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第491話

Auteur: 北野 艾
二人は睦まじく会話を交わしながら車へと乗り込んでいった。

志帆は柊也との会話に夢中で、悠人に手を振ることさえ忘れてしまっていた。

悠人はその場に立ち尽くし、二人を乗せた高級車が走り去るのを見つめていた。

耳に残る甘い会話、目の前で見せつけられた親密な空気。二人の絆は、想像していたよりも遥かに強固だった。

取り残された彼の瞳には、暗く澱んだ影が落ちていた。

……

夜、密から電話があった。「明日の朝食、何がいいですか?」

そう聞かれたものの、詩織の頭の中は大学院入試の資料で埋め尽くされており、すぐには答えが浮かばなかった。

「……やっぱり、私がメニューリストを作っておきますね。詩織さんは当日、その中から選ぶだけにしましょう」

「いいわね。業務効率化、心得てるじゃない」

他愛もない雑談を二、三交わしてから通話を切る。

それからまたしばらく参考書に目を落とし、ふと時計に目をやると、針はすでに十一時を回っていた。

明日も重要な会議がいくつも控えている。そろそろ休まなければ。

詩織は机の上の資料を片付け、寝室へ向かおうとした時、バルコニーの窓が開いているのに気づいた。

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