調子に乗っていたのは間違いない
敬都が今までされていたことを考えると木村にこのぐらいをの「恥」をかかせてもバチは当たらない でも恥をかかされた男の思い切りを甘くみていたのかもしれない。佐々木にパスを出した後に横からものすごい衝撃を感じた。
次の瞬間俺の視界は一瞬真っ暗になった。 おそらく俺以外は今どのような状況になっているのかはわかっていただろうが 俺は何が起こったのが理解するまで時間がかかった。今の衝撃は木村がボールがないタイミングでラグビーなみのタックルを横からあびせてきた衝撃だった。
俺は衝撃で飛び、頭を打った感じだ。 この感じは現役時代も一度経験したことがある。 脳震盪を起こしてるんだろう。 周りの声は聞こるけど意識が朦朧としているそのころコートの中では
「おいてめぇあきらかにわざとやっただろ」
「黙れ、こいつが調子に乗ったからだろ」
「てめぇ」
森田と木村が殴り合いになる前に
3年生のサッカー部の主将があいだにはいった「おい木村」
「なんすか」
「お前今わざとやったな」
「だったら」
「退場だ」
「何言っているんですか?これぐらいで!」
木村は興奮した態度で3年生に食らいつく
「これぐらいじゃねぇよボケ」
サッカー部の主将は木村に対してどなった。
体育会系の主将ともあり、怒鳴り声は怖い体育教師なみだ 木村も主将の圧に圧倒されている「今の状況わかっていってんのかお前。お前がぶっ飛ばしてそこに寝ている子はおそらく脳震盪をおこしている。もし打ち方が悪ければ障害が残ることだってあるんだ。サッカーはスポーツだ。競技中におこってしまった怪我でも故意じゃなければ許されることもある。でもお前が今やったのは明らかにわざとだ。
お前にスポーツする資格なんてねぇよ。お前らのチームは運営の権限で失格にする」「そこまでするのか」
「当たり前だ。これはスポーツじゃない。あくまで球技大会だ。お前みたいな反則でしか自分を強くみせれないやつはいらない。それに木村のことを止めなかったお前らも全員同罪だ。わかったか」
木村も周りの生徒も主将の言葉に言い返す言葉っも勇気もなく黙り込んでピッチを去っていった。
これは俺が後に敬都に聞いた話だ。
この時俺は意識朦朧になっているところだった「瑞樹!瑞樹!」
敬都の声が聞こえる...
「どいて」
敬都の声と別の声がうっすら聞こえる
「嶋野さん!なんで?」
「どいて」
「嶋野さん瑞樹を運ぶのは無理だよ」
「俺が松岡を運んでやるよ」
森田が敬都に続く
「さわるな」
「えっ?」
森田は嶋野愛から出てきた言葉に驚く。
元々あまり話さないほうではあったけど、才色兼備の完璧な女の子というイメージを持っている彼女がこんなに怖い表情をしてこんな声を出すとは思わなかったのだろう。「この人にさわるな」
「はい」
周りに全員が嶋野愛の圧に圧倒されて言葉を失った
そして次の瞬間、嶋野愛は松岡瑞樹をお姫様抱っこした。周りの生徒は全員言葉を失っていた。
嶋野愛の突然の行動、しかもあの男子をお姫様抱っこしている姿。 全てがこの場にいる全員の予想の範囲外の行動だったからそれは先ほどまで一緒にサッカーを観戦していたさくらも同じだった。
瑞樹があの人に飛ばされて何が起こったのか一瞬わからなくて、隣にいる愛ちゃんに聞こうとしたら、愛ちゃんは既に瑞樹のもとに走り出していた。 そして今私がみている光景は長年愛ちゃんと一緒にいる私ですら予想の範囲外の行動である。しかし流石の嶋野愛も男子高校生をお姫様抱っこするのに限界があり、顔はかなり辛そうにしていた。
「あとは俺が運ぶ」
愛のもとにきたのはさきほど木村たちを怒鳴ったサッカー部の主将だった。
愛は主将のことも無言で睨みつけた「大丈夫。お前の大事なものはとらないから」
「....わかった」
主将の一言で愛は瑞樹を託した
「さぁお前もいつまでも寝てないで、早く彼女を安心させてやれ」
そう小さく呟いて主将は瑞樹を保健室に連れて行った
愛もそれに続いた期末テスト本番当日。あれから愛と敬都と3人で勉強したり、家で愛と2人で勉強したりと今回のテスト勉強はいつも以上に充実していたような気がする。3人で勉強している途中に敬都が「僕は何をみせられているんだ」とブツブツ言っていたが、愛が敬都の前だと遠慮なく甘えてくるから、最初は面白がっていた敬都も途中から呆れていた様子だ。愛は可愛いんだけど甘えスイッチが入ったらちょっとポンコツなのがね。まぁ可愛いんだけど今回の愛とさくらさんのテストの競う強化は主に定番の5教科・国語・数学・英語・世界史・化学理科と社会といいたいところだが、俺たちの高校は歴史と地理と世界史が学年ごとの選択だったり、化学と物理の選択だったりするから、俺たちが選択している教科を選んだ。2人の様子をみていると愛はいつも通りだけど、さくらさんは疲れているように見える。まぁ愛に勝つと意気込んでいたから普段以上に自分を追い込んだのだったら疲れているのも当然かもしれない。~テスト終了~「はぁ~。やっと解放される」「お疲れみっちゃん」「愛もお疲れ。手ごたえはどうだった?」「いつも通りかな」「敬都は?」「英語がちょっと自信ないかな」「英語って俺たちと勉強したところじゃないか」「そうだね。誰かさんたちがイチャコラしているのを見せられた日だね」「うん。なんかごめん」「私も今回はいつもより自信あるかも」3人で話しているとさくらさんが俺たちの話に入ってきた。さくらさんがここに入ってくるのは愛に宣戦布告をしてから初めてだった「さくらがこうやって話に入ってきてくれるの久しぶりだね」「うん。宣戦布告してしまったからなんか変に気まずくて」「全然きにしなくてよかったのに」「まぁテストも終わったしいいかなとおもって」「それでどうだった?」「自信あり!」「私も負けないよ」「今回は私が勝つ」「俺と敬都もなんか賭けるか」「終わった後に?」「敬都が自信ない英語で」「おい、それはずるいだろ」「なら愛たちにならって、5教科の合計点数で負けた方が焼き肉の食べ放題おごりでどう」「う~~~~。すごくいいところついてくるな。乗った」「よし決まり!!ちなみに愛とさくらさんは勝った方が負けた方に何かしてもらうって決めていないの」「確かに、1位とかだけいっていたけど、考えていなかった」「
「楽しかったね」「久しぶりだったからね」「やっぱりみっちゃんと一緒にいるのが楽しいな」「よかった」「手繋ごう」「いいよ」「へへへ」「どうしたの?」「幸せだなと思って」「これぐらいで幸せと思ってもらえるならいつでも手はあけとくね」「ならいつでもねらっとく」買い物の帰りいつのもような会話をしながら帰宅していた「さくらは辛かったかな」「辛かった?」「周りから2番っていわれていたことに私は全く気付いていなかった。自分が1番と言われていることすら気にしていなかった。だからさくらがどんな気持ちでいたのかわからない。屋上で話したときからたくさん考えたけど、やっぱりよくわからない」わからないというのは愛の本音なんだろう。実際愛は1番になろうと思ってなっているわけじゃなくて努力しているうちに周りより長けているポジションになってしまったというのが正しい表現だろう。1番を目指してきたわけじゃない愛にとってさくらさんの気持ちを理解するのは難しいのかもしれない。「辛い、辛くないはさくらさんにしかわからないことだから、それはいつかさくらさんに聞いてみていいと思う。愛とさくらさんは親友みたいな存在なんだから。ただ2番が1番を目指すというのはそんなに特別な気持ちではないと思うんだ。例えば中学時代、俺たちの地区には毎年優勝するチームがあったんだ。1年生の時は、あんな強いチームに勝てるわけないと思っていたけど、自分が3年生になったときにあのチームに勝ちたいって思うようになっていた。これは俺が何か大きく変わったというより学年が上がるごとに自然に変わっていったという表現の方があっていると思う。多分さくらさんが愛に勝ちたいと思ったのは何かがあったというよりは自然にそう思ったんじゃないかなと俺は思う。きっとそれは人が今の自分の殻を破ろうとしていて、その殻がさくらさんにとっては2位という殻なんじゃないかな」「殻?」「みんな自分に大なり小なり殻をかぶっていると思う。その殻を破れないから自分を出せなかっ
さくらさんが愛に宣戦布告をした次の日俺と愛は買い物に来ていた理由は勉強道具の買い出しと走るときのウェアを新調するためだ。動きやすい服は中学時代のサッカーの洋服がありはするが、高校生になって身体が大きくなったのと愛と一緒に運動するのにボロボロになって洋服を着るのも恥ずかしいと思い母さんに相談したら「愛ちゃんと一緒に買い物いくの?ならこれで愛ちゃんに昼ご飯をおごってあげなさい」と洋服代+昼食代まで出してくれる大盤振る舞いだった。球技大会の後に晩御飯を食べに来てから、松岡家で愛は人気者で、最近は父さんまで「愛ちゃんは次いつのくるのか」ときかれるほどになっていた嶋野愛パワーはすさまじい運動するウェア以外もにも今日は私服も新調しようと思う。これも愛と出かけるときに愛に恥をかかせないための身だしなみの向上。髪の毛を綺麗にセットしても洋服がださかったら話にならないしかも今日は愛も一緒だから愛のセンスも聞けるから俺としては一石三鳥ぐらいのデートである。「みっちゃん!!」「ごめん待った?」集合時間の10分前に待ち合わせ場所にはついたが、そこにはおしゃれな愛が既に待っていた相変わらず周りからの視線は独り占めしている「待っていないよ。さっききたところ」「よかった。じゃぁいこうか」「みっちゃん。今日もかっこいいね」「愛も可愛すぎて隣歩いていいか不安になるよ」「それは私のセリフだよ」いやほんとに俺のセリフだから。愛はニコニコして俺の腕に掴まって歩き出した周りの(特に男子)の視線が突き刺さっていたことには愛は気づいていないが昨日のさくらさんとの出来事があったから、落ち込んでいるかなと思っていたけど今の様子からは大丈夫そうだ「どこからいこうか」「みっちゃんが好きなところから行こうよ」「なら全部が揃っている商業施設があるからそこにいっていい?」「もちろん」個々の商業施設はハイブランドのお店からスポーツ店まで全てが揃っている、俺たちの地元では一番の大きさを誇るお店だ都会のほうにいけばもっとあるのだろうが、俺たちの地元でここが最大である「今日スポーツウェアと一緒に私服も買っていい?」「私も買いたいと思っていたから一緒に選ぼう」「ちなみに愛のおすすめのブランドってある?せっかくだから愛の好みの服を着たいなと思って」「ん~~~~。それならEG
「敬都も一緒にどう?」昨日愛と期末テストの勉強と持久走大会の練習を一緒にしようと話した俺たちは敬都とさくらさんにも声をかけることにした。「いいね。僕も勉強は得意じゃないし、走るのも得意じゃないし」「それは知っている」「おい、なんかその言い方はむかつくな」「陰キャだから」「ぐぐぐ...何も言い返せないのが悔しい」「まぁ俺も走るのはちょっとはできるけど、学力に関しては敬都と同じぐらいだから今回は学年上位の二人に教えてもらって成績をあげようじゃないか」「その学年上位の二人に勉強を教えてもらって僕たちは後ろから刺されないかな」「...常に後ろは警戒しておくことにしよう」こんな感じで敬都の参加が決まった次は桜さんだな「さくら」「どうしたの愛ちゃん?」「今ねみっちゃんと中村と一緒に期末テストの勉強と持久走大会の練習を一緒にしようって話をしていたんだけど桜も一緒にやらない」「楽しそう」「じゃぁ参加でいい?」「う~ん。今回は私は不参加でいい?」まさかの不参加という返事に俺たちは驚いた球技大会の練習の時のさくらさんをみていたから、こうゆうみんなでするのは真っ先に参加するタイプだと勝手に思っていたから「そっか。わかった。」「ごめんね~。お互い頑張ろうね」「うん」さくらさんは教室をでていってしまった「さくらさんは喜んで参加すると思ったな」「僕もそう思っていた。でも勉強は一人でするほうが集中できるタイプかもしれないし」「確かにそうゆう人もいるな」「さくら。。。」「愛どうしたの?」「なんかいつものさくらの様子が違うように感じたから」「そう?いつも通りにみえたけど」「なんとなくだから違うかもしれないけど。でも気になるからさくらのこと追いかけてみる」「俺も行こうか?」「お願い」敬都は自分がいったところでと遠慮してこなかった俺と愛は教室をでていった春乃さんのことを追いかけた「さくら!!」「愛ちゃん?どうしたの?」「なんか様子が違ったように感じたから」「いつも通りだよ」「ほんとに?」「ほんと」「嘘でしょ」「なんでそう思うの?」「さくらは気づいてないかもしれないけど、さくらは我慢しているときとか嘘をついているとき髪の毛を触りだすんだよ」そこに関しては俺は全く気付いていなかった長い仲だからこそわかることかもしれ
「は~」「みっちゃんどうしたの?」「球技大会が終わったと思ったら、期末テストと持久走大会が控えているなと思ったら、うちの学校行事多くないかなと思って」「確かに多いかもね。私の通っていた中学校もここまで行事多くなかったかも」「愛はまた頑張るのかな」「どうだろう。昔はなんとなく期待に応えたいなと思いながらやっていたけど、今はみっちゃんの彼女って宣言したことが皆に広まっているから、今まで以上に頑張っちゃおうかな」「今までも相当頑張っていたのに、今まで以上に頑張っちゃうの?」「みっちゃんのためってなったら私の頑張りは無限大だよ」「無理しないでね??」「うん」「大丈夫かな...」愛が今まで以上に頑張って無理をしすぎないか心配だけど、それは俺が見守っていればいいか。それよりも愛の話をきいていて思ったことだが、俺も愛の彼氏として不甲斐ないところはみせれないんではないか。元々陰キャポジションを確立している松岡瑞樹が嶋野愛の彼氏というだけでクラスは大騒ぎ立ったのに、おそらく今では学校中の噂になっており、週明けからは今まで以上の視線を浴びることになるのは間違いない。まぁ別にそんなことはどうでもいいんだが、俺が不甲斐ないことで愛の評判が落ちる可能性の方が心配である。ただでさえ愛が彼女発言をした後、クラスの男子の冷たい言葉が聞こえてきた今まで陰キャポジションでおとなしくしていたけど、これからは少し学校での立ち位置を考えていく必要がありそうだ。まずは期末テストに向けての勉強と持久走大会に向けてのランニングを頑張ることにしよう。勉強は普通だが、体力に関してはブランクがあるにしても、サッカーしていた経験で走ることは苦手ではない。走り込めば真ん中よりも上ぐらいにはいけるだろう「ねぇみっちゃん」「はい!?」長々と自問自答しているところに愛が話しかけてきて変な返事になった「あっごめん」「大丈夫。どうした?」「期末テストと持久走があるじゃん?先日私がクラスで彼女発言したじゃん?だから学校で勉強したり、放課後一緒にランニングできないかなって思って」「なるほど」元々交際ししていることを内緒にしていた俺と愛の関係も公けにしたことによって図書室で勉強だったり放課後一緒に遊んだりもやりやすくなるんだ。「それめちゃくちゃいいね。俺勉強苦手だし。愛に教えてもらえ
「春乃って可愛いよな」「わかる」「でも嶋野さんの次だけどな」「それもわかる」愛ちゃんとの仲は中学生の時からで、最初のきっかけははっきり覚えている~中学一年生のとき~私は元々人見知りということもあり、学校が始まって1週間が経っても仲のいい友達を作ることができていなかった。それもそうだ。だいたい中学校は小学校からそのまま上がる子たちが多いから地元同志だったり、小学校が違っても幼稚園・保育園が一緒だったりして顔見知りのパターンが多い。私は中学からこっちに引っ越してきたから顔見知りの人はいないところからのスタート。しかも人見知りという最悪の中学校生活のスタートだった。ある日次の授業が移動教室の時、私はトイレにいっていて出遅れてしまった。教室に戻ると誰も人がいなくて焦って教科書をまとめて教室を出ようした。出ようとした瞬間、誰かが入ってきて盛大にぶつかり持っていた教科書を下に落としてしまった「あちゃ~。やっちゃった。ごめんなさい」「こちらこそごめんなさい」「ありがとう」その時のことは今も鮮明に覚えている。ありがとうと顔をあげた時に美人な顔が目の前にあった。そう、この時が春乃桜と嶋野愛の初めての出会い。「大丈夫?」「う、うん!!ありがとう。えっと~」「私は嶋野愛」「嶋野さんね。私は春乃桜」「春乃さんはここで何しているの?次の授業始まっちゃうよ」「トイレにいって帰ってきたら教室に誰もいなくて焦って教室出ようとしたら嶋野さんにぶつかっちゃった感じ」「なるほど。私は忘れものしたからとりにきただけ」「そっか。嶋野さんって次の移動教室の場所わかる?」「わかるよ」「それなら一緒にいっていいかな」「いいよ」「ありがとう」中学校に入って初めて面と向かって話せた瞬間だったそれからも愛ちゃんと話す機会が増えていって愛ちゃんことを知っていった。愛ちゃんは周りから才色兼備の完璧な女の子ってイメージを持たれているけど、案外抜けていることが多くて、一番驚いたのが初めてするスポーツはなんか上手くいかないところ。勉強も常に上位にいるし運動神経も決して悪くないのに、なにかがおかしいというのが笑えた。愛ちゃんの深い事情は知らないけど、周りからの期待に応えようとする気質が強くて、球技大会みたいな周りから期待される行事のときは私が練習に付き合ってい