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第325話

Penulis: ルーシー
雅子は怒りを抑えきれず、宮下の肩を力任せに突き飛ばした。

「宮下さん、どうして止めるの!

あの女が母親ですって?

笑わせないで。

愛莉を連れて上がったのは、きっと叩くつもりよ。

もし怪我でもさせたら――私の沙羅がどれほど悲しむか分かってるの?

どきなさい!

私のかわいい孫に何かあったら、あなたが責任を取れるの?」

けれど宮下は、両腕で彼女をしっかりと抱き止めた。

「雅子様、奥さまはそんな方じゃありません。

とても穏やかで優しい方です。

手を上げるようなこと、絶対になさいません。

どうか、落ち着いてください」

「離して!」

雅子は必死に腕を振りほどこうとしたが、年季の入った宮下の力は意外と強く、どうしても外せなかった。

結局、彼女は苛立ちを抱えたまま、ソファに沈み込んだ。

しかし宮下はまだ警戒を解かず、雅子のそばを離れなかった。

――また階段を駆け上がる気配があれば、すぐ止めるつもりでいた。

そのころ、二階。

泣き疲れた愛莉は、ソファにうつ伏せたまま、いつの間にか眠りに落ちていた。

玲奈はその小さな寝顔を見つめ、胸の奥が締めつけられるように痛んだ。
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