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第76話

Penulis: ラクオン
和也はまだ不安げに、「黒川社長......」と口を開いた。

「田中さん」

竜也は感情の読み取れない淡々とした表情で答えた。

「俺が彼女をどこかの山奥に売り飛ばすとでも思ってるのか?」

「......」

和也は一瞬言葉に詰まり、かつて先生から聞いた梨花と竜也の過去を思い出した。

あの事件が起こるまでは、彼は誰よりも優しい兄のような存在だった。

そう思えば、和也もこれ以上強く言えなかった。

「それじゃあ......黒川社長、よろしくお願いします」

竜也は黙って頷くと、梨花をそのまま横抱きにして車に乗せた。

突然、宙に浮く感覚が梨花の意識をわずかに引き戻した。

革張りのシートで身体を支えようと慌てて上体を起こし、霞む視界の中で思わず呟いた。

「和也......」

車は静かに道路を走っていた。

街灯の光が街路樹に遮られ、まだらに車内に差し込み、竜也の凛とした顔立ちをますます冷酷に照らしていた。

「和也と仲がいいのか?」

その声はあまりにも馴染み深く、梨花の心にあった不安を溶かしていく。

彼女は頭をヘッドレストに預けながら、朦朧としつつも正直に答えた。

「悪く
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長野美智代
一真さん貴女のくちゃんは桃子じゃなくて梨花さんですよ。取り返しの付かない事しちゃいましたね。後悔して下さいね。
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