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第11話

Author: 花曇り
業界関係者が集まる晩餐会は、深津市でも指折りの高級ホテルで開かれることになっていた。市内のデザイン業界で名の知れた人たちが、こぞって出席するという。

私は深緑色のロングドレスを着て、髪をアップにまとめた。耳元には、俊平から贈られた真珠のピアスが揺れている。

隣に立つ俊平は、黒いスーツ姿で私に腕を差し出した。

「準備はいい?」

私はその腕にそっと手を添えた。「ええ、大丈夫」

明るい照明に照らされた会場へ足を踏み入れると、あちこちに見知った顔があった。

私に声をかけてくる人もいれば、俊平をちらちらと見て、興味深そうな顔をする人もいる。

そして、シャンパンのグラスを手にクライアントと少し話し、振り返ろうとしたとき、入り口付近に立つ人影が目に入った。

それは、亮だった。紺色のスーツを着ていたが、ネクタイは曲がり、シャツの襟元のボタンも一つ外れている。

手に持っていたのは、コンビニで売っているような紙カップのホットミルクだった。

ずいぶん痩せているようで、頬骨が浮き出て、目も落ちくぼんでいる。1か月前、私の職場に押しかけて騒ぎを起こしたときとは、まるで別人のようだった。

亮
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