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第60章:檻2

Author: Déesse
last update publish date: 2026-08-20 00:43:30

彼は質問をしない。彼の声に疑問符はない。彼は事実を述べる。すでに書かれ、すでに封印された判決を読むように。彼は机に近づき、黒い大理石の塊を回り込む。彼の匂い——白檀、革、煙の混合物——が経帷子のように私を包む。彼は私がまだ持っているファイル、上院議員のものを手に取る。彼の指は私の指に本当には触れずにかすめる。そして、故意の、ほとんど儀式的な遅さで、それを閉じる。厚紙がパタンと閉じる音が、銃声のように私を飛び上がらせる。

「ここまで来たのに、ブランシュ。すべてのレッスン、すべての放棄の後に。蝋、米、鏡の後に。君の肉への刻印の後に。私たちが苦痛と恍惚の中で、レンガを一つずつ積み上げてきたすべての後に。私が君に寄せたこの信頼、誰にも寄せたことのないこの信頼。服従。放棄。愛。そのすべては、君のもう一つの記者の嘘だったのか? 他より深い偽装だったのか? 私が犠牲者であるペテン師のゲームだったのか?」

「違います! ダディ、誓って、これは…」

「私をそう呼ぶな」

その言葉は顔面への平手打ち、即座の剥奪、冒涜。私の唇は、彼が今まさに禁じた神聖な称号の上で、半開きのまま凍りつく。私の血は静脈の中で氷
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    そして、誰にも言ったことのない言葉を口にした。 「すまなかった」第44章:ダミアンの告白 私の声は低く、静かだった。 「地下の闘技場でのことも。あの試練も。残酷な教えも、罰も、テストも。すべて、すまなかった」 私は彼女から目をそらさなかった。 「冬の庭園で君が言ったとおりだ。君が忠誠を証明したあとも、私は試し続けた。再び誰かを失うことへの恐怖に、自分の行動を支配させてしまった」 私は拳を握った。 「傲慢さのせいで、君を失いかけた。許してくれ、ブランシュ。もっと早く君を信じなかった私を」 彼女は立ち上がり、カップをテーブルに置いた。 そして私の椅子の前にひざまずいた。 指先が私の膝に触れ、灰色の瞳が私の目を探す。 「私はずっと前に、あなたを許していました、ダディ」 彼女は静かに言った。 「あの地下の闘技場で、初めてあなたに見つめられた夜から。あなたは怪物ではなく、傷ついた人なのだとわかっていました。だから、あなたを癒やしたかった。救いたかったんです。あなたが私を救ってくれたように」 彼女は微笑んだ。 「私たちは、もうおあいこです」 沈黙が降りた。 感情と記憶と約束が、部屋の空気に重く満ちていた。 やがて、レナが遠慮がちに口を開いた。 「クロス様……それで、これからどうなさるのですか? その資料を」 私は彼女に顔を向けた。 当然の質問だった。 黒いUSBメモリの中には、何百もの文書と、何千ページもの記録が収められていた。 十五年間の執念の結晶。 そして、その答えはすでに決まっていた。 戦いのあと、医務室に朝日が差し込んだとき、私は答えを見つけていたのだ。 「すべて破棄する」 レナとブランシュが、驚いた表情で顔を見合わせた。 「破棄するんですか?」 ブランシュが繰り返した。 「でも、これまでの努力も、何年もの時間も……」 「犯人たちは逮捕された。ヴァンスは収監され、彼の共犯者たちの組織も解体された。私が司法当局に渡した証拠だけで、彼らを有罪にするには十分だ」 私はUSBメモリを見つめた。 「まだ闇に潜んでいる者たちもいるだろう。だが、もう私は彼らの裁判官になりたくない。影の王であり続けるつもりもない」 私はブランシュに手を差し出し

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