昼は潔癖、夜は淫魔

昼は潔癖、夜は淫魔

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By:  6jayUpdated just now
Language: Japanese
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「今夜も私に治してほしいのですか?」 江戸随一の潔癖な若殿・久世道真。昼は冷徹な彼も、夜になると淫魔の呪いに苦しみ、蓮花にだけ弱さをさらす。その呪いを鎮められるのは、極陰の体質を持つ鍼医・蓮花ただ一人。秘密の治療を重ねるほど、二人の距離は甘く危うく近づいていく。だが、呪いの裏には恐るべき陰謀が潜んでいた――。

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Chapter 1

1話. 股間の魔物

東の空が白む前、江戸・山の手の静まり返った久世(くぜ)家の屋敷。

礼参奉行(れいさんぶぎょう)、久世道真(くぜ・みちざね)は、息の詰まるような凄まじい熱気に弾かれたように目を覚ました。寝床の中が、まるで燃え盛る火鉢の中に放り込まれたかのように煮えくり返っていた。

下腹部の奥深く、丹田のあたりから生まれて初めて経験する凶暴な脈動が、ドクドクと音を立てて響いていた。脈拍などではない。生きた何者かが皮の内側から頭を突き出して暴れているような響きだった。

「はぁっ……く、うぅっ……!」

道真は渇いた呻きを漏らしながら、自身の下腹部へと手を伸ばした。白玉のようだった指先に、到底人間の肉塊とは思えぬ異様な硬さが伝わった。鍛え上げられた鉄の棍棒のように硬く、太さは大人の男の腕ほどもあった。寝惚け眼で握り締めた手のひらでは、ひと回りすら包みきれない。指の隙間が押し広げられ、熱いたぎりが脈打つたびに手のひらの皺を押し上げてくる。

煮えたぎる熱気を吐き出しながら、薄絹の袴を食い破らんばかりの勢いで虚空に向かって反り立っていた。道真の目は見開かれ、顔色は真っ青に染まった。亀頭とおぼしき先端が寝具の内側を濡らし、透明で粘りつく熱液をどくりと押し出した。布越しに擦れ合うたび、背骨を貫く戦慄が脳天まで駆け上がる。苦痛なのか快楽なのかすら判別がつかない。

「こ、これは一体……な、何という怪異な代物なのだ!」

名門武家の面目と礼法を命よりも重んじ、生涯遊郭の敷居すら跨いだことのなかった潔癖な男であった。そんな彼の股間に、魔界の淫魔が宿すような凶悪で巨大な巨根が、青黒い血管を張り巡らせて暴れ狂っていた。心を鎮めようと必死に息を吸い込むほどに、魔物は道真の意志とは無関係に、さらに荒々しく脈動を速めた。

膨張する肉の圧力に耐えかね、薄絹の袴がとうとうメリメリと引き裂かれた。裂けた繊維の隙間から、赤黒い亀頭がぬらりと頭を覗かせる。空気に触れた瞬間、先端のスリットがぷくりと開き、熱液が太ももを伝って滴り落ちた。

「ひっ……あ……うぐっ!」

熱液が滲み出るたび、身を削るような快楽とはち切れんばかりの膨張痛が道真の脳裏を激しく突き刺した。昨晩、政敵である柳沢子明(やなぎさわ・しめい)らの一派と酌み交わした酒席の記憶が、稲妻のように脳裏をかすめた。

『換陽の術(かんようのじゅつ)と申したか……』

禁断の邪術により、人の陽物を強制的に淫魔のものへと置き換え、淫蕩に狂い咲く廃人へと堕として破滅させる呪い。道真は震える手で自身の胸元を掻きむしった。間もなく夜が明ければ、登城せねばならぬ時刻であった。

だが、羽織を十重に重ね着したところで、天を衝く怪物を覆い隠すすべなどあるはずもなかった。登城どころか、一歩足を踏み出す摩擦だけで肉が焼けるような激痛が走る。太ももの内側が亀頭に擦れるたび、膝から力が抜けて崩れそうになった。

「殿、朝の登城のお時間でございます。お駕籠をお回しいたしましょうか?」

障子の外から聞こえてくる屋敷の用人の声に、道真は舌を噛み切らんばかりにして呻き声を呑み込んだ。袴はすでに先走りの蜜でぐっしょりと濡れそぼっていた。障子の隙間から光が差し込むだけでも、この醜態が露見しそうだった。

「ひ、引き取れ……! 微熱が酷いゆえ、本日は書斎にて政務を執る……何人たりとも、庭へ立ち入らせるな!」

戸の隙間から荒い息を吐き出す道真の頬を、大粒の脂汗とともに、屈辱に満ちた涙がひとすじ伝い落ちた。下腹部が張り裂けんばかりに膨れ上がり、丹田が破裂しそうな激痛が押し寄せる。三日のうちにこの火気を浄化できねば、全身の血脈が破裂して非業の死を遂げると古書に記されていた警告が蘇った。

面目も体面もかなぐり捨て、今まさに命が風前の灯火という瀬戸際であった。道真は血の涙を呑み、ただ日が暮れるのをじっと待った。

衣桁に掛けられた登城用の装束が、障子の隙間から射し込む光の中に白く浮かび上がっていた。道真はその方角を見つめた後、固く目を閉じた。障子の外を人が通る気配がするだけで背筋を強張らせたが、足音が遠ざかると、再び寝床の端に崩れ落ちるように身を預けねばならなかった。手を触れればさらに膨らみ、手を離せば皮の内側から脈が弾け飛びそうになる。

誰かを呼ぶことも、独りで耐え抜くことも、もはや不可能だった。

***

子の刻を過ぎてようやく、道真は江戸の町外れ、深川の裏長屋へとたどり着いた。

『かの地に、鬼神すら癒やすという闇鍼医がいると聞いたが……』

古びた深編笠で顔を隠し、千鳥足で陰湿な長屋の戸を叩いた。羽織の裾の合わせ目が醜悪なまでに不気味に盛り上がり、すれ違う者が見れば誰もが息を呑むような異様さだった。一歩歩くごとに、亀頭が肌着の内側を激しく押し上げ、熱液が太ももを濡らしていた。

ガラリ。

軋む引き戸が開き、行灯を手にした女の顔が暗闇の中から現れた。丸く澄んだ瞳に、年頃の娘らしい気品を秘めた女――闇鍼医の蓮花(れんか)であった。

「こんな夜更けにどなたです? 今日の診察はとうに終わって……ひっ?」

蓮花の視線が、道真の股間付近へと釘付けになった。羽織を押し上げ、猛獣のように荒々しく息づく巨大な隆起。先端から染み出た濡れ染みが、上等な絹の裾を黒々と濡らしていた。道真は自害してしまいたいほどの羞恥に震え、血の滲む唇を辛うじて震わせた。

「た……助けてくれ。息が……絶えそうだ……」

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1話. 股間の魔物
東の空が白む前、江戸・山の手の静まり返った久世(くぜ)家の屋敷。礼参奉行(れいさんぶぎょう)、久世道真(くぜ・みちざね)は、息の詰まるような凄まじい熱気に弾かれたように目を覚ました。寝床の中が、まるで燃え盛る火鉢の中に放り込まれたかのように煮えくり返っていた。下腹部の奥深く、丹田のあたりから生まれて初めて経験する凶暴な脈動が、ドクドクと音を立てて響いていた。脈拍などではない。生きた何者かが皮の内側から頭を突き出して暴れているような響きだった。「はぁっ……く、うぅっ……!」道真は渇いた呻きを漏らしながら、自身の下腹部へと手を伸ばした。白玉のようだった指先に、到底人間の肉塊とは思えぬ異様な硬さが伝わった。鍛え上げられた鉄の棍棒のように硬く、太さは大人の男の腕ほどもあった。寝惚け眼で握り締めた手のひらでは、ひと回りすら包みきれない。指の隙間が押し広げられ、熱いたぎりが脈打つたびに手のひらの皺を押し上げてくる。煮えたぎる熱気を吐き出しながら、薄絹の袴を食い破らんばかりの勢いで虚空に向かって反り立っていた。道真の目は見開かれ、顔色は真っ青に染まった。亀頭とおぼしき先端が寝具の内側を濡らし、透明で粘りつく熱液をどくりと押し出した。布越しに擦れ合うたび、背骨を貫く戦慄が脳天まで駆け上がる。苦痛なのか快楽なのかすら判別がつかない。「こ、これは一体……な、何という怪異な代物なのだ!」名門武家の面目と礼法を命よりも重んじ、生涯遊郭の敷居すら跨いだことのなかった潔癖な男であった。そんな彼の股間に、魔界の淫魔が宿すような凶悪で巨大な巨根が、青黒い血管を張り巡らせて暴れ狂っていた。心を鎮めようと必死に息を吸い込むほどに、魔物は道真の意志とは無関係に、さらに荒々しく脈動を速めた。膨張する肉の圧力に耐えかね、薄絹の袴がとうとうメリメリと引き裂かれた。裂けた繊維の隙間から、赤黒い亀頭がぬらりと頭を覗かせる。空気に触れた瞬間、先端のスリットがぷくりと開き、熱液が太ももを伝って滴り落ちた。「ひっ……あ……うぐっ!」熱液が滲み出るたび、身を削るような快楽とはち切れんばかりの膨張痛が道真の脳裏を激しく突き刺した。昨晩、政敵である柳沢子明(やなぎさわ・しめい)らの一派と酌み交わした酒席の記憶が、稲妻のように脳裏をかすめた。『換陽の術(かんようのじゅつ)と申したか……』禁断の邪術によ
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2話. 闇鍼医の秘密の診脈
薄暗く手狭な薬部屋の片隅。湿っぽく干された艾(もぐさ)の香りと、ほろ苦い芍薬を煎じた匂いが道真の鼻腔を突いた。蓮花は深編笠を脱いだ道真の顔を認め、小さく息を呑んだ。眩いばかりに白く気高い顔立ち、乱れなく端正に結い上げられた髷、そして涼やかな気品を湛えた秀麗な面差し。江戸の町で知らぬ者のない清廉潔白な礼参奉行、久世道真その人に違いなかった。しかし、その高潔な武士の下半身は、およそ身分の高い男のものとは思えぬほど醜悪に天を衝いていた。蓮花は道真を古びた小上がりに浅く腰掛けさせると、腕を組みながら口を開いた。座るという動作だけで、羽織の前がさらに一寸盛り上がった。「若様、こんな夜更けに深川の裏長屋まで訪ねてこられ、袴を突き破らんばかりにお立ちになっておられるとは……肝を冷やしましたよ」「き、貴様……口を慎まぬか……っ! くっ……!」道真が放とうとした一喝は、あえなく荒い喘ぎ声となって霧散した。丹田に閉じ込められた炎が溶岩のように下腹部へと雪崩れ込み、皮膚を引き裂く勢いで膨張していた。息を乱す道真の白玉のような額に青筋が太く浮き上がり、血走った目には涙が浮かんでいた。蓮花は彼の腰元へと大股に歩み寄った。薬草の匂いが先に立ち、その奥から女の涼やかな体温が微かにかすめた。「無駄口を叩かず、紐をお解きなさい。医者が患部を直に見ずして、どうやって病を診立てるというのです?」「ま、待て……! 男女七歳にして席を同じうせずというのに、生娘が他人の男の股間など、みだりに……っ!」「ここでお宝が破裂して、城門の外に死体として運び出されるおつもりですか? 若様のお命は、その面目よりも軽いのですか?」蓮花の容赦のない手が迷いなく道真の絹の羽織をかき分け、下着の紐を一気に引き解いた。道真は硬直した手を伸ばして止めようとしたが、乱れた気血のせいで指先一本まともに動かせず、床を爪で掻くだけだった。紐が解ける衣擦れの音が、酷く長く感じられた。スルリ……。上等な絹袴が床へと力なく滑り落ちた。薄暗い行灯の明かりの下、ついに露わになった異形の姿に、蓮花は息を呑んで後ずさりしかけた。「……お釈迦様、これは一体……」蓮花の瞳が見開かれた。それは人間の大きさを遥かに超えた化け物だった。黒々とした血管がまるで怒れる大蛇のように太くトグロを巻き、放たれる熱気が部屋の空気までも熱くたぎらせ
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3話. 最初の外治(手技治療)
部屋の熱気は冷める気配を見せなかった。荒い吐息の甘い匂いと、焼きつくような陽気が狭い一室を満たしていた。蓮花は真鍮の小箱から掌ほどの針筒を取り出した。中には純度の高い白銀で鍛えられた銀鍼が納められていた。「丹田と会陰穴に針を打ち、火気を分散させます。少々ちくりと痛みますゆえ、動かないでくださいまし」手の甲が火傷しそうなほどの熱気に耐えながら、蓮花は針を立て、パンパンに張った下腹部のツボへと慎重に突き立てた。ジュウウッ――!肌に触れた途端、白い煙が立ち上り、銀鍼は高熱に耐えきれずに飴細工のようにぐにゃりと曲がってしまった。「……!」蓮花の顔色が生白く強張った。単なる逆上せや熱の病の類ではない。人間の気血を貪り食らう淫魔の呪い、換陽の術による毒気だった。「針ではツボを通せません。金属が保たずに溶けてしまいます」蓮花は曲がった針を脇へ置いた。道真はその先端から目を離せなかった。溶けた銀が己の肉から絞り出されたかのようで、吐き気を催す。「その針で……二度と刺すな」「私にも目はついております。通らぬ方法を繰り返すつもりはありません」蓮花の返答は素っ気なかったが、針筒を閉じる手つきに迷いはなかった。「で、では……私はこのまま、血脈が破裂して死ぬというのか?」道真は血走った瞳で蓮花を見上げた。汗に濡れた黒髪が額にへばりつき、紅潮した頬は痛々しいほどに艶めかしかった。下腹を掻きむしりながら喘ぐ男の丹田は、今にも張り裂けそうに膨らんでいた。股間の剛直は小上がりの上に斜めに横たわり、先走りの蜜を滴らせながら蓮花の膝へと向いていた。蓮花は針筒を置き、ごくりと唾を呑み込んだ。「手立てが、たった一つだけございます。私の体質を用いた『外治(げち)』です」「が、外治だと……? それは一体、何をするのだ」「針が通らぬ以上、私の手で若様の陽気を直接搾り取り、外へと排出させるしかありません」道真は雷に打たれたかのように目を白黒させた。「狂ったか……! 賤しい長屋の娘が、名門の当主のモノを握って弄ぶなど……断じて、断じて許されぬ!」「ではそのまま破裂してお死になさい。私も部屋中を血塗れにされるのは御免ですから、さっさとお引き取りを」蓮花が背を向けようとした瞬間、肥大化した魔物がドクンと跳ね、道真の五臓六腑を締め上げた。亀頭の先端が虚空で痙攣し、熱い先走りをも
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4話. 武士の涙と百両相当の銀塊
朝霧がうっすらと晴れ、障子の桟の隙間から青白い朝の光が差し込んできた。道真は全身を棍棒で打ち据えられたかのような鈍痛と、酷い脱力感に苛まれながら、ゆっくりと目を開けた。喉がカラカラに渇ききり、咳すら出ない。「う……うぅむ……」道真が呻き声を漏らしながら身を起こそうとして、その場で凍りついた。股間が、すうすうと寒々しい。下を見下ろした道真の顔色は一瞬にして土気色へと変わった。上等な絹の肌着は足首までずり落ちており、板間と小上がりの敷布の上には、昨晩撒き散らした白濁した熱液の跡が白々とこびりついていた。幸いにも、昨日のように天を衝いていた魔物は力を失い、大人しく横たわっている。しかしその大きさは、常の道真の端正なモノとは比べ物にならぬほど、依然として不気味な太さを誇っていた。萎えていても太ももを覆い隠すほどの偉容である。「お目覚めですか、若様?」部屋の片隅で薬湯を煎じていた蓮花が、土瓶を置いて振り返った。彼女の粗末な小袖の胸元には、昨晩浴びせかけられた白濁の染みがくっきりと残っていた。それを目にした道真の耳の付け根までが、カッと真っ赤に燃え上がった。昨晩の破廉恥極まる記憶が、走馬灯のように脳裏を駆け巡る。賤しい鍼医の手の中で女のように甘い嬌声を上げ、命乞いをしながら彼女の手のひらに大量の精をぶちまけた己の醜態。道真は震える手で破れた衣服をかき集めて前を合わせ、壁際へと後ずさりした。「き、貴様……私に何をしたのだ!」「何をした、ですって? 命を助けて差し上げましたのに、恩を仇で返すおつもりですか?」蓮花は呆れたように湯呑みを道真の前にコトンと置いた。「一晩中、手首が痛むほど搾り出して差し上げなければ、若様は今頃、下腹部が破裂して閻魔大王の前に土下座しておいででしたよ」「そ、その減らず口を引き裂いてくれる……! よくも武家の当主にそのような下品な言葉を……っ!」「下品なのは私ではなく、昨晩私の手のひらに向かって『蓮花、頼む』と涙も鼻水も垂れ流していたお奉行様ご自身でしょうに」蓮花は眉ひとつ動かさず、涼しい顔で言い返した。その堂々たる正論に、道真は胸が押し潰されるような屈辱に息を詰まらせた。反論したくとも、何ひとつ間違っていなかった。手のひらに白濁を吐き散らす瞬間、自らの口がその名を甘く呼んでいたことが鮮明に思い出されたのだ。「ち、治療代は十
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5話. 白昼の執務室の惨事
江戸城内の礼参奉行執務室。重々しく漂う墨の香りの合間から、荒く湿った吐息が漏れ出ていた。端正な藍色の装束を身にまとい、威儀を正した礼参奉行・久世道真の顔色は蒼白を極めていた。執務机の下、分厚い絹の袴の裾が、天に向かって急角度で突き上がり、プルプルと痙攣していた。上等な絹織物を食い破らんばかりの凶暴な怪物の高熱に、道真の太ももの内側の肌が焼けるように熱い。道真は震える手で硯を握り締め、ギリギリと奥歯を噛み鳴らした。膝を閉じれば太い剛直が太ももを押し上げ、開けば袴の膨らみがさらに露骨になる。『鎮まれ……頼む、鎮まってくれ……っ!』論語や孟子、聖賢たちの厳かな教えを舌が擦り切れるほど心の中で唱えたが、何の役にも立たなかった。股間に埋め込まれた淫魔の魔物は、高潔な男の道徳心を嘲笑うかのように、血が巡るほどにさらに巨大に膨れ上がっていく。キノコの笠のような亀頭の先から、透明で粘りつく先走りの蜜が絶え間なくどくりと溢れ出し、下着をぐっしょりと濡らしていった。腰掛けた座布団が湿っていく感触が生々しい。袴の前を手で無理やり押し下げようとすると、魔物は煮えたぎる脈動で道真の手のひらを跳ね飛ばした。その時だった。静寂を破り、執務室の外の廊下から重々しい足音が響いてきた。「奉行様、中にいらっしゃいますか? 柳沢(やなぎさわ)様が、祖廟の儀礼に関する上申の件で至急お目通りを願っておられます」下級役人の慇懃な声に、道真は硯を置くこともできずに扉の方を振り返った。柳沢子明(やなぎさわ・しめい)。彼こそが誰あろう。一昨晩、己に換陽の術という言語道断の邪術を仕掛け、淫乱な狂人に仕立てて失脚させようとした黒幕と最も疑われる、最大の政敵であった。この姿を見咎められでもすれば、身なりが乱れているという咎め立てどころか、即座に弾劾を受けて久世家はお家取り潰しとなるのは明白だった。「わ、私は今……国境に関わる重大な儀礼文書を精査しておる……! しばし外の控えの間で待つよう伝えよ!」道真は腰を深く折り曲げ、机の下へと魔物を隠しながら、絞り出すような声を張り上げた。しかし、下腹部を焼きごてでじゅうじゅうと焼かれるような丹田の膨張痛は、喉元を締め上げて息を詰まらせた。机の角に腰骨を押し付けると、亀頭が硬い木肌に押し当てられ、ぞくぞくと快楽の痺れが走った。「しかし奉行様、柳沢様は長老方と共に
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6話. 二度目の外治(手技治療)
部屋の中へと引きずり込まれるや否や、道真は古びた小上がりの上へと倒れ込むように崩れ落ちた。額やこめかみから噴き出す脂汗が絹の襟元をぐっしょりと濡らし、酸えた匂いを漂わせていた。蓮花は軋む板戸をぴたりと閉め、かんぬきを差すと、呆れたように舌打ちをしながら歩み寄ってきた。「百両も投げつけていかれたから、少なくとも半月は保つかと思えば、一日と保たずに這い戻っていらっしゃいましたね」「か、からかう暇があるなら……っ! 早く紐を……頼む……っ!」道真は戸口の方へ顔を向けた。かんぬきが掛かっているのを確認してようやく、長く息を吐き出した。蓮花はその視線を追って一度戸を振り返った後、男が小上がりの端から転がり落ちぬよう、脇にあった布団を引き寄せてあてがった。「ここまで来られたのですから、外を気にするのはおやめなさい」道真は自身の胸元を掻きむしりながら、詰まった声で喘いでいた。蓮花はこれ以上無駄口を叩くこともせず、手慣れた手つきで道真の羽織をはだけ、袴の紐を荒っぽく引きほどいた。スルリ……。袴が床へと滑り落ち、空気に晒された魔物の姿に、蓮花は我知らずごくりと喉を鳴らした。昨晩よりもさらに太く、赤黒い血管を怒張させた怪物が、猛獣の顎のように煮えたぎる熱気を吐き出していた。拳ほどもある亀頭は血の色に張りつめ、息を乱すたびに透明な先走りの蜜が、大粒の涙のように板間へとぽたぽたと滴り落ちていた。昼のあいだ装束の内側で圧迫されていた生々しい跡が、表皮に残っていた。「やれやれ。昼のあいだこれを無理やり押し込めていらしたのですから、腹の中は真っ黒な消し炭のようになっていることでしょう」蓮花は真鍮の桶に張られた氷のように冷たい清め水に、両手をざぶりと浸した。水滴がしたたる冷え切った掌が、ついに燃え盛る魔物の根元を隙間なく包み込んだ。冷たい水が熱い表皮に触れた瞬間、ジュウと白い湯気が立ち上った。「ひあぁあああ――ッ!」道真の喉の奥から、武士の威厳とは程遠い泣き声混じりの嬌声がほとばしり出た。氷水に焼きごてを突き刺したかのような激しい感覚とともに、骨の髄まで突き抜ける極陰の冷気が道真の脳内を吹き荒れた。道真は小上がりの敷布を爪が白く反り返るほど握り締め、腰を猛烈に跳ね上げた。掌の中で、柱が一寸ほども太さを増すかのようだった。「あ、あんっ……! 蓮花……て、手が冷たすぎる……
last updateLast Updated : 2026-10-13
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7話. 鍼医の不敵な警告
嵐が通り過ぎた部屋の中には、情事を物語る濃密な栗の花の匂いと、荒い吐息だけが静かに漂っていた。道真は蓮花の膝に額を埋めたまま、全身を小刻みに震わせていた。白玉のようだった頬は涙と涎で無残に汚れ、端正だった髷は解けて乱れ散っていた。「はぁ……はっ……うっ……」名門武家の誇りも、礼参奉行の威厳も、一握りの灰となって吹き飛んだ無様な姿であった。蓮花は自身の膝の上ですすり泣く道真の背を、まるで乳飲み子をあやすかのように優しくトントンと叩いた。その手慣れた、どこかからかうような手つきに、道真はぞっとしながらも、彼女の温もりにすがっている己自身がたまらなく惨めだった。蓮花は濡れ手拭いで指や袖にこびりついた白濁の熱液を拭い取りながら、低く口を開いた。「若様、こんな真似も今日でおしまいにいたしましょう。このままでは到底やりきれませぬ」道真は赤く腫らした目を持ち上げ、蓮花を見上げた。その涼やかだった切れ長の瞳は、今や恐怖と不安に激しく揺れていた。「お、おしまいとはどういう意味だ……まさか、私を見捨てる気か?」「見捨てるのではなく、状況をよくお考えなさい。今日、城の執務室で何が起きましたか?」道真の顔色が生白く凍りついた。蓮花は道真の反応を見て、フッと冷ややかな笑みを漏らした。「患部を触れば分かります。すでに昼のあいだに一度激しく発作を起こし、破裂寸前までいかれたご様子。装束を着たままで無理やり押し込めていらしたのでしょう?」「そ、それは……」「毎晩こうして深川の裏長屋まで隠れ忍んで来られるのも、せいぜい一日二日のことですよ。夜回りの辻番に見咎められでもしたら、名門久世家の当主が毎夜、色町でもない裏長屋の引き戸を爪で掻いておられるなどというおぞましい噂が、たちまち城中に広まります」道真の喉が焼けるように渇ききった。生涯かけて磨き上げた学問と清廉潔白な名声が、たった一夜の醜聞で泥溝に叩き落とされる危機だった。「それだけは……断じてならぬ。我が久世家の名誉と、私の命が……」「名誉よりも命が先決です。昼間の執務中に突然発作が起きたら、どうなさるおつもりですか? 大広間で上様や老中、役人方が居並ぶ前で、袴を突き破って魔物が暴れ狂ったらどうなさるのです?」蓮花の厳しい詰問に、道真の心臓はドキンと音を立てて冷え切った。想像するだけでも全身の血が凍りつく、おぞましい
last updateLast Updated : 2026-10-13
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8話. 密やかな終身雇用契約
蓮花の破格の提案に、道真の耳の奥でキーンと耳鳴りがした。『お抱え鍼医だと……? あの妖しい不敵な小娘を屋敷に引き入れ、昼夜問わず顔を合わせるというのか?』しかし、道真に選べる道は残されていなかった。明日にも城の執務室や御前会議で魔物が制御不能となって暴れ狂えば、彼の官僚生命はその場で無残に断たれてしまう。道真は生唾をごくりと呑み込み、蓮花の視線を避けた。「屋敷の西の離れを与えよう。使用人の出入りも滅多になく、奥書斎と人目を忍ぶ隠し戸で直に繋がっておるゆえ、他人の目を避けて滞在するには誂え向きであろう」「離れ、結構ですとも。静かで落ち着いていて、若様の陽気をこっそり搾り取って浄化するにはおあつらえ向きの場所にございますね」「言葉を……頼むからそのような浅ましい口調で申すなと、あれほど言ったではないか!」道真が血走った目で睨みつけたが、蓮花は鼻を鳴らすばかりだった。「浅ましかろうが高貴であろうが、若様のお命を握っているのはこの浅ましい手技でございます。それはそうと、お代はおいくら弾んでくださるのです? 私とて深川の裏長屋で稼ぐ診療で得る稼ぎも、結構馬鹿にならないのですよ」「毎月、三十両分の銀を遣わそう。一度きりの払いではない、月ごとに支払う手当だ」三十両分の銀。その破格の金額に、蓮花の丸い瞳がキラリと輝いた。深川の裏長屋で一年間骨身を惜しまず働いても手にできぬ大金である。さすがは国の儀礼を司る高官の殿様、懐の深さが桁違いだった。蓮花は躊躇うことなく戸棚の引き出しから上等の和紙と墨、硯と筆を取り出し、道真の前にしずしずと広げた。「高貴な若様でいらっしゃいますから、口約束だけで済ませるおつもりはございませんよね? 確実に書面にして、証拠の判を捺していただきましょう」「書面だと……? 一体、何の書面だというのだ!」「専属鍼医の雇用契約書でございます。『乙(蓮花)は甲(久世道真)の換陽の術の発作時、昼夜を問わず即座に治療に応じ、甲は乙の身の安全と毎月三十両の手当を厳重に保障する』という約定書ですよ」道真の口から乾いた失笑が漏れ出た。江戸で最も清廉潔白と名高い礼参奉行が、一介の路地裏の鍼医に股間のモノを委ねるという奴隷契約書に署名することになろうとは。しかし、もはや躊躇っている時間はなかった。道真は震える手で筆を執り、一気に契約の条項を書き流し
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9話. 久世家の離れの客
江戸・山の手、立派な長屋門が威風堂々とそびえ立つ礼参奉行・久世道真の格式高き本邸。初秋の冷ややかな風が式台と手入れの行き届いた中庭を吹き抜けていく静寂の武家屋敷に、見慣れぬ客が足を踏み入れた。地味な浅葱色の小袖を端正に着こなし、包みをひとつ胸に抱えた鍼医の蓮花であった。「このお方は、大奥様の持病の腰痛と、若様の微熱を専属でお世話いただく深川の名医、蓮花殿でございます」道真から厳命を受けた忠義な老用人の茂平(もへい)が、屋敷の者たちへ蓮花を正式に紹介した。丸く澄んだ瞳をしばたたかせ、深々と頭を下げる蓮花の姿は、見る者誰もが感嘆するほど純真無垢で淑やかに映った。その可憐な町娘の仮面の裏に、ふてぶてしいまでの度胸と強かな商人の計算が潜んでいることなど、誰一人として見抜く者はいなかった。「殿の特別なお言いつけにより、西の離れにお部屋をしつらえてございます。どうぞごゆっくりお寛ぎください」茂平の案内に従ってたどり着いた西の離れは、生い茂る竹林に幾重にも囲まれ、普段は使用人の足音すら届かぬ離れ座敷であった。そのうえ、奥書斎とは人目を忍ぶ小さな隠し引き戸ひとつで直に繋がっており、夜な夜な人目を完全に避けて行き来するには、これ以上ない誂え向きの構造だった。蓮花は部屋の畳の上に荷物をどさりと下ろし、久世家からあてがわれた分厚く贅沢な絹の敷布団の上へと大の字に寝転がった。「さすがは名門武家の離れね。板敷の冷え込む長屋と違って畳も暖かく、夜具の柔らかさも深川の薬部屋とは比べ物にならないわ。毎月三十両分の銀を着実に受け取りながらこんな贅沢ができるなんて、若様のあの魔物のおかげで、私の人生も大当たりね」蓮花は心地よさそうに両腕を伸ばして伸びをし、機嫌よく鼻歌を歌った。***その日の昼間、城から退出してきた久世道真は、いつものように威厳に満ちた当主の振る舞いを崩さなかった。広間で屋敷の家来たちの規律を厳しく引き締め、挨拶に訪れた親族たちに隙のない声で礼を尽くした後、独り奥書斎へと閉じこもった。表向きは江戸随一の潔癖な武士であり、一本気な原則主義者であったが、日が西の山並みの向こうへ落ち、あたりが濃密な闇に包まれるや否や、状況は百八十度ひっくり返った。***コト、カリ……。真夜中、離れの障子の桟を爪で必死に掻きむしる音が静寂を切り裂いた。蓮花が行灯を灯し、戸を細く開
last updateLast Updated : 2026-10-13
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10話. 書斎の裏手の三度目の外治
蓮花は離れと繋がる隠し戸をくぐり、奥書斎の裏手にある薄暗い小部屋へと道真を抱きかかえるようにして運んだ。バタン、と戸が閉まり、かんぬきが差される金属音が静寂を切り裂いた。道真は板間へと前のめりに崩れ落ち、荒い息を吐き出した。道真は背を戸に向けたまま、板間に両手をついた。たった今閉ざされた戸の向こうの気配に、しばらくじっと耳を澄ませていた。「誰も追ってきてはおりませぬ。若様、まず息をお整えなさい」絹の肌着の股間が、まるで猛獣の頭のようにパンパンに膨張し、今にも生地を引き裂いて飛び出さんばかりに激しく震えていた。蓮花はもはや無駄口を挟むこともせず、手慣れた手つきで道真の帯を解き、下着の紐を一気に引き抜いた。スルリ……。暗闇の中、行灯の光を浴びてぬらぬらと光る巨根が、ついに露わとなって虚空へと突き上がった。昨晩よりも血管はさらに太く青黒く浮き上がり、放たれる魔気の熱気が狭い小部屋の中をむっと息苦しいほどに熱くしていた。大人の拳ほどもある亀頭の先からは、すでに澄んだ透明な先走りの蜜が絶え間なく溢れ出し、敷布の上へとぽたぽたと滴り落ちていた。柱を伝った熱液が、張りつめた陰嚢まで濡らして光っていた。「はぁっ……あ……蓮花、早く……頼む、手を……っ」道真が血走った瞳で、蓮花の着物の裾をすがるように強く握り締めた。昼のあいだ儒学と武士の道を厳かに説いていた気高い唇から漏れ出るのは、ただ快楽と救済を乞う卑しい哀願ばかりだった。蓮花はあらかじめ汲んでおいた氷のように冷たい水を両の掌にたっぷりと注ぎ、冷やした手で魔物の根元をがっしりと鷲掴みにした。「ひあぁあああ――ッ!」道真の背筋が弓なりに反り返り、嬌声がほとばしり出た。声を張り上げれば外の使用人たちに聞こえてしまう恐怖から、男は絹の袂を口元へとねじ込み、必死に噛み締めた。んぐ、んんっ……! くぅっ……!口を塞いだにもかかわらず漏れ出る喘ぎは、かえって一層淫らに歪んでいく。蓮花は掌にずっしりと力を込め、青黒く怒張した血管を一本一本、搾り上げるように撫で上げていく。肌が擦れ合うたび、燃え盛る魔気と氷のような冷気が猛烈にぶつかり合い、道真の背骨を貫いて白い火花が散るような快感が奔った。噛み締めた袂は、見る見るうちに涎と涙で湿り気を帯びていく。「あ、ぐっ……蓮花、強すぎる……肉が引き裂かれてしまいそうだ……っ」「引
last updateLast Updated : 2026-10-13
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