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第1152話

Author: 北野 艾
この場にいるのは、皆それなりに賢く、察しのいい人間ばかりだ。

だから、誰も二人の様子について野暮な詮索をすることなく、昼食会は和やかな雰囲気のまま進んでいった。

だが、食事が終わりに近づいた頃。

高村教授が唐突に、柊也に向かって切り出した。

「それで、結局のところ、お前たち二人はどういう関係なんだ?」

その瞬間、詩織はビクッと背筋を強張らせた。

彼女のすぐ隣に座る柊也は、長い脚をゆったりと組み、何食わぬ顔でくつろいでいる。だが、彼の視線は、ギュッと握り込まれて白くなった詩織の指先を静かに捉え、彼女の微かな戸惑いを余さず見抜いていた。

――彼女に無理な選択はさせないと、約束した。

だから柊也は、口元に薄く柔らかな笑みを浮かべた。声高に主張するわけでもなく、ただ、隣にいる彼女を深く安心させるような、穏やかで揺るぎない声で答えた。

「彼女が望む関係。それが、俺たちの関係です」

たった一言で、二人の関係を定義する主導権を、すべて詩織の手に委ねたのだ。

詩織は驚いて、弾かれたように彼を見上げた。

柊也は高村教授の方を一切見ようとせず、ただ真っ直ぐに詩織だけを見つめている。
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