けた。

だがその努力に気づく者は誰もいなかった。

だからこそ、今は自分の心だけを守ればいい――そう思っていた。

道中、二人のあいだに会話はひとつもなかった。

途中で智也のおじいさんから電話が入る。

「玲奈さん、智也は迎えに行ったか?」

「はい、おじいさん」

「そうか。急がずに、ゆっくりおいで」

玲奈は素直に答えた。

「わかりました、おじいさん」

電話を切り、時計を見るとちょうど七時。

智也のおじいさんの生活リズムからすれば、あと一時間で就寝する時間だ。

だが、玲奈を待っているので食事を始めようとはしない。

その心遣いに胸が熱くなる一方で焦りも覚えた。

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