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第425話

Auteur: 北野 艾
詩織は反射的に通話ボタンを押した。「はい、江崎です」

……

一方、志帆の機嫌は最高だった。

今朝のニュース報道をきっかけに、風向きは完全に変わった。

不祥事以来低迷を続けていたエイジア・ハイテックの株価はV字回復を見せ、今もなお上昇トレンドを描いている。

志帆の手腕に懐疑的だった古参株主たちも、手のひらを返したように沈黙を守った。

さらに、昨日門前払いを食らわせた例の町田部長からも、猫なで声で電話がかかってきた。

「いやあ申し訳ない。急な出張から戻りましてね。昨日わざわざ足をお運びいただいたと聞いて、慌てて連絡した次第です」

白々しい言い訳だとわかっていても、志帆はそれを咎めたりはしない。

大人の余裕を見せつけ、あえて食事に誘ってやった。

町田は二つ返事で快諾した。

志帆は少し考え、ついでに悠人にも連絡を入れた。昨日の約束を果たすためだ。

町田のような小物が志帆を見下していたなら、その目の前で悠人のような大物とのパイプを見せつけてやればいい。

自分の背後には強大な人脈とリソースがあるのだと、骨の髄まで理解させてやるつもりだ。

母の佳乃も同様だった。

昨日あ
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