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私は彼の体の下で脚を開き、彼が刻むリズムに合わせて体を動かしていた。けれど、私の意識はすでに天井のずっと上へと離れてしまっていた。
ケーリクの腰が私の腰に打ちつけられる。まるで、気の進まない雑用をこなしているかのような作業的な動きだった。
挿入し、引き抜き、また突き上げる。
つがいでいらっしゃるはずの彼の視線はヘッドボードに固定され、一度として私と目が合うことはない。その手は、私をひとりの女としてではなく、ただの道具であるかのように固く掴んでいた。優しく愛撫する指も、私の首筋や胸に寄せる唇もない。ただ、これだけ。何年も繰り返してきた、虚しい行為の繰り返し。
しっかりして、ディライラ。ただ耐えればいいのよ。
意識を部屋の光景へと向けた。この寝室のすべては私のものだ。シルクのシーツ、ベルベットのクッション、そして肌に金色の光を投げかける繊細なシャンデリア。すべて私が手に入れたもの。彼はこの家に、己の「将来性」以外何も持ち込まなかった。彼がこれからの可能性を示す一方で、私が他のすべてを築き上げたのだ。この虚飾に満ちた関係が「十分なもの」だという錯覚を含めて。
彼の荒い息遣いが大きくなる。
体の芯が強張っていく感覚、最後の数回の突進のために指が私の腰へ強く食い込む感覚。それは私にとってあまりにも聞き慣れたものだった。彼から低い呻き声が漏れ出し、ひとことの言葉も、ただ一度のキスもなく、彼は私の中に吐き出した。そしてそのまま私から倒れ込むように離れると、すぐにナイトテーブルのスマートフォンへと手を伸ばした。彼の重みが突然消え去り、私はただ虚無感に取り残された。
胸が痛むほどに、苛立たしいほどに空っぽだった。
私の秘部は未解消の欲求でうずき、締めつけられていた。皮膚は突っ張るように熱く、もう二度と訪れることのない愛撫を求めて、胸の先端は硬く尖ったまま疼いている。
もどかしさを紛らわせようと太ももを固く押しすり合わせたが、虚しさが募るだけだった。静かで聞き慣れた絶望が私を包み込む。私が彼にこれ以上を期待するのをやめたのは、もう何年も前のことだ。
ケーリクはすでに画面をスクロールしており、青い光が早朝の仄暗い部屋を切り裂いていた。
私に与えられるアフターケアも、優しい言葉も、私が到達を許されなかった高みから降りてくるのを待つ手つきもなかった。そこにあるのは静寂と、夕べ私が火を灯した高級キャンドルの香りに混ざり合う、彼のうっすらとした汗の匂いだけだった。
私は喉の奥の塊を飲み込み、体を起こすと、無言のままベッドを抜け出した。
浴室へと向かう足取りはおぼつかなく、彼が吐き出した証が太ももの内側を伝り落ちていく。シャワーを浴びながら、肌が赤くなるまで熱い湯を浴び続けた。ガラスのブースに蒸気が満ち、私は束の間、息を吐き出すことができた。湯が胸、腹、そして脚の間を滑り落ちていくが、お腹の奥で燃え続ける火を消すことはできなかった。
私は成功している。力もある。彼がまだ這い上がろうとしていた頃に、私は帝国を築き上げたの。これは私の人生の、ほんの小さな一部に過ぎないわ。
曲線美を強調する洗練された黒のペンシルスカートに、緑の瞳を際立たせる深いエメラルド色のシルクブラウスを身に纏い、威厳に満ちたハイヒールの音を響かせて仕度を整えた。下階へ降りた時には、すでにケーリクの姿はなかった。
別れの挨拶もない。 キスもない。 何ひとつとして。
◇
オフィスへの道のりは静かで、窓の外を街の風景が流れていく。私のイベントプロデュース会社「ルミナ・イベント」は、ダウンタウンにある洗練されたビルの最上階2フロアを占めていた。ガラス扉をくぐった瞬間、空気が変わる。ここは生きている場所だ。アシスタントたちが恭しくおじぎをし、クライアントは微笑み、新鮮なコーヒーと可能性の香りが漂っていた。
私のオフィスの前で、タブレットを手にしたマギーが待っていた。赤い髪を無造作にまとめてあるが、それが妙に決まっている。 「おはようございます、ボス。カフェインと休暇が必要な顔をしてますね。できればその順番で」
私はかろうじて笑みを浮かべた。「おはよう、マギー」
彼女は間髪入れずにスケジュールを説明し始めた。「問題発生です。今夜、大きなイベントが2つ重なっています。どちらも注目度が高く、ボスの手腕が必要です。1つ目はミルキーウェイ・ボールルームでの婚約兼誕生日のパーティ。上流階級、オールドマネー層が集まる華やかなイベントです。2つ目はアイカロス・タワーでのプライベートな祝宴。主催者はゼッドとかいう大物です。ファイルには『ビッグ・サークル』としか書かれていませんが、予算が破格です」
私は渡されたタブレットを確認しながら眉をひそめた。同じ夜に2つのイベント。どちらも我が社の評判に関わる重要なものだ。 「最初に婚約パーティに行って、完璧な状態を確認したら2つ目に移動しましょう。車の準備は?」
「バッチリです」彼女はニッコリと笑ったが、その瞳は微かに細められ、彼女にしかできない洞察力で私を読み取っていた。「大丈夫ですか?また『平気なフリをして全然平気じゃない』顔をしてますよ」
「平気よ」私は嘘をつき、朝の鬱屈とした感情をさらに奥深くへと押し込めた。「仕事を始めましょう」
◇
ミルキーウェイ・ボールルームは、クリスタルシャンデリアの下で煌めいていた。すべてが完璧だった。私が直々に承認したフラワーアレンジメントが美しく配置され、照明は柔らかくロマンチックで、弦楽四重奏が美しい旋律を奏でている。胸の中に小さな誇りが込み上げてきた。これこそが私の最も得意とすること——思い描いたビジョンを現実のものにすることだ。
その時、彼女の姿が目に入った。
レイラ。
私の親友が、豪華なシルバーのドレスを纏って会場の中央付近に立ち、ゲストたちと談笑していた。私の心は一瞬踊った。
彼女がなぜここに? 私は彼女に向かって歩き始めた。私のイベントを応援しに来てくれたのに、なぜ黙っていたのかと、冗談めかして彼女の腕を叩いて問い詰めるつもりだった。
だが、何かがおかしかった。
彼女の後ろにある横断幕。人々の集まり方。そして光を反射する、彼女の指にはめられた巨大な指輪。
私の足取りが重くなった。パズルのピースが組み合わさろうとしない。防衛本能が働き、私の脳は事実から守ろうとしていた。彼女は仕事で来ているのよ。手伝ってくれているの。ただの偶然よ。
その時、誰かがグラスを掲げた。「レイラとケーリクに乾杯!婚約おめでとう、そして美しき花嫁にハッピーバースデー!」
会場が大きな拍手に包まれた。
世界から音が消え去った。
息が止まり、動けなくなった。脳内で悲鳴が上がる中、私の体はその場に硬直した。ケーリク。私の夫。私の夫と、私の親友。今朝、愛もなく私を抱いたばかりの男が、私が世界で最も信頼していた女性と婚約していたのだ。
会場の向こう側で、レイラの視線が私を捕らえた。彼女の瞳に罪悪感、あるいは安堵のような揺らぎが走り、次の瞬間には完璧な社交界の微笑みの後ろへと消え去った。彼女はこちらへ歩み寄ることもせず、怯みさえしなかった。
マギーがそっと歩み寄り、私の腕に手を添えた。「ディライラ」と、彼女は囁いた。
声が出なかった。 叫ぶことも。 泣くことも。
言葉にならない麻痺状態が私を支配していた。成功した人生も、結婚生活も、友情も、この煌びやかなシャンパンの泡の中に引き裂かれ、消え去ったのだ。
マギーはすでにスマホを取り出し、さりげなく周囲を録画していた。
永遠とも思える数秒が過ぎた後、私はようやく声を取り戻した。それは小さく、感情の籠もっていない声だった。「どうすればいい、マギー?」
彼女は私を見つめた。その瞳には猛烈な忠誠心が燃えていた。「ボスが望む通りに。ひと言言っていただければ、一生忘れられない修羅場を作ってあげますよ」
私は唾を飲み込んだ。衝撃の渦に呑み込まれ、いまは戦う気力すら失われていた。「……もう一つのイベントへ行きましょう」
私たちは一言も交わさずその場を立ち去った。レイラが追ってくることはなかった。
◇
アイカロス・タワーは別世界だった。漂う空気そのものが電撃を帯びているように重く、どこもかしこも薄暗かった。仕立ての良いスーツに身を包んだ人狼の捕食者たちが空間を行き交っていたが、そんなことはどうでもよかった。私の体は半ば無意識にバーカウンターへと向かっていた。
「ディライラ、駄目です——」マギーが私の前に立ちふさがった。「これは悪い考えです。傷ついているのは分かりますが、自暴自棄にならないで。とりあえず——」
私は彼女を避け、ウイスキーを注文した。そしてもう一杯。さらにもう一杯。
アルコールが喉を焼き、裏切りの痛みを麻痺させていく。周囲の喧騒は遠くの地鳴りのように薄れていった。マギーは私を止めようと試み続けた。理屈をこね、冗談を言い、優しい脅しをかけてきたが、今の私には何も届かなかった。視界が傾くまで飲み続けた。
その時、彼に気づいた。
彼はまるでそこを支配しているかのように、部屋の向こう側に立っていた。背が高く、たくましい肩幅をした男。私に太ももを固く締めつけさせるほどの圧倒的なオーラを放っていた。暗い髪。荒れ狂う海のような色の瞳に、鋭い顎のライン。
この男はアルファだ。本物のアルファ——ゼッド。権力が第二の皮膚のように彼にまとわりついていた。
彼の視線が私を捉えたのを感じた瞬間、その夜の残りの記憶は断片へと弾け飛んだ。
私の腰に添えられた温かい手。耳元で囁かれる低い声は、私のアンドロワーを濡らしていった。もっと求めて喘ぐ、惨めで必死な自分自身の声。
抱き上げられ、運ばれる感覚。
自分という存在が大切であるかのように抱きかかえる強い腕。首筋に触れる唇、そして雷を走らせるように肌をかすめる牙。深いスパイスと松の香り、そして純粋な男の支配臭。
そしてタクシーの中。あるいは彼の車だっただろうか。滑らかな肌と肌のぶつかり合い。革のシートに押しつけられる私の背中。私の太ももの間に潜り込み、飢えた男のように私を貪る彼の唇。彼の髪に絡める私の指。私の中で何かが、ついに、ついに弾け飛び、激しく跳ね上がる腰。
生まれて初めて、私の体が歓喜に震えた。燃え上がり、生きていると実感した。
◇
見覚えのない天井で目が覚めた。私の裸体に、重厚なシルクのシーツが掛けられている。全身の肌がまだ痺れるように疼いていた。
脚の間は心地よく痛んでおり、何度も訪れた絶頂の証で濡れていた。胸の先端はまだ敏感で、太ももには強い手によってつけられた薄いアザが残っている。
心臓を打ち鳴らしながら、ゆっくりと体を起こした。
横には、まだ眠っている大柄な男の体があった。ゼッド。あのアルファだ。
一瞬、心臓が止まりそうになった。
記憶を繋ぎ合わせようとする間もなく、部屋の入口に青ざめたマギーの顔が現れた。彼女は必死に手を振り、今すぐ起きるよう合図してくる。
「なんてこと、ディライラ」彼女は殺気立った声で囁いた。「すぐ出ましょう。今すぐ。彼が目を覚ます前に、誰かに見られる前に!」
私はマギーを見つめ、それから、私の結婚生活の中で「本当の絶頂」を初めて与えてくれた男を見やった。私の体には、まだあの余韻が波打っていた。
すべてのタガが外れてしまった。
そして、何年かぶりに……私は自分が空っぽではないと感じていた。
アルファ・ゼッドの視点カリク・ムーンベーンは、自分が愚かな男であることを証明しては決して期待を裏切らない。私は黒曜石の長いテーブルの上座に腰を下ろし、手持ち無沙汰にペンを指先で弄んでいた。 カリク・ムーンベーンは、私にとっては何の意味もなさないスライドを指差しながら、延々と喋り続けている。彼の声には練習を重ねた独特の抑揚があり、強調するための間や、本人が知的だと見せかけられると思っているであろう声の強弱が付けられていた。このプレゼンの至る所に誰の指紋が残されているか、私には正確に分かっていた。ディライラのプレゼンだ。そのすべてが彼女のものだった。実に退屈だ。私は革張りの椅子に深く体を預け、自分たちに価値があると錯覚しているスーツ姿の群れへと視線を漂わせた。価値などない。誰一人として。カリクのような男たちがまだ靴紐の結び方すら習っていた頃、私はすでに帝国を築き上げていた。彼は他人のパズルで遊ぶ子供のように、パーツを——彼女のパーツを——繋ぎ合わせただけなのだ。冷たい蔑みが胸の底に沈殿していく。私は何年もの間、他の誰にも向けたことのない特別な関心をもってディライラ・ムーンベーンを観察してきた。彼女は永続するものを構築する。混乱を力へと昇華させるシステムに変えてしまうのだ。そしてこの愚か者は、彼女を飾りに過ぎないものとして扱いながら、彼女の業績を仕立ての良いスーツのように羽織っていた。腕時計を確認し、もう1枚だけスライドを説明させてやることにした。最後の数字を振り返りながら、彼の声は虚勢に満ちた自信で高くなっていた。もう十分だ。私はゆっくりと立ち上がった。部屋の中が一瞬で静まり返り、カリクの言葉が会話の途中で途切れた。「ヴェイル氏——」彼が口を開く。「退屈だ」私は短く言い放った。「この会議は終わりだ」誰も反論しなかった。いつだってそうだ。私は一度も振り返ることなく退出した。秘書が影のように私の隣に並んで歩き出す。エレベーターの前で彼に命じた。「午後の予定をすべてキャンセルしろ。一人になりたい」彼は頷き、姿を消した。上出来だ。私が孤独を望むことは滅多にないが、今日の空気はどこか違っていた。帯電しているとさえ言えた。私の手の中で崩れ落ちていったあの愛しい嵐(リトル・ストーム)の、甘く切羽詰まった喘ぎ声の記憶が、今も脳裏の隅に焼き付いて離れな
私は素早く飛び起きた。急いで自分の服を掴み取り、静かに身にまとった。ボタンを留める指がもたつく。10秒以内に見つからないものには目もくれなかった。マギーはドアのそばに留まり、顔をベッドの方に向けていた。ゼッドが身じろぎした。私たちはふたりとも完全に行動を止めた。彼は長く息を吐き出した。その腕がシーツの上——さっきまで私の体があった場所——へと伸び、そのまま止まった。彼の規則正しい呼吸が再び戻ってくる。マギーが私の手首を掴み、 we は動き出した。ホテルから足を踏み出した瞬間、朝の冷たい空気に頬を撫でられた。タクシーのドアが閉まって初めて、私は息を吹き返すことができた。ドアが閉まるやいなや、私はマギーに向き直った。「私、どうやってあの部屋に行ったの?」マギーはどこまで話すべきか推し量るように、長い間私を見つめていた。そして、息を吐き出した。「飲み続けてたんです。止めようとしました、誓って止めようとしましたよ。でも、彼が視界に入った時には、ボスは完全に正気を失ってました」彼女は一呼吸置いた。「部屋の向こうにいる彼を見つけるなり……まるで何かに引き寄せられるみたいに向かって行ったんです。二度も間に割って入ろうとしたのに、私なんて目に入ってないみたいに通り抜けて」私は目を見開いて彼女を見つめた。「……私が、彼に近づいたの?」「『近づいた』なんて生ぬるいものじゃないですよ」彼女は唇を噛みしめた。「会場で一番強い力を持つアルファの真ん前に歩み寄って、彼の目を真っ直ぐ見つめて言ったんです。『あんなに恐ろしい顔をしてるのに、魅力的な目をしてるのね』って。直訳するとそんな感じです」私は目を閉じた。「彼は笑いましたよ」マギーは言葉を続けた。今でも笑いを堪えているのが声で分かった。「本当に笑ったんです。そしてそのまま……ボスを自分のものにした。彼の部下が二度ほど引き離そうとしましたけど、彼は二度とも手で制して追い払いました。その後に何があったかは、私にも断片的にしか分かりません。追いつく前に、ボスのほうが彼の車に乗せられてしまったので」私は目を開け、窓の外を見やった。彼は自分の部下を遠ざけた。一考の猶予もなく私を追い払うことだってできたはずなのに、彼は私を側に置くことを選んだ。ゼッドのようなアルファが、気まぐれでそんなことをするはずがない。なぜ?その
私は彼の体の下で脚を開き、彼が刻むリズムに合わせて体を動かしていた。けれど、私の意識はすでに天井のずっと上へと離れてしまっていた。ケーリクの腰が私の腰に打ちつけられる。まるで、気の進まない雑用をこなしているかのような作業的な動きだった。挿入し、引き抜き、また突き上げる。つがいでいらっしゃるはずの彼の視線はヘッドボードに固定され、一度として私と目が合うことはない。その手は、私をひとりの女としてではなく、ただの道具であるかのように固く掴んでいた。優しく愛撫する指も、私の首筋や胸に寄せる唇もない。ただ、これだけ。何年も繰り返してきた、虚しい行為の繰り返し。しっかりして、ディライラ。ただ耐えればいいのよ。意識を部屋の光景へと向けた。この寝室のすべては私のものだ。シルクのシーツ、ベルベットのクッション、そして肌に金色の光を投げかける繊細なシャンデリア。すべて私が手に入れたもの。彼はこの家に、己の「将来性」以外何も持ち込まなかった。彼がこれからの可能性を示す一方で、私が他のすべてを築き上げたのだ。この虚飾に満ちた関係が「十分なもの」だという錯覚を含めて。彼の荒い息遣いが大きくなる。体の芯が強張っていく感覚、最後の数回の突進のために指が私の腰へ強く食い込む感覚。それは私にとってあまりにも聞き慣れたものだった。彼から低い呻き声が漏れ出し、ひとことの言葉も、ただ一度のキスもなく、彼は私の中に吐き出した。そしてそのまま私から倒れ込むように離れると、すぐにナイトテーブルのスマートフォンへと手を伸ばした。彼の重みが突然消え去り、私はただ虚無感に取り残された。胸が痛むほどに、苛立たしいほどに空っぽだった。私の秘部は未解消の欲求でうずき、締めつけられていた。皮膚は突っ張るように熱く、もう二度と訪れることのない愛撫を求めて、胸の先端は硬く尖ったまま疼いている。もどかしさを紛らわせようと太ももを固く押しすり合わせたが、虚しさが募るだけだった。静かで聞き慣れた絶望が私を包み込む。私が彼にこれ以上を期待するのをやめたのは、もう何年も前のことだ。ケーリクはすでに画面をスクロールしており、青い光が早朝の仄暗い部屋を切り裂いていた。私に与えられるアフターケアも、優しい言葉も、私が到達を許されなかった高みから降りてくるのを待つ手つきもなかった。そこにあるのは静寂と、夕べ私が火を灯した







