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第407話

Penulis: レイシ大好き
幼稚なだけでなく、どう見ても根に持つタイプだった。

人前に出ると、いつも彼を挑発したがる。

日向は内心で思わず目をひそめた。

そのとき山口が出てきて、三人が病室の前に立っているのを見た。

「紗雪さん、中には入らないんですか?」

紗雪はそっと首を振った。

「さっき医者に聞いてきたの。それで、少し待ってから入ろうかと......」

「お医者さん、何て言ってました?」

山口も美月の体を心配していた。

長年そばに仕えてきたが、こんなにも弱った美月を見るのは初めてだった。

普段の彼女は商戦の中でも余裕があり、勇敢で知略にも富んでいた。

まるでスーパーヒロインのようで、休むことすら必要としない存在だった。

けれどここ最近になって、山口はようやく気づいたのだ。

美月もまた、彼らと同じ人間なのだと。

ただ、他の誰よりも強くあろうとした女性だったのだ。

紗雪は彼を安心させるように言った。

「大丈夫よ。お医者さんも、しっかり休めば問題ないって。ただ、もう刺激は絶対にダメだって」

「刺激」という言葉を口にしたとき、一瞬だけ彼女の瞳に陰が差した。

山口はその一瞬の変化を見逃さなかった。

まさか、今回の入院は。

何か強いショックが原因だったのか?

誰にショックを受けたのか......

山口はちらりと紗雪を見て、乾いた唇を舐めた。

どう言葉を続けるべきか分からなかった。

その視線に紗雪は気づかなかったが、傍にいた京弥は見逃さなかった。

男は山口を警告するような目で一瞥し、軽く首を振った。

余計なことは言うな、と。

そもそも紗雪は、すでに十分傷ついている。

山口がもし下手に口を開いたら、それは彼女の傷口に塩を塗るようなものだった。

山口は最初、躊躇いながらも聞こうとしていたが、京弥の目を見た瞬間、その考えは消え去った。

この男、ただ者じゃない。

彼の纏う雰囲気は異様なほどに圧があり、これまで見てきたどんな大物よりも存在感がある。

山口は心の中で少し疑問を覚えた。

紗雪が選んだ夫って、噂ではヒモの美男だったはずじゃ......?

どう見ても、その噂とはまるで違う。

あの顔立ちといい、気配といい、ヒモだなんて、百回言われても信じられない。

山口は話題を変えることにした。

「紗雪さん、やっぱり中に入って、そばにいてあげてください
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