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落ち目女優の幸福/※体と心を重ねて

Author: Kaya
last update Last Updated: 2025-07-21 21:22:00

 ご褒美とか本当に……何言ってるのよ?

 昴生。やっぱりこの昴生が、あのこうせい君だなんて、ちょっと信じられない。

 「……すごい、甘い匂い。興奮する。」

 そう言うと昴生はそのままぺろっと指を舐めてしまった。何の躊躇いもなく。

 「……やだ、昴生……っ」

 「うん。……うまい。」

 「なん、で……そんなビール飲んだみたいな感覚で…あっ」

 「ビールより確実にうまいんだけど。」

 昴生は少し意地悪そうに笑い、指を滑らせ、私の秘所をそっと触り始めた。

 優しく弾きながら、時には上下に擦りながら。

 粘液が絡みつく音と、いやらしい水音が同時に聞こえ、体がビクビクと跳ねる。

 「あ……っ、ん、や、やだ、もう……」

 「あ……侑さん。本当に可愛い。かわい。

 も、かわいすぎ。

 その声とか…泪目とか……

 もう、俺本当にだめかも……」

 そうだ。昴生はまだ下着を履いていたが、それもすごく苦しそうなくらい膨れ上がっていた。

 我慢できないと言った表情で、吐息を弾ませる。

 「……いいよ。昴生。もう…大丈夫だから。」

 私はもう大丈夫。

 昴生がいっぱい愛してくれたから。

 私が微笑みながら頬に手を伸ばすと、昴生はまた泣きそうな顔をした。

 「……っ、ゆう、さ……んっ」 

 手際よくゴムをしたあと、昴生はゆっくりと私の中に入ってきた。

 お互いにしっかりと手を握り合う。

 熱い互いの体。

 二つの体が、一つになった瞬間
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     優しいキスが何度も繰り返される。 最後に唇まで食べてしまいそうな雰囲気。 それくらい昴生のするキスは念入りで、深いキスだった。 「侑さん……ほんと、すき。 こうしてるのがもう夢みたいで……」 「わ、私……ごめん……まさか貴方があの、こうせい君だなんて本当に思ってなくて……」 「いいよ。……いや、本当は良くないけど侑さんだから許してあげる。 だから、これからする事は、長い間気づかなかった侑さんへの罰だと思って。ね……?」 「長い間って……私だって分かって接してきていたのなら、まさか……あの時から? あの町で出会った頃から……」 「うん。そうだよ。初めから俺は侑さんを追っかけてきたんだよ。 初恋で……ずっと忘れられなかったんだ。」 事務所の後輩として入ってくる以前からずっと…? ずっと私のことを思い続けてくれていたの? 「どうして…言ってくれなかったの……?」 私はずっと何も知らずに…… 「それは俺の変な拘りがあったんだ。 侑さんに気づいて欲しいって気持ち……」 「……昴生………」 照れくさそうに私の手を握る昴生が、堪らなく愛おしいと思えた。 「いつか気づいてくれたらいいなって思ってた。」 まさか国民的人気俳優の綿貫昴生が。 渉の弟だったなんて。 その彼がこれほどまでに、嬉しそうに微笑むなんて。 これまで見てきた綿貫昴生とも全く違う。

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     薄暗い部屋の中で、昴生の息遣いだけが聞こえる 間接照明で彼の輪郭だけはしっかりと分かる。 昴生が少しずつ私の上着を脱がせていき、その最中に私の二の腕や脇の下などに、容赦なくキスをした。 ベッドは軋み、仰向けに寝かされた私は恥ずかしさの方が勝り、目をぎゅっと瞑っていた。 生々しいリップ音が間近で響く。 ついに上着を全部脱がされて、上半身はブラだけを身につけている状態となった。 もうどうにかなりそう………! 「あっ、ん、昴生……」 「侑さん……好きだよ。侑さんの肌も、侑さんの腕も、侑さんの脇も。 侑さんの全てが大好きだ。」 「そんなところをっ…あっ」 昴生が髪を耳にかけると、その内側がよく見えた。 そこでようやく私はとある事実に気づいた。 内側のホクロが…… 見たことがある。 ずっと遠い昔に。珍しい場所にあるから覚えていた。 「………もしかして………こうせい、くん?」 「渉の……弟の。」 どうしてずっと気づかなかったのか。 江南渉は、昔私が1ヶ月だけ過ごした町でできた、初めての友達。 いじめが原因で自殺した………渉。 その弟。 渉と一緒に遊ぶ時は、だいたい、こうせい君も一緒だった。 その最中に、珍しい場所にホクロがあるんだなと、思った記憶がある。 だけどこんなに近くで見るまで、全く彼だとは気がつかなかった。 いや、何年も会わずに、これだけ成長した彼に気づくなど。 「侑さん……やっと分かってくれたんだね? うん。そうだよ。俺の本名は江南昴生。 渉の&h

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     「好きって………言った…………」 昴生の両目が見開く。  物凄く驚いたような顔。  そんな顔初めて見た。 うん。そう……自分でも驚いた。 でもそう思えた。  自然と溢れてしまうくらい。  この何ヶ月かのうちに、昴生に当たり前のように惹かれていた。  これだけ優しくされて、彼に惹かれない人なんているんだろうか。  ただやっと素直に、その事実を認める事ができる。 「侑さん……。「飼育」の効果、やっと出たんですね。ははっ……俺の作戦勝ちだ。」 相変わらず言う事は不思議だけど、昴生はもう耐えきれないといった感じに、今度こそ強く私を抱き締めた。 その顔は少年みたいに本当に嬉しそうで。 「うん……「負けた」みたい。」 眉尻を下げて穏やかに微笑む。  ただただ、彼が愛おしく思えて。 「侑さんっ………!ズルい……そんな顔して笑われたら俺もう、本当に、もうっ………」 もう、侑さんを遠慮なく抱くから。 耳元で昴生の掠れた声が聞こえた。 *** 初めて入った昴生の部屋は、普段からする彼の匂いがした。 ご飯もお風呂も後回しにして、昴生は私を自分のベッドに押し倒した。  薄暗くした部屋の照明がやけに印象的だ。 「侑さん俺…臭くない?帰りがけに軽くシャワー浴びてきたんだけど……もし、侑さんが気になるなら。」 すでに上半身はシャツを脱ぎ、逞しい体を晒しているのに、昴生はこんな時にもふと冷静になれてしまうらしい。 両腕で体重をかけないようにしながら、熱い瞳で見おろす昴生を、私もぼんやりと見上げた。 「私は気にならないから……それより私こそ今日はまだシャワーを浴びてないよ…?」 年下の昴生に赤面しながら言うと、なぜか嬉しそうに笑われた。 「うん、いい。  その方が……侑さんを堪能できる。」 ………堪能って何だろう。 その意味を私はすぐに思い知る事になるんだけれど。 「侑さん……上着、脱いでくれる?」 心臓が煩く騒ぐ。  昴生の足の感触や重み、優しく囁く声に、つい蕩けさせられてしまう。 自分から脱ぐなんて恥ずかしい。 「それとも……俺が脱がせていい?」 少し挑発するような視線を向け、昴生は私の右手にキスをした。 「ん……っ」 思わず声を漏らすと、昴生がさらに嬉しそうに瞳を輝かせた。 「堪らない。

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    い⃞つ⃞の⃞間⃞に⃞か⃞貴⃞方⃞の⃞優⃞し⃞さ⃞に⃞癒⃞さ⃞れ⃞て⃞い⃞た⃞。⃞私⃞も⃞貴⃞方⃞に⃞そ⃞う⃞し⃞て⃞あ⃞げ⃞た⃞い⃞。⃞ 気がついたら私は、昴生の頭を抱くように自分の方へと引き寄せていた。 まさか自分が、こんな大胆な行動をするなんて信じられない。  でも不思議と、そうしたいという気持ちが止められなくて。 「っ…………侑さ…………そんな事したら俺、止められなくなりますよ。  いいんですか……?  俺が酷いことしても……っ」 「……逆に昴生に聞きたいんだけど……何で耐えてるの?  元々はそういう「条件」で私を飼ってくれたんでしょ?  それとも私には魅力がないの?  昴生をその気にさせてしまうような……」 「侑さんに魅力がないなんて………!!」 俯いたまま昴生は腕に力を込める。  切実な声が届く。 「ほん、と……  侑さんは何も分かってない……。  むしろ魅力がありすぎて、俺はいつも大変なのにっ……!」 昴生は私の両腕を強く掴み、少し怒ったような目をして顔を上げた。 「知りませんよ……もうっ……  誘ってきたのは侑さんの方ですからね……  これまで俺がどれだけ我慢してたか、思い知らせてあげます。  覚悟して下さいね……侑さんが後悔したとしても俺、もう離してあげませんからね。」 言い方は怖い。でも昴生が私を一度も酷く扱ったことがないのは知っている。  だから怖くはなかった。  素直に受け入れることができると思った。 「怖くはないよ。  だって昴生は優しい人だから……」    「…っ、元彼の事はもう平気なんですか?  忘れられそうなんですか……?」 そうやって。  泣きそうな目をして聞いてくる。  いつも私が傷つかないように。  無理な事と、肝心な事だけは決して後悔しないように、私に選択させてくれる。 今なら昴生のその優しさがよく分かる。 初めは自分のことだけで精一杯で、何も分からなかった。 でも今なら。 いつも私は昴生に助けられていた。 いつも私の体を気遣ってくれた。 いつも私を癒してくれた。  言葉はいつも不器用だけど、これまでの行動は全て私のことを思って動いてくれていた。 昴生は本当に私を好きなんだろう。  その気持ちが今なら

  • なぜか人気俳優に飼われています〜消えるはずだった私がまさか溺愛されているなんて〜   落ち目女優の幸福/再生

     「侑さ〜ん……」 今撮っている映画の打ち合わせで帰りが遅くなったという昴生は、どんよりとした顔で帰宅早々、私の肩に寄りかかった。 「お帰りなさい。お疲れ様。 ……ってどうかしたの?」 「……てから、だって。」  「え……?」 「……明後日からロケで、暫く地方の撮影現場に泊まり込みだって…… しかも2週間も…… 侑さんに会えなくなってしまう。」 そっか………2週間も。 小さな子供を宥めるように、私は大きな昴生の背中をトントンと軽く叩いた。 「そっか……仕事ならしょうがないよね。」 「……侑さんは平気なんですか。」 真正面から顔を私の肩に埋めたまま。 どこか不機嫌そうに昴生が言う。 「……侑さんは相変わらず分かってないんですね。 ……ってなわけで、侑さんを2週間分補充するために、これからキスしますね。 ……いいですよね?っていうか侑さんは断れませんよ。」 え。断れないの……? 肩から顔を上げると、なぜか昴生は泣きそうにしている。 そのまま目を細め、私の両頬を掴んだ。 不機嫌な態度に合わない、優しい手つきで。 「ま、っ……昴………」 「待ちません、止めません。好きです。 侑さんが好きだから、とにかく申し訳ないけど、キスしますね。」 色んな感情がごちゃ混ぜになったような言葉を吐いた後、昴生は本当に私にキスをした。 &hel

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