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第361話

مؤلف: 北野 艾
だが、ホールのどこにも彼女の姿はなかった。

彼女はすでに個室へと戻っていたのだ。

……

夜になって、譲から詩織へ簡潔なメッセージが届いた。柊也の容態についてだ。

【左手の火傷、結構ひどかったけど、処置が早かったおかげで大事には至らなさそうだ】

詩織は【了解】とだけ返信した。

譲はしばらくスマホの画面を睨んでいたが、二通目のメッセージが来ることはなかった。

どうやら彼女は、本当に柊也に対して未練がないらしい。

太一はといえば、昨晩の接待で浴びるほど酒を飲み、帰宅するなり泥のように眠ってしまったため、柊也の怪我については何も知らなかった。

翌日そのニュースを聞きつけるなり、大慌てで病院へと駆けつけた。

病室には志帆の姿しかなかった。どうやら一晩中付き添っていたらしい。

「志帆ちゃん、一度帰って休みなよ。俺、今日ヒマだからさ、柊也のことは任せといてって」

志帆は少し心配そうだったが、柊也からも「戻って休め」と促され、ようやく帰宅を承諾した。

「じゃあ、何かあったらすぐ電話してね」帰り際、志帆は柊也への注意事項を細かく確認し、太一にもくれぐれも粗相のないようにと念を押
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