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第745話

مؤلف: 北野 艾
息が続かない。意識が遠のきかけたその時、ようやく唇が解放された。

「はぁ、はあっ……」詩織は魚のように口を開けて酸素を求めた。

柊也は腫れ上がった彼女の唇を優しく啄むように吸い上げると、先ほどまでの激情が嘘のように、甘く崩れた声で囁いた。「詩織……戻ろう。また昔みたいに」

まるでぐずる子供をあやすような口調だった。

詩織は顔を背け、冷ややかな視線を彼に向けた。「無理よ」

「どうして? かつて愛していたと言ったじゃないか。俺たちは……」

「ええ。確かに愛していたわ」詩織は苛立ちを隠さずに言葉を遮った。「あの時はね。でも今は違う。もう愛してないの。だから無理よ」

その言葉は、鋭利な刃物となって柊也の胸を貫いた。

彼女が自分に対して抱いている「無関心」と「決別」を、これほどまで明確に突きつけられたのは初めてだった。

全身から力が抜け、抱きしめていた腕がだらりと下がる。圧倒的な無力感が彼を支配した。

その隙を見逃さず、詩織は彼の拘束から抜け出した。

乱れたドレスを手早く整える彼女の指先には、もはや迷いも動揺もない。

廊下から誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた。「江崎さん?どこ
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