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第82話

作者: 魚ちゃん
「黒崎先生のオフィスへご案内します」

明里は頷き、彼女に礼を言った。

中に入ると、その建物は趣のある和風の内装で、一階は法律事務所というよりは、どこかの名家の邸宅といった雰囲気だった。

三階に上がって、明里はようやくオフィスらしき部屋があることに気づいた。

そう思っていると、童顔の女性がドアをノックして開けてくれた。「どうぞお入りください」

明里は再び礼を言うと、部屋に入った。そして、顔を上げると、そこにいたのは知的で端正な顔立ちの男性だった。

明里のイメージでは、弁護士というのはどこか鋭い雰囲気を持っているものだった。

しかし、目の前の男性から受ける印象は……大学の講師といった感じだ。

彼女の方から口を開いた。「はじめまして、村田明里です。葛城さんの紹介で伺いました」

「黒崎樹(くろさき いつき)です」

男は簡潔に名乗ると、名刺を差し出した。

明里はそれを受け取ると、尋ねた。「私の状況については、ご存知でしょうか?」

樹は言った。「胡桃から少しは聞いていますが、詳しい状況については、改めてお伺いする必要があります」

胡桃?

彼も胡桃のことを名前で呼ぶなんて
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