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第4話

Author: べつに
凛音の車はすぐに見つかった。

何しろこんな夜更けに、病院の駐車場で車の中でヤっている連中など、そうそうあるものではない。

彼女はよほど急いでいたのだろう。

後部座席のドアはきちんと閉まっていなかった。

引き裂かれたストッキングが車の傍らに垂れ下がり、中からは男の低く荒々しい喘ぎ声が聞こえてきた。

「な、あの人は車の中でしてくれるか?俺とあの人、どっちが好き?」

女の艶めかしい、しかし聞き慣れた声が、誰もいない駐車場にはっきりと響き渡った。

「車の中なら、あなたが一番好きよ」

その親密で赤裸々な言葉は、まるで一本一本の鋭い刃のように、俺と17歳の凛音の心にまっすぐ突き刺さった。

少女の美しい顔には苦痛が押し殺されており、彼女は俺を見て、少し震える声で言った。

「湊、泣きたいなら泣いていいのよ」

俺は首を横に振った。

「泣かないさ」

俺は視線を戻し、心がひどく痛んでいるにもかかわらず、顔には何の表情も浮かべなかった。

「凛音、これが二回目だ」

俺は静かにその場に立ち尽くした。

どれほど時間が経ったか覚えていない。

凛音はようやく、情欲を満たした顔つきで車から降りてきた。

彼女のスカートにはしわが寄り、ブラウスの襟元からはボタンが一つ消え失せていた。

彼女は満足げな笑みを浮かべたまま顔を上げ、俺と視線が交差した。

凛音の顔色は、瞬時に真っ白になった。

「あ、あなた?どうしてここにいるの?」

俺は凛音の問いには答えず、ただ彼女の後ろにいる蓮を見た。

彼の顔には汗がにじみ、すらりとしたスーツのズボンには、うっすらと濡れたシミがあった。

俺が黙っていることで、凛音はさらにパニックに陥った。

彼女は急いで歩み寄り、片手で俺を掴もうとしたが、俺が一歩後ろへ下がってそれを避けた。

「あなた、説明させて。見たままのことじゃないの、私……」

「もういい」

俺は彼女の言葉を遮り、静かな表情で彼女を見た。

「聞きたくない」

凛音の手は宙に浮いたまま固まり、彼女の唇は何かを言おうと動いたが、蓮が俺の前に歩み出てきた。

彼は両目を赤くして、いかにも可哀想な顔を作った。

「湊さん、俺と凛音は情を抑えきれなかったんです。全部俺のせいです。責めるなら、俺を責めて……あっ!」

蓮は突然俺の手を引くと、自分のお腹に思い切り拳を叩き込んだ。

彼は地面に倒れ込み、驚いたように俺を見上げた。

「湊さん、俺はただ謝りたかっただけなのに、どうして?どうして俺を突き飛ばすんですか?」

彼は腹を押さえ、何度か苦しげな呻き声を上げた。

「凛音、痛い。お腹がすごく痛い……」

凛音の目には心配の色が溢れ、彼女は俺のことなど構う余裕もなく、身を翻して蓮を助け起こそうとした。

「蓮、大丈夫?しっかりして、病院へ連れて行くから」

蓮は彼女の袖を掴んだ。

「俺のことは構わないで。湊さんがきっと怒ってる、早く彼を宥めてきて」

それを聞いて、凛音は複雑な表情で俺を見た。

「あなた……」

「俺は殴ってない」

俺は静かな声で言った。

「でも蓮はとても純粋で……」

凛音の言葉は最後まで続かなかったが、その言いかけの言葉はまるで重いハンマーのように、容赦なく俺の心を打ち砕いた。

彼女は、蓮は純粋だから、人を陥れるような姑息な真似はしないと言いたかったのだ。

俺は笑い、エレベーターへと続く道を塞いでいた体を退けた。

「今度はこいつのために、ここを離れるのか?」

凛音の顔は苦痛に歪んでいた。

「あなた、誓うわ。私からあなたへの気持ちは、これまで一度も変わったことはないの」

彼女の声には強い決意が込められており、自分の本心を俺に信じ込ませようとしているようだった。

「でも今、蓮は本当に苦しそうだから、放っておけないの」

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