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honey so sweet③/私を誰だと思ってる?①

Autor: 藍沢咲良
last update Data de publicação: 2026-10-17 14:54:49

ヴィラに戻った。慎一郎さんが私を、彼以外の誰にも会わせないようにしていたということを後から知った。思えば帰国の日まで、スタッフの姿を見なかった。全て慎一郎さんが対応してくれていた。

私が過ごしたのはヴィラとプライベートビーチだけ。部屋で服を着ようとすると「それ必要?」と問われ脱がされてまた前からも後ろからも愛された。

プライベートビーチでお気に入りの水着を着ていたけど、紐を使った素材だったからかすぐに解かれた。右の紐も左の紐も焦らすようにゆっくりと解かれて早く暴いてほしいとすら思った。

優しい軟禁ってこんな感じなのかなってちょっと思った。まずいのは、その日々が私は全く嫌ではなかったことだ。服もろくに着ていないのに、ずっと触れられて愛されて。慎一郎さんの指の些細な動きだけで身体の一部が疼くようになった。私、重症。

あのローカルマーケットでの一件以来、慎一郎さんが私に触れるとき、前よりも慈しまれているような気がした。遠慮しているわけでもないみたいで、一つひとつの動作がすごく丁寧になったように感じて、余計に焦らされて慎一郎さんが欲しくなった。

明日帰国だと言われたときには、私は社会人として
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  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   シンデレラは泣かない②

    「僕はね、アークスの社長の久世に人生を壊されたんだ」榊原常務は後部座席で前を見たまま告げた。慎一郎に人生を壊された?どういうこと?「僕の彼女がね、久世に奪われたんだ。それも、すごく卑怯な手でね」そんなの過去の話じゃん。今は私、大原理紗という彼女がいるんだから関係無くない?神妙な顔してるけど、慎一郎の悪口言うならやめようかな。「その久世に、あなたのような優秀な人材を奪われるのは嫌だった。あなたは……失礼、まだお名前を伺ってませんでしたね」「私ですか?大原理紗です」「大原さん。あなたは誰かに、自分の人生を壊されたことがありますか?」「……っ!」ある。思いっきりある。時國深月。時國深月に、私の無双OL人生を邪魔された。私が行くはずだった慎一郎とのアフタヌーンティー。伊勢志摩の旅行!慎一郎との結婚式‼︎全て私のものだったはずなのに何であんなショボキャラが手に入れるわけ⁈おかしいでしょ世の中‼︎だめよ理紗。ここはクールに冷静に。「あります。私も、大切な人を奪われました。すぐに奪い返しますけど」榊原常務の目を見る。真っ直ぐに。背も伸ばしてキリッとね。大原理紗、女の決意表明ここにあり!「大原さん、あなたは私の同志ですね。一緒に頑張りましょう!」榊原常務が私の手を両手で包み込んだ。気持ち悪っ。「きみ、予定変更だ。いつものところへ」「はい」榊原常務が運転手に行き先の変更を指示した。運転手は静かに頷いてるけど、今から行くのは会社じゃないの?「契約を交わす前に、お互いのことを知る必要がある。……わかるだろ?」「そうですね。同志ですが、初対面ですし」榊原常務が私の手を両手で包んだその後から、その手を離さない。指まで絡めてきた。え、何この人。「これから行くところで僕の質問に全て答えたら、報酬を倍にしよう。どうかな?」「勿論です!」絡んだ指に少し力を入れた。ダメ押しの上目遣い。しまった。胸元緩んでないじゃん。「大原さんはどんな男が好き?」うわあ。その笑顔。下品。下衆野郎ってこんな顔だ。「そうですね。たくましい方が好きです」慎一郎みたいにね。ああ早く、慎一郎の胸板で眠りたいのに。目の前にいるのは普通のおっさんの最下位変換した下品な男。なのに常務。常務じゃなかったらとっくに捨ててる。ここが黒塗りのベンツの後部座席じゃなかったら即降りてる。「た

  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   シンデレラは泣かない①

    ──照れ屋さんの彼氏を持つと、こんなに苦労するのね?久世さんってば、私との密会を誰かに見られるのを本当にびびっちゃってる。起業した社長なのに。もっと堂々としていればいいのに。何で時國さんなんかと結婚しちゃったのよ。そんなの時間の無駄。この私、大原理紗こそ、久世さんの妻に相応しいのに。久世さん、私にドラマチックな恋愛を提供したいのかな?しょうがないな。乗ってあげるよ?だって私、理解ある彼女だから。司はいると何かと便利だから、まだ私の彼氏だと思わせてあげてる。私の彼氏を名乗れるなんて、最高のステータス。本当はそのステータス、久世さんのものなのに。でもね、久世さんだって私の近くに司がいる方が燃えるでしょ?会社のビルの前で待つって言うのは、やっぱ危ないのかな。誰かに写真でも撮られたら、とか考えてるのかな。こないだだって、折角会いに行ってあげたのに、「またあなたですか」だなんて心にも無いこと言っちゃうし。何?探偵でも意識してんの?もっと自然に会えるように私は彼の秘書になってあげることも提案した。なのに「大原さんを雇うことはありません」ってさ。冷たくない?でもね。それが久世さんの、ううん、慎一郎の魅力でもあるの。慎一郎って言っちゃった。彼女だけが許される呼び捨て。時國さんは彼を慎一郎さんって呼ぶんだって。さん付け。何その他人行儀。そんなの夫婦でも何でもない。やっぱり時國さんより私の方が上なのね。慎一郎だってわかってるはずなのに。「……あの、少しよろしいですか」今日も慎一郎の会社のビルの入り口で待っていた。私に近づいてきたのは、中肉中背、平々凡々なおじさんだった。たぶん、見た目よりもう少し若いかも。肌だけはきれい。慎一郎には負けるけど。またひとり、私の魅力にやられちゃった人が来ちゃった。困るなあ。私には慎一郎がいるのに。私の手駒、司の他にもうひとりいてもいいか。しょうがない。渾身の営業スマイルで魅了してあげよう。もう魅了されちゃってるかもしれないけど。ああ、私、罪な女。またひとり。私の虜が誕生しちゃった。私を放っておくからだよ?慎一郎?「僕、こういうものです」差し出された名刺には「榊原 直哉/株式会社セイリュウ都市開発 常務取締役・事業推進本部長」と記されていた。ふうん。常務ね。いいよ、手駒ぐらいにはしてあげよう。お金持ってそうだから色々おねだりできるな。

  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   久世慎一郎の嘆き②

    『今夜、時間あるか?』瑛だ。こないだの結婚式の余興のお礼、まだしてなかったな。『あるよ。飲もうか。太郎さん行くか?』"太郎さん"は俺と瑛の行きつけの居酒屋だ。大将の料理が上手い。今日は俺が奢るか。『静かな所の方がいい』何か報告か?珍しいなこんな回りくどい言い方。『んじゃNOCTURNEな。19時?』『了解』BAR NOCTURNE(ノクターン)は俺たちが社会人になって初めて行ったバーだ。バーで飲むことに慣れていなかった俺たちに、マスターが親切に作法を教えてくれた。それ以来、うまいメシが食べたいときは太郎さん、静かに飲みたいときはNOCTURNEと決まっていた。『今日、瑛と飲んでくる』『晩ごはんは?』『帰ったら食べる』『早く帰ってこないと寝ちゃうからね?』『なるべく早めに帰るよ』仕事で遅くなるときは俺を待たずに早く寝るよう話していた。なのに深月はいつも、俺が深夜に帰るとソファでくるまって眠そうにしていた。俺の疲れが吹き飛ぶ瞬間。俺の癒し。深月がいるから、ここしばらくの理不尽な仕事の出来事も耐えられていた。夜遅くに食べる深月の玉子焼きは、俺の体力を全回復させていた。俺、あの玉子焼き、一生食えるんだな。勢いでプロポーズしたけど。プロポーズするつもりだったけど。本当に結婚して良かった。薄暗い入口。シンプルな扉の横に背の高い観葉植物。ドアベルが静かにカランと響いた。瑛はもうカウンターでグラスに口をつけていた。「早いな。マスター、俺もシングルモルト」目だけで返事をして氷を取り出した。ここのマスターはひとつひとつの動作が優雅だ。落ち着く。「何かあったか」静かに一瞥して視線をカウンターに戻す。何か言いたいときの仕草だ。「何かあったのはお前だろう。慎一郎」──何を言い出したこの男は。「アークスの良くない噂を取引先で聞いた。全て又聞きの根拠の無い話で、否定しておいたが。全て辻褄が合わず不自然な内容だった。どうなってる」良くない噂、か。瑛の話によるとやはりいちゃもんレベルのチンピラみたいな内容だった。馬鹿らしい。相手にする価値は無いが、放っておくと被害を被るのはこちらだ。「3件な。難癖をつけられている。関連があるかどうかは調査中だが、由佳の元彼がストーカー化して彼氏の会社を攻撃していると。元夫である俺にも被害がいくかもしれないと連絡が

  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   久世慎一郎の嘆き①

    ──森田法律事務所。ダークブラウンを基調としたインテリアのその真ん中で、俺はやはりダークブラウンの牛革ソファに座っていた。向かいには、眼鏡をかけた落ち着いた初老の森田昭義《あきよし》弁護士。その隣には司法修習を終えてまもないという八神岳《がく》弁護士が着席していた。「黒瀬社長から聞いてはいましたけどねえ、久世さん」「はい」「もうこれは、相談するレベルではなく、相談しないといけないレベルです。社長でしょ?社員守らないと」「……返す言葉もありません」我が社、株式会社アークス(ARCS)には3件難癖つけられただけだった。そのどれもが、いちゃもんレベルの内容。真摯に対応していれば問題無いはずだった。元妻の由佳に黒瀬専務が聞き取りをしてくれた。あの人も忙しいのに。その結果、由佳の彼氏の会社、株式会社NEXA(ネクサ)も同様の嫌がらせを受けていたことがわかった。ただ、難癖つけられているのが5件。NEXAに対する根拠無き悪い噂が流れていることまでわかった。黒瀬専務の情報網、すごいな。「忙しいのはわかるけど。みんな協力してくれてるんだから、森田先生のところには絶対!行ってね⁉︎」と朝深月に念押しされた。可愛い妻に出来立ての玉子焼きをあーんされながら言われて断れる男なんていないだろう。 「偶然じゃない可能性が高い。全部時系列で残そう」黒瀬専務である悠さんに助言されてから、トラブルが起きている3件の概要だけでなく、全ての記録を起こした。メール、取引先からの連絡、案件への難癖、時系列を証拠保全。わかってきたことは、難癖をつけるときに証拠が残らないよう、口頭でしか言われていないという共通点があることだ。元妻絡みのネクサの件でも同様だった。悔しいが、この件は俺ひとりで何とかなったとは言えない状況であることがわかった。俺の妻が、深月が、強引な人で良かったのかもしれない。悠さんとの電話のあと、「黒瀬専務、暴走って言ってたけど。何をやったんだ?」と恐る恐る尋ねてみた。情事の後のピロートークとは程遠い。「大したことしてないよ?」深月が意図的に、にっこりと微笑むときは何かある。「そうだなあ……。中学のとき、親友に嫌がらせっていうかいじめになりそうなことがあったの。その首謀者の名前を匿名で電話で隼兄ぃに通報してもらったぐらい?ちょうど高校受験の私立の推薦が決まる

  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   私を誰だと思ってる?③

    「そうか。状況は?」さすが隼兄ぃ、話が早い。「元奥さんから気をつけてって言われたみたいだけど。慎一郎さん、実害は?」「だから深月」「ねえ隼兄ぃが待ってる。今スピーカー。早く答えて」苦虫を潰したような顔でようやく、彼は言葉を紡ぎ出した。「……順調だった案件が一つ、難癖つけられている」「出てるじゃん実害」「そうですか……それは一件だけですか?」「3件あります。同じ時期に発生してます」「久世さん。そちらの顧問弁護士にご相談は?」「まだです。こちらで対応できる範囲と判断しています」……私たちが服も着ないで今ベッドの上でこんな真剣な話をしているだなんて隼兄ぃが知ったら卒倒するだろう。「できるだけ早く相談なさってください。どちらの弁護士さんです?」「森田先生です」「クロセでもお世話になっている先生です。腕は確か。僕からも話をしておきます」「それは申し訳ないので僕が」「当事者と第三者では見えてる景色が違う。久世さん。僕たちは義兄弟だ」……うん?義兄弟って、私と隼兄ぃが兄弟だったら成り立つのでは?私と隼兄ぃ従兄妹では?「隼兄ぃ、私たち従兄妹」「深月、ちっちゃいこと気にしていたら社長は務まらないんだよ」「いや私社長じゃないし」隼兄ぃとの電話を終えてベッドの脇にスマホを置いた。ふと見ると、彼が額を押さえていた。「慎一郎さん?頭痛いの?」「痛くもなるだろう深月。何でクロセの社長を巻き込むんだよ」「そんな困った顔しなくても。隼兄ぃ、力になってくれるよ?」「黒瀬社長はな、忙しいんだよ。俺の会社のことで手を煩わせるなんて申し訳なさ過ぎるだろう」そうか、こういうところか。私も慎一郎さんも、相手に尽くすのは慣れてる。でも、相手に大事にされることに実は慣れてない。私をいいお店に連れて行ってくれたり、荷物を持ってくれたりして甘やかしてくれるけど。この人は私が手料理振る舞っただけであんなに喜んだ人だ。最近彼が忙し過ぎて玉子焼きしか作ってあげられていないけど、その玉子焼きですら、すごく喜んで食べてくれるんだよね。玉子焼きで歓喜する人が会社のピンチで手を差し伸べられたらどうなるか。うん、今パニックなんだね。パニックしておいて。今のうちに私、戦闘体制整えちゃうから。「全くもう……」とぶつぶつ言ってる慎一郎さんからそっと離れて、またスマホを手に取る。今

  • ダイヤモンドは泣かない 〜可愛い顔したあの子に、もう奪わせない〜   私を誰だと思ってる?②

    「……で。何かありましたよね?」「え?」当然1回では終わらなかった。3回はしてたと思う。4回目にはたぶんいかないだろうから、追及するなら今だ。……まだベッドの中だけど。何も身に付けてないけど!慎一郎さんの手がまた這おうとしていた。 「いつもこうやって、誤魔化しますよね?」「え、いや。誤魔化すとか。何だよ深月。それよりも」強めの口付けを浴びながら、快楽に流されないように必死に理性に喰らいつく。だめ。私が流されてたら、この人は救われない。「慎一郎さん」極めて冷静に、優しい笑顔を浮かべてみる。でもきっと目が笑っていないって自分でもわかる。一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされた。はい、クロ。「私に秘密を持ってるとどうなるか忘れちゃったのかなー?」ぼんやりと固まった。のち、眉が少し上がった。「深月……それ、脅しか?」「また眠れなくなって貧血起こして会社で救急車呼ばれちゃうかもなー」わざとらしくため息をついてみせる。ちらりと慎一郎さんを見ると何かを諦めた表情をしていた。腹括ったね?「それは駄目だ。深月にあんな思いはもうさせられない」「そうよ?私貧血体質だからすぐ倒れるかもねー」深いため息。本当に言いたくないんだろうな。でも、慎一郎さんの表情が曇るようなことがあるなら、私だって力になりたいの。慎一郎さんが息を吸った。「前の妻から連絡があった」心臓がきゅっと縮まる。前の奥さん?今更?何なの……⁈「深月が心配するような内容じゃない。むしろ結婚おめでとうと言われた」「そう……」わざわざ言わなくても……。言う必要無いじゃん!って思う私は性格が悪いの?「俺と深月の間を邪魔するような内容ではない。問題は、その続きだ」顔に出ていたか。大きな手が私の頭をそっと撫でた。慎一郎さんの胸に額を押し付ける。この人の腕の中に閉じ込められるのが、私は人生のなかでいちばん好きかもしれない。「元妻の元彼が……今は他に彼氏がいるようだが。その元彼がストーカー化したらしい」「え」顔を上げた。それと慎一郎さんと何の関係が?困り顔の彼は続けた。「相当嫉妬深い人らしい。現在の彼氏の会社の営業妨害を執拗にしていると。かつて夫であった俺の会社対しても何か嫌がらせがあるかもしれないから気をつけてほしいという内容だった」「だから最近、スマホ置くとき画面伏せてたんですね」

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