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《02番外編》もし、穴織と恋愛していたら①

ผู้เขียน: 来須みかん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-16 09:13:34

出会ったばかりのレンに「誰と恋愛しますか?」と尋ねられたとき、穂香は穴織を選んだ。

「どう考えても全員無理そうだけど、どうしても選ばないといけないのなら、穴織くんにしようかな……」

「それはどうしてですか?」

「だって、同じクラスで他の人達よりは、まだ接点があるから」

「いいと思いますよ。では、明日から穴織くんとの恋愛を頑張りましょう!」

そうして、始まった恋愛ゲームは、穂香が穴織の裏の顔を見てしまったことで事態は急変した。

光り輝く棒のような武器を持った穴織が、化け物と戦っている。

(わ、私は、穴織くんに借りたシャーペンを返しに来ただけなのに! いったいこの状況をどうしろと!?)

とにかく一度、この場から離れようとすると、『そこにいるのは誰じゃ!?』と穴織ではない、老人のような声に鋭く呼びとめられた。穴織が手に持っている武器と話すような仕草をしている。

(もしかして、あの武器が話しているの!?)

見たこともないくらい怖い顔をした穴織に、穂香は「敵か?」と睨みつけられた。

(こんなの恋愛する以前の問題だよ! このままじゃ、穴織くんに、こ、殺される……)

恐怖で身体が震え、穂香の目には涙がにじんだ。

穴織と話す武器は、話し合いの結果、とりあえず穂香の記憶を消すことにしたらしい。

(私、記憶消されちゃうの!? ダ、ダメ、もう正直に『恋愛ゲームに閉じ込められているんです』って、全部話して見逃してもらおう!)

そう思ったのに、唇が動かない。それどころか、身体も少しも動かせない。ゆっくりと穴織が近づいてくる。

穴織の人差し指と中指が、そっと穂香の額にふれた。ふれられた箇所がじんわりと熱くなる。

「白川さんは、ここで何も見なかった」

 怖いくらい真剣な穴織の顔がすぐ近くにある。徐々に薄れていく意識の中で穂香は『穴織くんって、普段は明るい感じだけど、こうして近くで見るとすごく綺麗な顔してる』と場違いなことを思った。

【同日 放課後/教室】

(あれ? いつのまにか体育館裏から教室まで飛ばされてる)

穴織が「シャーペン返してくれてありがとう」と穂香に微笑みかけた。

「ひっ!」

思わず悲鳴をあげると、穴織は驚いた顔をする。

「白川さん、大丈夫?」

「え? あ、穴織くん……あれ?」

(私、さっき記憶を消されたんだよね?)

それなのに、穴織が化け物と戦っていたことを、穂香はしっかりと覚え
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