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第208話

Auteur: 魚ちゃん
なんて滑稽なのだろう。

浮気をした張本人が、被害者である彼女を問い詰めているなんて。

明里は皮肉を込めて微笑んだ。「そうね。あの時、あなたと結婚するんじゃなかったわ」

「俺と結婚しないなら、誰と結婚したかったんだ?」潤が急に距離を詰め、彼女の細い肩を鷲掴みにする。「高橋か?」

明里は信じられないものを見る目で彼を見返した。「……何を言ってるの?」

「図星か?」潤の瞳が、嫉妬の炎でゆらりと揺らめく。「明里、お前は今、俺の妻だ。俺の……ものだ!」

そう言い放つなり、潤は明里の反論を封じるように、その唇を乱暴に塞いだ。

明里は思考が一瞬停止した。

なぜ潤の口から、先輩の名前が?

そもそも、どうして潤が彼の存在を知っているのか。

結婚してから、先輩とは個人的な連絡など一切絶っていた。博士課程に進むと決めてから、恩師の研究室で再会し、ようやく連絡を取り合うようになっただけだ。

それでも先輩との関係は、礼節を弁えたやましいところのない友人でしかない。

確かに、告白されるまでは、この優しい先輩を実の兄のように慕っていた時期もあった。

けれど、告白されてすぐにはっきりと断った
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