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第684話

Author: ルーシー
皆の視線を一身に受けながら、拓海は玲奈のほうを振り向いた。

けれど答えそのものは、背後の皆に向けて言った。

「玲奈に任せるよ」

この件ばかりは、自分だけで決めにくかった。

山へ来る途中で、夜はカフェで話そうと約束していたからだ。

最終的な判断を自分に委ねられ、玲奈は少しだけ面食らった。

顔を上げると、何組もの期待に満ちた目が、自分へ向けられている。

今日は皆、本当に楽しそうだった。

それに天気も申し分ない。

空を見上げると、もう星がぽつぽつと浮かび始めていた。

みんなの気分に水を差したくなくて、玲奈は結局折れた。

「……うん。今夜はここで泊まりましょう」

そのひと言に、明が喜んだのはもちろん、隣の拓海まで、あからさまに顔をほころばせた。

ちょうどそのとき、玲奈のスマホが鳴った。

画面を見下ろすと、智也からだった。

彼女はスマホを手に取り、少し離れた静かな場所へ移って電話に出た。

拓海は彼女が電話に出るのを見ても、追いかけようとはしなかった。

相手が智也だとわかっていたからだ。

通話がつながると、智也が開口一番に訊いた。

「戻ってくるのか?」

玲奈
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