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第三章 第27話 憂鬱な目覚め

作者: 輪廻
last update 公開日: 2026-03-16 20:47:02
どうやら、泣き疲れてそのまま眠ってしまったようです。重い瞼を開くと、私は何度か頭を軽く振り、ゆっくりとソファーから身を起こしました。

左手首に嵌めている腕時計に目をやると、時計の針は凡そ午前四時半頃を指し示していました。鳴神山地周辺の梅雨明け頃、正に今の時期ならば丁度日の出の頃合いです。

「…………」

腕時計で時刻を確認する際、視界に映りこんだものを見て、私は陰鬱な気持ちになりました。

左手の甲に刻まれた、正五芒星状の大きな傷。出血も痛みも特にありませんが、今のように時間を確認しようと腕時計へと視線を向けると、否が応でも視界に入り込み、存在を主張してくる··は昨夜、星降山の香々星之宮にて星を司る神・天津甕星《アマツミカボシ》によって刻まれたものでした。

「────」

泣きたいと思う反面、泣いたところで今更どうしようもないという諦念もあり、私は左手の甲を見つめたまま小さな溜め息を一つ吐くと、裸足のまま草履を履いてすっと立ち上がりました。

脱がされて床に置かれていた白足袋はどうやら、私が泣き疲れて眠っている間に誰かが洗濯するために持っていってくれたようです。
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