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第687話

Author: ルーシー
玲奈自身がそう決めた以上、心晴もそれ以上は何も言えなかった。

結局、その夜のテントの割り振りは、明と颯真が一張り、心晴が一人で一張り、そして玲奈と拓海が一張りということになった。

決まると、皆それぞれ自分のテントへ戻っていった。

玲奈がテントの中に入って腰を下ろすと、すぐに拓海も身をかがめて入ってきた。

二人は向かい合って座ったまま、互いを見つめながらも、不思議なほど息を合わせたように黙り込んでいた。

しばらくして、玲奈が口を開こうとしたそのとき、先に拓海が言った。

「わかってる。玲奈、何か抱えてるんだろ。一日中、ずっと元気がなかった。

今日だって、本当はそんなに楽しめてなかったはずだ。

みんなの気分を壊したくなくて、泊まるって言っただけなんだろ」

そうと知りながら、それでも拓海は彼女の気持ちを優先しなかった。

このまま山を下りてしまえば、それぞれまた別々の場所へ帰ってしまう。

だからこそ、少しでも長く一緒にいたかったのだ。

拓海の言葉に、玲奈は取り繕わなかった。

「そうよ」

あまりにきっぱりと認められて、拓海は逆に面食らったようだった。

それでもすぐに、
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    玲奈自身がそう決めた以上、心晴もそれ以上は何も言えなかった。結局、その夜のテントの割り振りは、明と颯真が一張り、心晴が一人で一張り、そして玲奈と拓海が一張りということになった。決まると、皆それぞれ自分のテントへ戻っていった。玲奈がテントの中に入って腰を下ろすと、すぐに拓海も身をかがめて入ってきた。二人は向かい合って座ったまま、互いを見つめながらも、不思議なほど息を合わせたように黙り込んでいた。しばらくして、玲奈が口を開こうとしたそのとき、先に拓海が言った。「わかってる。玲奈、何か抱えてるんだろ。一日中、ずっと元気がなかった。今日だって、本当はそんなに楽しめてなかったはずだ。みんなの気分を壊したくなくて、泊まるって言っただけなんだろ」そうと知りながら、それでも拓海は彼女の気持ちを優先しなかった。このまま山を下りてしまえば、それぞれまた別々の場所へ帰ってしまう。だからこそ、少しでも長く一緒にいたかったのだ。拓海の言葉に、玲奈は取り繕わなかった。「そうよ」あまりにきっぱりと認められて、拓海は逆に面食らったようだった。それでもすぐに、探るように問いかけた。「そこまでして俺と二人きりになりたかったって、一体何を話すつもりなんだ?」玲奈は顔を上げて彼を見た。けれど、いざとなるとどう切り出せばいいのかわからない。黙り込んだ彼女を見て、拓海はさらに尋ねた。「今日ずっと、知らないやつからラインの友達追加が来てた。あれ、玲奈が送ったのか?」玲奈は頷いた。「そう。私が送ったの」拓海は気にも留めていないように肩をすくめた。「女か?」「ええ」すると拓海はあっさりと言った。「なら、もうブロックした」それを聞いた瞬間、玲奈は思わず身を乗り出した。「須賀君、あなた……」だが次の瞬間、拓海は彼女の手をつかみ、軽く引いて自分のほうへ寄せた。その黒い瞳をまっすぐ見つめながら、低く押さえた声で言った。「相手が女なら、追加したって意味がない。だったら最初からいらない」その視線を受け止めながら、玲奈ははっきりと彼を呼んだ。「須賀君。あの橋の上で――」だが最後まで言い切る前に、拓海は身を翻して彼女に覆いかぶさった。大きな影が、玲奈の上に落ちる。拓海はそのまま顔を

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