LOGIN児童養護施設『陽だまり』育ちの神田 芽生(かんだ めい/23歳)は、勤め先のファミレス近くの小さな平屋に住んでいたが、不審火による火事で焼け出されてしまう。 行くところがなくて途方に暮れていたところを、子供の頃から見知っている相良京介(さがらきょうすけ/38歳)に拾われて、彼の自宅マンションで間借りをさせてもらえることに。 それは、子供の頃から京介に恋心を抱いていた芽生にとって、千載一遇のチャンスだった。 極道者と、彼のことが大好きな女性の年の差恋愛譚。
View More「ごめんなさい、
京介は巨乳フェチだと、千崎の言葉から何となく分かっていた芽生だったけれど、京介は芽生が想像していたよりずっとずっと胸が好きみたいで……。執拗に撫で回され、吸い上げられ……愛され尽くした芽生の胸は全体がほんのりと薄紅に色付いて熱を持っていた。 好きな男から胸に触れられるのが、こんなに気持ちいいだなんて知らなかった芽生は、熱に潤んだ瞳でただただ快感に悶えることしか出来なかった。 時間をかけて可愛がられキュッと立ち上がった乳首は、今や京介の吐息にさらされただけで期待にフルフル震えてしまう始末。そこを京介の温かな口中へ咥えられた日には、触れられてもいないのに下腹部がキュンと疼いて下着がじんわり濡れてしまうのを感じた。(なにこれ、なにこれ、なにこれっ) 未知の感覚の連続に、芽生は頭が混乱してしまう。 ただひとつ分かっているのは、今、とっても恥ずかしい状況にあるということだけ。芽生はその気持ちを逃がしたいみたいに、無意識にギュッとシーツを握りしめていた。 京介は白くなるぐらいギュッと力を込めてしまっていた芽生の手をそっと包み込むと、「そんなに固くならなくても大丈夫だ、芽生。ちゃんと……お前のペースに合わせる……」 そう言って笑ってくれる。 けれど芽生はそんな京介の下腹部がガチガチに固くなっていることにちゃんと気付いていた。 京介の言葉に、芽生はほんの少しだけ呼吸を緩めると、シーツから離した手を京介の頬へそっと伸ばした。 そのまま指先を滑らせて京介の唇にやんわり触れると、「私、お腹の奥がムズムズしてる、の……」と暗に自分も彼を求めているのだと示唆してみた。 慣れた女性ならもっと上手で直接的な誘い方が出来たのかも知れないけれど、初心者の芽生にはそれが精いっぱいの誘い文句だった。 芽生の言葉に京介が唾を飲み込んだんだろう。喉仏が上下するのが見えて、それがたまらなく色っぽいなと感じて、芽生はドキドキしてしまう。「芽生……」 京介が芽生の肌に触れる指先はとても優しくて、気遣うように温かかった。いつもは頼りがいのある〝京介〟なの
下腹部は芽生を求めて反応し始めているけれど、それを悟られないよう気を付けながら、「……今なら、まだやめられる」 掠れるような声でそう芽生につぶやいたら、芽生が瞳を見開いた。「……やめないで」 ふるふると首を横に振りながら、震える声で意思表示をした芽生が、まっすぐ京介を見上げてくる。 それを聞いた瞬間、京介の心の奥底で何かがほどけた。「……このまま進める覚悟、できてるって思っていいんだな?」 低く囁くように尋ねると、芽生がこくんと頷いた。 京介はそっと芽生の頬に手を添えると、指先でその熱を確かめるように撫でた。芽生の身体が戸惑いにびくりと震えるけれど、その反応すら愛おしくて、どうしようもない。「……なるべくお前がしんどくねぇよう優しくする」 京介の言葉に芽生がこくん……と恥ずかし気に首肯するから……京介は吸い寄せられるように芽生との距離を削ると、彼女の小さな唇へ自らの唇を重ねた――。*** 京介の唇が離れた瞬間、芽生の頬がふわりと熱を持つ。紅に染まった芽生の唇から、ふぁっと小さく吐息が漏れた。 京介はそっと芽生の髪を撫でながら、そのまま耳元に口を寄せる。「……怖いか?」 京介からの自分を気遣う言葉に、芽生は一瞬だけ目を伏せた。けれどすぐに小さく息を吸って、震えながらも京介をじっと見上げて告げるのだ。「……ちょっとだけ。でも……相手が京ちゃんって分かってるから、大丈夫」 その言葉だけで、京介は芽生から全てを許されている気がして……もう一度芽生を愛しくて堪らないという熱のこもった目で見つめる。「なぁ芽生。これからは俺のこと京介って呼んでくれねぇか?」 京介の真摯な眼差しに、芽生は彼の頬へそっと手を伸ばすと、恐る恐る「……京介」と愛しい男の名を呼んだ。 その声に誘われるように京介の顔がもう一度芽生の方へ近付いてきて、そっと唇が重ねられる。 先のキスは唇が触れ合うだけのフレンチ・キスだったけれど、今回のは芽生のゆるりと|解
(きょ、京ちゃん、私の髪の毛を押さえつけないよう、気を付けてくれているのかなっ?) スーツのジャケットとベストを脱ぎ捨てて、片手で軽くネクタイを緩めた京介が、芽生の顔横へ両腕をついて見下ろしてくる。そんな京介を見上げながら気持ちを切り替えようと頑張った芽生だったけれど、ふと見た京介の胸元の男らしい色香にトクンッ! と心臓が跳ねて、結局は元の木阿弥。 間接照明とは別。ほんの微かに窓の外から月明りが差し込んで、京介の頬を照らしているのでさえ色っぽく感じさせられてしまう。しかも京介の表情は、今まで芽生が見たことのない〝男の人〟の顔になっていたから、触れられてもいないのに、京介からの熱が伝わってくるようだった。 そんな京介を見ていたら、再度今から起こることをやたらと意識してしまった芽生である。(やーん。どうしよう! ほっぺたが熱いーっ) 自分からは見えないけれど、恐らく頬も上気してしまっている。 なんとなくの知識。 元職場の同僚や友人などから色々聞かされて、経験はないのに知識だけは豊富になってしまっている耳年増な自分のことを今日ほど呪いたくなったことはない。 今から京介が自分をどうするのか考えると期待とともに、不安が押し寄せてくる。(初めての時は痛いって聞いた……!) 今更のように自分がそういうことをしたことがないことにハッとして……カムカムの休憩所で自分より年若いバイトの女の子たちが、彼氏との初体験後に『とにかく痛かった!』だの『私、痛すぎて泣いて最後まで出来なかった!』だの言っていたのを思い出してしまった。 つい雰囲気にほだされて、京介からの誘いに頷いてしまった芽生だったけれど、にわかに落ち着かない気分になってくる。 それで京介が「芽生……」と熱っぽく囁いて、芽生の頬へ触れて来た時、思わずビクッと縮こまってしまったのだ。*** 最初、京介は芽生が慣れ親しんだ彼女の寝室へ向かう方がいいだろうか? と考えた。 だが、芽生が〝こういうこと〟をしたことがないと言っていたのを思い出して、行き先を自室へと変更する。 芽生
「お前にまで名前を呼ばれんのが怖ぇって思ってたのは、昔の話だ」「……え?」「今は……お前がそんな風に俺の名を呼ぶのを躊躇うのを見る方が辛ぇって分かったわ。――だから……その、上手く処理できるかどうか分かんねぇけど……試しに呼んでみてくんねぇか? ……俺の、名前」 京介の言葉に、芽生は心底驚いて、恐る恐る「……呼んでも、いいの?」と問い掛けていた。 そんな芽生をじっと見下ろすと京介が芽生の左手をそっと握って、薬指に嵌められた指輪を撫でる。「お前は……俺が自分で選んだ、家族にしてぇと思えた唯一の女だ。だから……むしろ呼んでみて欲しい」 京介の、どこか懇願するような眼差しに、芽生はこくんと生唾を飲み込むと、震える声で恐る恐る、「……京介」 と初めて彼の名を呼んだ。 その瞬間、京介が芽生を腕の中へグッと引き寄せて、「おう」と、どこか照れ臭そうな顔をして短く答えるから――。 腕の中の芽生が京介の代わりみたいにポロポロと涙をこぼしてしまう。「私ね、京ちゃんの〝相良京介〟って名前、初めて見たときからかっこいい京ちゃんにぴったりの名前で大好きだって思ってたの。京ちゃんにこれほど似合う名前はないってずっとずっと思ってた! だからね、京介って呼ばせてもらえて……すっごくすっごく嬉しい! 有難う!」 その言葉を聞きながら、京介は礼を言いたいのは俺の方だと思った――。*** 本当は芽生にですら、〝京介〟と呼ばれることに嫌悪感を覚えてしまうのではないかと怖かった京介である。 だが、長谷川と出かけて帰ってきてからこっち、芽生がいつものように自分のことを〝京ちゃん〟とすら呼んでくれないことを寂しく感じていることに気付かされて、ハッとした。(俺は……芽生に名前を呼ばれるのが嫌いじゃねぇって、こと……か?) いや、嫌いじゃないというよりむしろ――。 呼ばれないと考えると足元がぐらつくような危機感すら覚えてしまう。 |母親《ク
(支店で組長さんやってる京ちゃんと、本店の若頭さんしてる京ちゃんって、どっちが偉いの?) 申し訳ないけれど芽生には理解の範疇を越え過ぎていて、なんのことやらチンプンカンプン。 一次とか二次とか。盃がどうのこうので親とか子とか。 はっきりいって、組長と若頭のどちらが偉いのかさえさっぱり分からなくて混乱しまくりだったから、正直どんなに脅されても京介は京介。それ以上でも以下でもなかった。 それこそ、ちょっと眼付きが悪くて口調が俗っぽいだけの京介は、芽生にとって誰よりも優しくてかっこいい恋慕の対象
この上、今夜寝るところの確保までしなくちゃいけないのか……と芽生が吐息を落としたと同時、京介から「うちに来い」と誘われたのだ。「……いいの?」「いいも何も。そうしてもらわにゃ俺が不安なんだよ」「けど、その……め、迷惑じゃ、ない……?」 今まで京介が芽生の家や職場まで迎えに来てくれて、食事などへ連れて行ってもらうことはあっても、京介の家へ行ったことなんて一度もなかった。その家に招待されたのだ。不安に思わないわけがない。「は? なんで迷惑?」「だって……」 芽生はモゴモゴと口ごもってから、
「京ちゃん?」 なんとなく違和感を覚えて芽生が京介をじっと見詰めたら、京介は決まり悪そうにそんな芽生から視線をふっと逸らせると「まぁー、その話はあとだ。時間ねぇからもう行くな? ほら。千崎のヤローはあんま待たせっとネチネチうるせぇからな」とか。 京介は絶対に自分に何かを隠していると確信した芽生だったけれど、きっと今は何を聞いてもはぐらかされてしまうと思って「行ってらっしゃい。気を付けてね」と見送るに留めておく。 モヤモヤとしたものはありつつも、玄関先で大好きな人を送り出すことが出来るとか、新婚さんみたい! と思ったら、少しだけ気持ちが晴れた。
日頃はウインドウショッピングしかしないようなお店で、ブランド品の服やら高級コスメブランドの化粧品などを買いそろえられながら、芽生は思ったのだ。(全部デパートで買うとか高すぎるよぅ!) と。 いつもならメイクグッズはドラッグストアなどでプチプラのモノを買っているし、服だってファストファッションを扱っている『ウニクロ』とか『ファッションセンターしまむた』なんかで買うようにしている。 京介に連れられて入った店は、ブラウス一着で、芽生がいつも買っている服なら上から下まで二セットずつはそろえられそうな値段だったから、店員に試着を勧めら