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第3話

Author: 行杏
「私のスマホを、見せたでしょう?」

茂香の声は震えていた。事実を受け入れたくなかった。愛する人のために作った曲が、他人に盗まれ、根も葉もない濡れ衣を着せられるなんて、到底受け入れられるはずがない!

「そんな大したことじゃないだろ。ガキの遊びみたいなもんだ。そんなに本気になるなよ。もうすぐ家族になるんだし、これは年下へのプレゼントってことでどう?

それに、美波はまだ若い。一曲くらい譲ってやっても、別に減るもんじゃないだろ」

茂香が反論しようとした途端、若彰はすでに電話を切っていた。

茂香はベッドに座り込み、無力感に打ちひしがれていた。顔にはすでに涙がとめどなく流れていた。

たかが一曲。茂香は自嘲気味に笑った。

でも、それは陸との大切な思い出なのだ!

若彰の言いたいことは明らかだった。これはプレゼントだ、と。もし茂香がこの曲を取り戻そうと固執するなら、結婚式は中止になるだろう。

結婚式が中止になれば、彼女の陸は戻ってこない。

心臓を突き刺されたような痛み。もし陸が生きていたら、誰も彼女をいじめたりしないのに。

若彰が裏で指示したのか、美波が茂香に公開謝罪を要求する動画は削除された。しかし、汚名はそそがれないままだった。

茂香の「盗作」という汚名は、これによって決定的に刻みつけられた。盗作したピアニストを演奏に招く者などいない。彼女はもう二度とステージの上に立つ機会を失ったのだ。

茂香は夕方までうつらうつらと眠り、頭が割れるように痛い。

「熱があるな」

若彰が大股で部屋に入ってきて、薬の袋をベッドに放り投げた。その口調は、相変わらず棘々しい。

「たかが一曲で、そんなに落ち込むなよ」

「薬を飲め。明日は実家のパーティーに付き合ってもらう。服は用意してある」

飲みたくなかったが、病気になるたびに心配してくれた陸の顔が浮かび、苦さをこらえて錠剤を飲み込んだ。

指を折りながら数える。あと、28日。結婚式さえ無事に終われば、陸は戻ってくる。

陸が戻ってくれば、この日々受けた苦しみなど、何でもない。

茂香はそこまでお人好しではない。陸が戻ってきたら、この自分を散々苦しめた男を、陸に徹底的に懲らしめてもらおうと心に誓った。

翌日、茂香はまだ体調が悪いにもかかわらず、無理をして起きて若彰のために朝食を作った。

若彰は朝食を食べる習慣がない。このままでは胃を壊しかねない。結婚式に影響が出たら大変だ。

だから彼女は一日も欠かさず、若彰の朝食を用意し、彼の三食と健康状態に気を配っていた。

若彰は昨夜、泥酔していた。朝起きると頭がガンガンしたが、テーブルに麺が一杯置かれているのが目に入った。

それは彼好みのあっさりとした味付けだ。一瞬、若彰は呆然とした。

病気がまだ完治していないのに、こんなに早く起きて食事を作ってくれたのか?

昔、こんなことをしてくれたのは、母だけだった。

若彰は気を引き締め、ようやく麺を食べ始めた。

パーティー会場は、隅々まで楽しげな笑い声で満ちていた。若彰は茂香の腰を抱き、会場を立ち回っていた。

柏原家は大家族だが、息子は彼一人。もし父が数日前に隠し子を連れて戻ってこなければ、彼が唯一の後継者だったはずだ。

今となっては、彼も少しは気を揉まなければならない。柏原家の一族の中で、自分の足場を固めるために。

「離してくれませんか?」

茂香が居心地悪そうに身じろぎすると、若彰はさらに強く彼女を抱き寄せた。

「どうせ結婚する仲だ。これくらい我慢しろ」

意気揚々とした若彰の姿を見て、茂香の心に寂しさがよぎった。

もし陸が生きていたら、若彰と同じように、いや、若彰よりもずっと輝いていたはずだ。

若彰は、酒を飲まない茂香を見て、ふと、ある日彼が泥酔した時、茂香が彼のために迎え酒を作ってくれたことを思い出した。

この中に、少しでも本心が含まれているのだろうか?

若彰がぼんやりと考えていたその時、美波がワイングラスを片手に、まっすぐ若彰の元へやってきた。

「若彰お兄様、お久しぶり!」

近づいてきた女は、馴れ馴れしく若彰の手を取り、周囲の視線を集めた。

「お兄様がくださったネックレス、とっても気に入ってるわ。でも、茂香さんが先に予約してたって聞いたの。若彰お兄様が私にくださったから、茂香さん、怒ってないかしら?」

茂香はちらりと一瞥したが、大して興味もなさそうに視線を逸らした。

無視されたことに、美波の顔が一瞬こわばったが、すぐに笑顔を取り繕った。「きっと、これには興味があると思いますよ」

「お兄様の隣にいる、その単純そうに見える婚約者さんは本当に単純な人かしら」そう言って、美波はスマホを若彰に差し出した。

若彰はそれを受け取り、目を走らせたら、顔色がみるみるうちに険しくなった。

茂香は何のことか分からず、「単純って何のこと?」と尋ねようとしたが、その前に若彰に激しく突き飛ばされた。体勢を崩してテーブルにぶつかり、あまりの痛みに悪態をつきたくなった。

「よくもやってくれたな、お前!まさか俺の傍にいたのは金のためだったとは!どうりでそんなに執着するわけだ。やっぱり目的があったんだな」

彼は冷たい目で茂香を見つめ、茂香の困惑した視線と目が合うと、さらに怒りが募った。

「誰か!この女を連れて行け!」

権力の中心で育っただけあって、若彰の指示は迅速かつ的確だった。すぐにSPが現れ、茂香を屋敷の離れの一室へと引きずっていった。

真っ暗な部屋は、手を伸ばしても何も見えない。茂香は避けようもなく震え始めた。

彼女は閉所恐怖症だった。
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