徒然奇縁堂日和

徒然奇縁堂日和

last updateLast Updated : 2026-08-30
By:  MiraiOngoing
Language: Japanese
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 御影町に住む高校生・小鳥遊成海は、幼い頃から幽霊や怪異が「視える」体質を持つ。  ある日、正体不明の化け物に追いかけられ、命の危機に陥ったところを、謎めいた和服の男・店主に助けられる。  『奇縁堂』。  そこには個性豊かな面々が暮らしている。  一人暮らしをしながら自立を保ってきた成海は当初距離を置こうとするが、一緒に食事をし、語り合ううちに、じわじわと奇縁堂の日常に溶け込んでいく。    そんな奇妙な日々の後、成海の通う高桜高校で、三年生の女子生徒が北校舎の窓から飛び降りるという事件が起きる。

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Chapter 1

壱、袖振り合うも他生の縁

 仄かに花の香りがした。

 それが、店先に咲いた桜の香りだと気付いた時、胸の奥で寂しさにも似た静寂を感じて、深く息を吸った。

「さ、店開きしようか」

 背後で暖簾をかける音がした。何度も耳にしたその音が、不思議と真新しく聴こえる。

 振り返ったその景色は、ほとんど変わりはしないのに。

「買い物に行かなきゃ」

「俺も行くよ。買わなきゃいけない物ってあったっけ」

 見慣れた後ろ姿たちが、暖簾をくぐっていく。もう一度背後を振り返るが、探した姿はもう見えない。

 春の温もりを纏った風が頬を撫でた。俺はそっと目を閉じて、店に入ろうと踵を返した。

 その時、玄関の前で大人しく座っていた白い犬が鳴いた。

「わん!」

 後ろ姿を見送った方角の反対側に体を向けて、ふさふさな尾を千切れんばかりに振っている。

「あ、あのう。ごめんください」

 白い着物を着た女性だ。細長い指を胸の前でもじもじと絡ませて、俯きがちにこちらを見ている。

 きちっと整えられた着物の裾から覗く青白い足は、地面に触れる寸前で淡く霞み、その輪郭は曖昧だった。

 女性は恥ずかしさを滲ませた小さな声で、懸命に言葉を紡いだ。

「ええっと……困り事があったらここへ行きなさいって教えてもらって……」

「ああ、なるほど」

 脳裏に、聞き慣れた声が蘇る。

 日は移ろい、同じ時は二度と存在しない。その刹那の出会い、それすなわち奇縁——あの人の口癖が、いつの日か自分の口癖になっていくのだろうか。

 合縁、奇縁、袖振り合うも他生の縁。

 果たして、この縁がいったい何を結ぶのか。

「いらっしゃいませ。まずは一服、それから話を伺いましょう。ようこそ、奇縁堂へ」

 りん、りん、と鈴が鳴る。軽やかなその音は、まるで来客を歓迎しているかのようだ。

この音を聴く度に思い出す。

二年前の春。桜も散った終わり頃の、今も色褪せない記憶を。とんだ不運と気の迷いから始まったと思っていた、運命という言葉にするにはドラマチックすぎる摩訶不思議な縁を。

あの日も、鈴が鳴っていた。

————

 走りながら、考えた。いわゆる『普通』とは一体何なのかを。

 階段を駆け降りながら、考えた。こんなにも走らなければならない理由を。

「誰か……っ!」

 小鳥遊成海は、荒れた呼吸の合間に喘ぐように叫んだ。

「助けてくれー!」

道端にいた鴉が三羽、驚いた様子で激しい羽音を響かせて飛び立った。

何でこんなことになっている。俺はいつものように校門を出たはずだ。

 そして火曜日の特売に間に合うように行きつけのスーパーに向かっている最中で、信号待ちをしている時に、『それ』と目が合った。

 視線が絡んだ。

 たったそれだけで、俺の日常は音を立てて崩れ去ってしまった。最高に狂ってる鬼ごっこの始まりだ。

振り向く余裕は、もうとっくにない。

「クソッタレ……ッ!」

 俺はただの人間だ。ちょっと幽霊が見えるってだけの。運動神経だって別に良いわけじゃない!

 人気のない、車が通る気配もない横断歩道を駆け抜ける。赤く光る信号機など無視した。そんなものに構っている場合ではない。

 追いつかれたらどうなるか、なんて分かりようもないが、追いつかれてはいけないということだけは、背中を這う冷たい感触が物語っていた。

 気が付けば、見覚えのない十字路に差し掛かっていた。

「っどこだよここ!」

 もう完全に迷子だ。何年もこの町に住んでいるというのに、いったいどこまで逃げ回ってしまったのか見当もつかない。

 それでも、止まるわけにはいかない。俺は一瞬迷ったのち、とりあえず左へ足先を向けた。

 振り向きざまに、背後に迫る『それ』が僅かに視界に入った。

 曲がり角にある民家の外壁からショートカットするように身を乗り出しているのは、赤みを帯びた黒い肌、そして俺に向かって伸ばされる大きく鋭い爪。

 バチンッ!

 強い静電気のような衝撃が走って、背を押された形になった俺は勢い余って倒れ込んだ。

 その拍子、手に握っていた物を放り投げてしまい、少し先の目の前に転がった。

「御守りが——」

 それは母から貰った御守りだ。

 水色の布地に青い糸で俺の名前が刺繍してある、この世でたった一つしかない大切な形見だ。

 それが鋭利なもので裂かれたように、真っ二つになっていて中身が覗いている。

 嘆くよりも先に、より一層血の気が引いた。俺は砂利ごと御守りを拾い上げて、もうなりふり構わず逃げ出した。

「やばい、やばい……! マジでやばいヤツじゃねーかよ!」

 叫んだつもりが、震えていて情けない声になっていた。

 背後で奴の怒鳴ったような大声が聞こえた。すぐにまた追いかけてくるだろう。

 走りながら破れた御守りを見た。

 今まで何度もこれに助けられてきた。こんな風に化け物に追いかけ回されたのも、二度三度なんてものじゃない。それでも本当に危なくなると、この御守りが跳ね除けて助けてくれていた。

 それが、失われた。じわりと涙が滲んだ。

 ちくしょう、何よりも大切な物なのに。

 叫んだところで誰も来やしない。

 ここにはもう、助けてくれる友人すらもいない。

 ぜえぜえと耳障りな自分の呼吸の音が、内側から響くようで気持ち悪い。

 足が震えた。力が入らない。

「ッ……」

 絶望的な状況に足を止めそうになった、その時。

 ——りりん、りん。

 ふと、どこからか鈴の音が聞こえた。俯きかけた顔を上げると、通りの右手にある古い民家が目に入った。

 俺は何故だか『呼ばれている』ような気がして、その場で足を止めた。

 すると当然の如く、背後から迫る化け物の足音が大きくなった。

「っしまった……!」

 慌てて民家の敷地内に入ろうと足を動かしたが、相手の方が早かった。

 紐のような物が俺の首に巻き付いて、あっという間に体が宙に浮いた。

「ッ……ッ……⁉︎」

 息が、できない。

 指で巻き付いた物を引っ掻くが、それが緩む様子は全くない。浮いた足は、もう地面に届かず虚しくバタつくだけに終わる。

「ぐっ……あ……ッ」

 苦しい。

 本当に、死ぬ、のか。

 こわい。『これ』は、いやだ。

 離して、やめて、許して。

「っかあ……さん……」

 ここに居るはずのない人影が現れる。

 白い手が、俺の首を絞めている。違う、幻覚だ。そんなこと、俺の人生で一度も無かった。

 ……こわい、はずなのに。

 これは罰なのだろうか。やっぱり、こんな風に殺されなきゃいけないような罪だったんだろうか。

 ——俺が生きるということは。

 徐々に視界が狭くなる。体の力が抜けて、意識を保っていられない。

 ここで終わるんだ、そう思うと、急速に意識が遠のいていった。

 ——パチンッ。

 光の消えかけた世界に、硬質な音が響いた。

「——ウチの前で、何やってんの?」

 途端、首を締め付けていたモノが弾け飛んだ。

「ゲホッ、ゲホッ!」

 吊り紐を失った人形のように地面に落ち、俺は肺が破れるかと思うほどの勢いで空気を貪った。

 涙で霞む視界の先に、誰かが立っている。

「珍しい鈴の鳴り方をしたから出て来てみれば……なーに人ん家の前で暴れてるわけ?」

 朱色。

 視界に入ったのは、目に刺さるほど鮮やかな朱色の羽織。

 どこか浮世離れした、涼やかな男の声だ。対して、化け物が何か喚いたが酷くしゃがれていて聞き取れなかった。

「うるせーな、近所迷惑だ」

 誰かが俺の前に立っている。

 俺はそこで、ようやく余裕を持って振り向いた。そして、俺を追いかけていたモノを、目の当たりにした。

「うっ……!」

 ひと目見て思うのは、巨大な獣。二足歩行をしているようだが、獣だと思った。

 赤みを帯びた黒い肌はところどころ捲れ上がるように変形しており、鋭い爪は小型ナイフのような長さをしている。あんなのに切り裂かれたらたまったものではない。

 そして、何よりおぞましく長い髪の毛が、うねうねと風に靡いている。気色悪い。

 あんなものが俺の首に巻き付いていたと知って、思わず首の皮膚を掻く。

「そら、さっさと消えろ。営業妨害だ」

 しっしっ、と犬でも追い払うかのような仕草をするその手には、白く短い棒が握られている。

 それが扇子だと気付いたのは、パッと口元を隠すように開かれたからだ。

 化け物はギョロリと暗い目を俺に向けたが、やがて恨めしそうな表情を残して走ってどこかへ消えて行った。

 助かった……のか……?

「さて、と」

 男が扇子で口元を隠したまま、俺の方を振り向いた。

「……!」

 薄紅色の瞳だった。

 品定めをするような視線が、いまだに地面に尻餅をついたままの俺を見下ろす。

 現代の雰囲気にそぐわない、和服姿の男だ。長い髪を簪でまとめ上げているその風貌は、声を聞かなければ女性と見間違ってもおかしくない。

 どこにいても目立つ朱色の羽織の裾に、金色の鳥のような模様が風に揺れている。

 彼は扇子をパチンと閉じた。いやにその乾いた音が響いて、思わず肩が跳ねる。

 そして、彼は無表情のまま俺にこう告げた。

「お前、このままじゃ死ぬよ」

「……え?」

「首、吊りたくないだろ?」

「く、くび、って……?」

 ——なんで、それを。

 息が詰まった。何か言い返そうとして、喉から押し潰れた空気が漏れた。

 男はそんな俺を見下ろしたまま、にんまりと口角を上げた。

「助けてあげよっか? その代わり、ウチで働きなよ」

「は……?」

「ようこそ、『奇縁堂』へ」

 差し出された手は、幸か不幸か。

『奇縁』——この状況を表すのなら、確かにその言葉は適当だろう。

 俺にとっての『普通』は、決して高望みするような特別なものじゃないはずだ。

 学校に行って、可もなく不可もない成績を収めながらバイトして生活費を稼ぐこと。

 毎週木曜日になるとスーパーの卵のセールがあって、今日はその日だ。今何時だ。多分もう間に合わない。

 首に残る息苦しさの痕が、酷く熱い。

 だから、これが気の迷いだとしても、誰も俺を責める道理などない。

 わからないことだらけだが、ただ一つだけ確かな事がある。

 ——さらば、俺の『普通』な毎日よ。

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壱、袖振り合うも他生の縁
 仄かに花の香りがした。 それが、店先に咲いた桜の香りだと気付いた時、胸の奥で寂しさにも似た静寂を感じて、深く息を吸った。「さ、店開きしようか」 背後で暖簾をかける音がした。何度も耳にしたその音が、不思議と真新しく聴こえる。 振り返ったその景色は、ほとんど変わりはしないのに。「買い物に行かなきゃ」「俺も行くよ。買わなきゃいけない物ってあったっけ」 見慣れた後ろ姿たちが、暖簾をくぐっていく。もう一度背後を振り返るが、探した姿はもう見えない。 春の温もりを纏った風が頬を撫でた。俺はそっと目を閉じて、店に入ろうと踵を返した。 その時、玄関の前で大人しく座っていた白い犬が鳴いた。 「わん!」 後ろ姿を見送った方角の反対側に体を向けて、ふさふさな尾を千切れんばかりに振っている。 「あ、あのう。ごめんください」 白い着物を着た女性だ。細長い指を胸の前でもじもじと絡ませて、俯きがちにこちらを見ている。 きちっと整えられた着物の裾から覗く青白い足は、地面に触れる寸前で淡く霞み、その輪郭は曖昧だった。 女性は恥ずかしさを滲ませた小さな声で、懸命に言葉を紡いだ。 「ええっと……困り事があったらここへ行きなさいって教えてもらって……」「ああ、なるほど」 脳裏に、聞き慣れた声が蘇る。 日は移ろい、同じ時は二度と存在しない。その刹那の出会い、それすなわち奇縁——あの人の口癖が、いつの日か自分の口癖になっていくのだろうか。 合縁、奇縁、袖振り合うも他生の縁。 果たして、この縁がいったい何を結ぶのか。「いらっしゃいませ。まずは一服、それから話を伺いましょう。ようこそ、奇縁堂へ」 りん、りん、と鈴が鳴る。軽やかなその音は、まるで来客を歓迎しているかのようだ。 この音を聴く度に思い出す。 二年前の春。桜も散った終わり頃の、今も色褪せない記憶を。とんだ不運と気の迷いから始まったと思っていた、運命という言葉にするにはドラマチックすぎる摩訶不思議な縁を。 あの日も、鈴が鳴っていた。———— 走りながら、考えた。いわゆる『普通』とは一体何なのかを。 階段を駆け降りながら、考えた。こんなにも走らなければならない理由を。「誰か……っ!」 小鳥遊成海は、荒れた呼吸の合間に喘ぐように叫んだ。「助けてくれー!」 道端にいた鴉が三羽、驚いた様子
last updateLast Updated : 2026-07-29
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弐、情けは人の為ならず
 信じがたい現実が目の前にある時、一般的に、人はどんな振る舞いをするのだろうか。 俺はというと、使い古されたちゃぶ台に置かれた渋い色の湯呑みを眺めている真っ最中だ。「文福茶釜直伝の茶だぜ。美味いからゆっくり味わえよ〜」 和服の男は俺と向かい合うように自分用の湯呑みもちゃぶ台に置いて、少しよれた紫色の座布団の上にどかりと座った。文福茶釜って、何だっけ。 あの後どうなったかというと、俺は誘われるがままにこの民家へ上げられ、こうして茶を振る舞われている。 いや、俺だってすぐに帰ろうとした。こんな怪しいヤツに関わると碌なことはないって、誰かに指摘されなくたって分かることだ。『でもまだ徘徊してるかもよ、さっきの』 ところがそう言われてしまえば、逃げ出そうとしていた俺の足はぴたりと止まった。「どした、ジュースが良かった?」「……いただきます」 別に飲み物に悩んでいたわけじゃないが、世話になった以上、このまま黙っていても失礼だろう。 俺は慎重に湯気の立つ湯呑みを手に取って、少し息を吹きかけ冷ました後に口をつけた。 ふわり、香ばしい茶葉の香りが鼻をくすぐり、滑らかな舌触りがほんのりと苦みを伴って舌の上を流れて落ちる。かと思えばお茶本来の甘味が、舌に残る苦味を和らげるように広がった。「美味い……」「だろ〜?」 男は満足げに笑うと、湯呑みを口元に運ぶなりごくりと一口飲み込んだ。 熱くないんだろうかと思った矢先、「あちぃっ!」と悲鳴が上がった。もしかして馬鹿なんだろうか。「本当は茶菓子の一つでも出してやりたかったんだけど、生憎切らしてるんだ。今買いに行ってると思うから、食べたきゃもう少し待ってくれ」「いや、別にいらないですけど……」「遠慮するなって!」「遠慮しているわけじゃなくて……。ていうか、そろそろ名前を教えてもらっても良いですか? ウチで働けってさっき言ってましたけど、どういう意味ですか? 俺を襲ってきたあの化け物は一体なんだったんですか? それともう帰って良いですか?」「待て待て待て」 矢継ぎ早に質問すると、男は慌てて手を振りながら湯呑みを置いた。茶は確かに美味いが、こんな怪しいヤツをそう易々と信じるもんか。 男は湯呑を置いて、胡坐を組み直した。「まず自己紹介からしよう。俺はこの『奇縁堂』の店主だ。ちなみに名乗れるような名前はない
last updateLast Updated : 2026-07-29
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弍-②
それからしばらくして、出来上がった料理が居間に運ばれて来た。 「お待たせ〜。今夜は肉じゃがだよ」 伊織が四人分の皿に盛り付けた肉じゃがをちゃぶ台に置くと、途端に牛肉の良い香りが俺の鼻を伝って胃袋を刺激した。美味そうだ。 ふと、肉じゃがに釘付けになっていると、背後から視線を感じた。振り向くと、伊織の後ろにいたもう一人の姿が目に入る。 「……こんばんは」 「こ、こんばんは……」 その視線の主は、小さな女の子だった。ミルクティーのような色のショートカットの髪の毛に、こちらをジッと見つめる黄緑色の眼。 その表情にははっきりとした警戒心が宿っているのが分かって、俺は慌てて背筋を正した。 「凛寧、新しい従業員の成海。仲良くするんだぞ」 「だからまだ働くって決めたわけじゃ……小鳥遊成海です」 頭を下げると、向こうも少しだけ下げてくれた。 彼女が、凛寧……さん? ちゃん? 呼び名はともかく、この家の台所担当をこんな小さな女の子がしているなんて思いもしなかった。見たところ、小学生高学年から中学生くらいだろう。 「……凛寧でいい」 「ど、どうも」 口にしたわけではなかったが、呼び名で悩んでいるのがバレていたようだ。凛寧は店主と伊織の間に座った。 「じゃ、食べようぜ。いただきまーす!」 店主の元気の良い挨拶と共に、各々も口にしてから食べ始めた。 「いただきます」 俺も食材と作ってくれた人への感謝を込めて、しっかりと手を合わせた。 まずは茶碗に盛られた白米を一口。少し芯が残っていて硬いが、風味が良い。  明らかに炊飯器では出せない香ばしさ。土鍋で炊いたのだろうか。いつも家だと炊飯器だから、いつか土鍋にもチャレンジしたいところだと思っていた。 味噌汁も一口飲む。具はわかめだけとシンプルな味噌汁だが、その分余計なものに惑わされずしっかりと味を感じることができる。 そして、ついにメインの肉じゃがに手を伸ばす。香りを嗅ぐと、若干の生臭さと青臭さを感じた。おそらく糸こんにゃくとじゃがいもの下処理が甘かったのだろう。だが、このくらい全く問題にはならない。大きく口を開けて、じゃがいもを頬張った。 「……うん、美味い」 形がしっかりとしているが、火は満遍なく通っていて美味しい。おつゆの甘みが個人的にはもう少し
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弐-③
 ——目に入ってきたのは、一升瓶を抱いて眠る店主の姿だった。「…………」 呆れてものも言えないとは、まさにこのこと。俺が風呂に入ってから上がるまでのこの時間で、しかも上がったら声を掛けろと向こうから指示しておいて、この男は酔い潰れたというのか。 丁度そこへ、お盆にコップを乗せた伊織が続いて入って来た。「店主、水持って来た……あ、成海くん、お風呂上がったんだね。どうだった?」「お先でした。気持ち良かったです」「ムニ!」「あれ、ムコも一緒だったの?」 ムコというのか、この謎生物は。名前が分かって少しだけスッキリした。「あの、この生き物って何なんですか?」「ムコがさっき言ってた留守にしてる従業員の一人だよ。漠っていう妖怪で、人の夢を食べるらしいんだ。いつの間にか戻って来てたみたいだね」 伊織に説明してもらって、あの頭の奥が軽くなった瞬間を思い出した。「ほら、店主! 起きてったら。あっ、ムコ、凛ちゃんにお風呂どうぞって伝えてくれないか」 ムコは寝転んでいる店主の脛あたりを、全く攻撃力のなさそうな前足で蹴ってから居間を出て行った。……当たり前のように戸をすり抜けて。「んん〜……むにゃむにゃ」「駄目だ、起きないや。成海くんはこんな大人にならないようにね」「はあ……」「布団の用意は出来てるから、案内するよ」 伊織はそばにあった膝掛けを店主に掛けてやって、一升瓶を回収してちゃぶ台の上に置いた。 それから電気も消して居間から出て行った後ろ姿を、俺は迷うことなく追いかけた。 二階へと続く階段を踏み締める度、キシキシと軋む音がする。しかし古い造りに反して、埃はほとんど見当たらなかった。手入れが行き届いているようだ。「ここだよ」 通された部屋はいたってシンプルな和室だった。家具は布団一組だけしかないが、思いのほか広々としていて、一人で泊まるには十分過ぎる広さだった。一〇畳はあるんじゃなかろうか。薄々思ってはいたのだが、この家は明らかに外見よりも広い気がする。「何もない部屋でごめんね」「いや、そんな。俺こそなんか、突然お邪魔することになってすいません……」「それこそ気にしないで。僕もそうだったし、店主が良いと言ったのなら、それで構わないんだ。……ここで働くかどうかは君が選ぶことだけれど、俺は君と働けたら嬉しいな。おやすみ」 伊織は手を振っ
last updateLast Updated : 2026-08-01
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参、捨てる神あれば拾う神あり
 翌朝、障子越しに窓から差し込む陽の光で目が覚めた。目覚めの景色がいつもと違っていて、まだ覚醒しきらない頭を捻る。 パジャマではなく、浴衣。ベッドではなく、敷布団。 フローリングではなく、畳の和室。 そういえば、よく分からない人達の家に泊まったんだった。 「……よく寝た」 知らない環境で寝たにしては、やけにスッキリしている。今、何時だろう。 「時計……は、ないか」 部屋の中に時計は見当たらない。そういえば携帯電話も鞄ごと紛失しているから、手元にない。 俺は慌ててはだけた浴衣を直しながら起き上がった。昨日、あのまま寝てしまったのか。 そしてふと、気付く。足を止めて室内を見渡した。 「この部屋、こんな狭かったっけ……」 気になったのは間取りだ。昨日寝る前に広いなと感じたはずが、明らかに狭くなっている。疲れていて記憶違いをしているのだろうか。 だが、今はそんなことは大した問題じゃない。俺は少しだけモヤモヤしながらも、急いで浴衣から制服に着替えて戸を開けた。 「うわっと!」 すると、何かに躓いた。危うく体勢を立て直して足元を見ると、そこには見慣れたスクールバッグが置かれているではないか。 「っ携帯!」 急いで中身を確認すると、一先ず紛失してそうなものはなさそうだった。携帯も壊れたりしておらず、きちんと画面がついてホッと胸を撫で下ろした。 しかしその表示された時間を見て、今度はサッと血の気が引いた。 「九時ィ⁉︎ ヤバい遅刻だ!」 俺は鞄を引ったくるように回収して、浴衣を畳むこともせずに、軋む階段を足早に駆け降りた。何で誰も起こしてくれなかったんだと思いつつも、起こす義理などないこともまた事実。 「おはようございます!」 居間の戸を開けると、中には昨日のように店主がくたびれた紫色の座布団の上に座っていた。 「よう、起きたか。よく寝てたなー」 「じゃなくて、遅刻するから! どうもお世話になりまし、た……?」 最後が疑問系になったのは、その場にもう一人の見慣れない人影があったからだ。 ——黒髪の、すらりとした男だ。こちらを見るその視線が冷ややかで、俺は思わずぺこりと頭を下げた。 「紹介するぜ。こいつは隠神。礼を言っとけよ、成海の鞄を回収してくれたのこいつだから」 「あ、あり
last updateLast Updated : 2026-08-01
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参-②
 ……とまあ、そんな感じでいざ帰らんと意気込んでいたわけなんですよ。「あ、おーい、成海くーん!」 日が傾いて夕焼けが広がる時間。校門の前に人だかりが出来ていると聞いて、嫌な予感がしながら通り抜けようとすると、聞き覚えのある声に飛び止められた。 真っ白い髪の毛、真っ赤な目。見るからに人目を惹く異端な見た目でありながら、整ったイケメンフェイス——そう、伊織だ。「い、伊織さん、何でここに⁉︎」「店主に迎えに行くように頼まれたんだ。ほら、昨日危なかったって聞いてるから」「くっ、強制連行ときたか……」 俺はがっくりと肩を落とす。伊織はそんな俺をニコニコと笑顔で見ていた。「ついでにお使いも頼まれてるんだ。成海くん、料理得意なんだろう?」「……え、俺、それ言いましたか?」「うん? 凛ちゃんからそう聞いて……あ、なるほど。心を読んだのか。そういえばそうだった」 そんな忘れるような事なのか。それかあの女の子が無口すぎるだけなのか。 とりあえずこんな校門の前では目立ち過ぎる。俺は余計な噂がこれ以上悪化する前に、伊織と共に商店街に向かって歩き出した。 先に歩き出した俺の隣に並んだ伊織は、白いパーカーに黒いジャージを履いているラフなスタイルだ。青いナイロンのショルダーバッグは何か重いものでも入っているのか、下向きにしわができている。「凛ちゃんのご飯、美味しいよね。僕も奇縁堂に来たばっかりの時にご馳走になったんだ。あの時食べた秋刀魚の塩焼きは忘れられないよ」「人に作ってもらったご飯って美味いっすよね」「僕は料理は全然駄目。でも固い食材とか、瓶の蓋とか開けられなくなったら遠慮なく言って!」 むん、と力瘤を作って見せているが、パーカーの生地の上からはそれが見えない。顔が爽やかなだけに、非力そうとは思わないが、全然怪力そうには見えない。ただあの場で店主や凛寧が嘘を吐く必要もないし、車を持ち上げた……は流石に盛り過ぎだとして、カボチャを割ったのは恐らく本当なんだろう。 歩きながら、伊織は店での生活を教えてくれた。 例えば店主は酒にだらしなく、そこまで強くもないくせに酒好きなこと。凛寧は見た目の通りまだ子供だが、山菜に詳しく、ちょっとした家庭菜園にハマっていること。ムコは夕方になると店の外へ出掛けて、時々お土産に綺麗な石を拾って来てくれること。それを枕元に置くと
last updateLast Updated : 2026-08-01
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参-③
 低い男の声だ。その声に聞き覚えがある。 その人物は、今朝居間で会ったあの男。名前は、隠神だ。 彼は右手の長い指を不思議な形に絡ませる。ふわり、着物の袖が浮いた。「伊織、危ないから離れて」「えっ、あ、隠神さん⁉︎」 伊織もそこで初めて第三者の介入に気付いたようで、掴んでいた化け物の腕を離して、後方へ飛ぶように下がった。「——丙丁の火、来たれ」 直後、炎が舞った。隠神が組んだ手の前からいくつも火球が化け物に向かって飛んで、ぶつかって弾ける。伸ばした髪の毛が燃えたせいか、悪臭が鼻をついた。濃く染まった夕焼けよりも赤い強烈な炎だった。 化け物は悲鳴を上げて飛来する火球を振り払おうと激しく大きな手を振り回すが、炎に呑まれて焼け落ち、やがて灰のように消えた。「塵からやり直せ。己の道理も弁えぬ痴れ者が」 吐き捨てるように言い放って、絡ませた指を解くと、炎は風に流れるように鎮火する。その跡には、煙すら残らない。「伊織、大丈夫?」「ありがとう、助かりました……。成海くんも平気?」「な、何とか」 差し出された手は取らずに、俺は自分で立ち上がった。伊織は少し寂しそうな顔をしたが、何も言わずにその手を下げた。 俺は伊織を見ることができなかった。その首に、赤い線が残っているから。「……すみませんでした」 巻き込んでしまった。危うく、伊織が死んでしまうところだった。 だから、頭を下げた。謝ることしかできなかった。それ以外に、どうすれば良いのかもわからなかった。「き、気にしないで。俺なら平気だからさ」 慌てた様子の伊織が俺の肩を叩く。「……君さあ」 伊織ではない、低い声がした。「謝って済むと思ってるの?」 ぎり、と唇に痛みが走る。唇を噛み締めていることに、痛みがしてから気が付いた。 恐る恐る顔を上げると、隠神の目がこちらを見下ろしていた。逆光でその表情はよく見えないが、オレンジ色の瞳が真っ直ぐに俺を見据えていた。「あのアヤカシは君と深く結び付いている。形だけ祓っても、またいつか必ず復活する、そういう類の呪いだ。つまり、君がいる限り何度でも同じ事が起こる」 淡々とした口調で、隠神は語る。 奴と俺が結びついているとは、どういう意味だろう。そんな呪いが掛かるようなことを、最近で何かしただろうか。 いや、今はそんなことはどうでもいい。とにかく
last updateLast Updated : 2026-08-01
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肆、同病相憐れむ
 奇縁堂に辿り着いた頃には、すっかり夕日は沈み切っていた。「ただいまー」 ほぼ同時に伊織と隠神が声を掛けると、からりとひとりでに玄関の戸が開いた。「……お邪魔します」 俺もそれに続こうとしたところで、いきなり目の前でぴしゃりと戸が閉まった。「えっ、何で⁉︎」 ここまで来てまさかの拒否に思わず驚きの声を上げるが、はたと出ていく時の事を思い出した。『行ってきますって言わないと、開けてくれない』 確か、凛寧がそう言っていた。なら、今言わなきゃ行けない言葉は簡単だ。いまだにどういうシステムなのかは分からないけれど。「……た、ただいま」 からり、戸が開いた。先に土間から上がった伊織と隠神の温かい視線が気まずい。隠神は「何だ、もうそういう扱いだったんだ」と一人納得して廊下の奥へ去って行った。「凛ちゃーんごめんー。買い物行けなかったー!」 伊織は凛寧に向かって声を張ると、俺を手招きした。俺も靴を揃えて脱いでその後に続く。行き先は例の居間だ。伊織がその戸に手を掛けるよりも先に、内側から開いた。「……おかえりなさい」 出迎えたのは凛寧だった。その黄緑色の眼が真っ先に伊織の首に向けられ、僅かに目を見開いた。それから後ろにいる俺を見て、もう一度驚いたような顔をした。「ただいま、凛ちゃん、店主」「おー、戻ったか。……どうした、その首?」「ちょっと油断しちゃって。秘密道具も使いこなせなかったや。面目ない」 伊織は手に持っていた水筒を振った。ちゃぷちゃぷと水が揺れる音がして、中身が減っていないことを示している。「あらら……。おう、成海もお帰りー」「……どうも」 俺は何となくその顔を見れなくて、伊織の陰から挨拶をした。しかし店主はそんな俺の気まずさなど見透かしているように、扇子を開いて数回顔を仰いだ。 それからパチンッと閉じると、化け物相手に隠神がしてみせたように、指を複雑な形に絡み合わせた。「——有罪!」「あいたぁっ⁉︎」 突如、バチっという電気が走った音と、聞こえた悲鳴に周囲を見回すと、居間に繋がる隣室の障子がゆっくりと開いた。「ごめんって、店主……泣かせるつもりじゃなかったんだよ」 そこからぬっと現れた隠神は、頭から謎に煙が出してショボくれた顔をしている。「お前な、人間の子供相手に大人気ないぞ」「店主こそ『本当に危なくなるまで手を
last updateLast Updated : 2026-08-03
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肆-②
 さて、これで夕飯が完成した。 玉ねぎのステーキ、ツナポテトサラダ、きゅうりの塩揉み、小松菜と油揚げの味噌汁。……うん、急ピッチで作ったにしては上出来だろう。「隠神、店主、取りに来て」 凛寧が珍しく少し大きめに廊下に向かって言うと、そう間を開けないうちに隠神が台所へとやって来た。「やあ、良い匂いだ。夕飯は何?」 少し遅れて店主も大欠伸をしながらのそのそと歩いて来た。台所に漂う匂いを嗅いで、眠そうな目をぱっと開いた。「んん、なんかすげー良い匂いする」「ほら、運んで運んで。冷める前に食べよう」 伊織に急かされるように二人も自分の分のお盆を持って、居間に戻っていく。 ……意外と自分で取りに来るスタイルか。いいな、それ。昨日は今まで運んでくれたのは、俺がまだ客人だったからだろう。いや、今も一応客人だと思うが。一人でツッコミながら、俺も自分の分を運んで後を追う。「すげー美味そう。買い物行けなかったって言ってなかったか?」「それが聞いてよ店主。成海が冷蔵庫を見るなりささっと役割分担してある物であっという間に作っちゃってさ」「あ、でも小松菜ときゅうりは凛寧が育てたやつだし……」「やっぱりそう? 凛ちゃん頑張ってたもんね」 隠神が低い位置にある凛寧の顔を覗き込みながら、優しい声で笑う。その様子を見て、確かに凛寧に甘いと言っていた伊織の評価に納得した。 居間に到着し、各々がちゃぶ台にお盆を並べ着席した。しっかり俺の分の座布団も用意してあって、何だかむず痒い気持ちになる。大きいちゃぶ台も、五人も席に着けばそれなりに手狭だ。でもその感じは嫌いじゃない。「では、いただきます!」 店主が手を合わせて、俺以外の全員が息を揃えて食前の挨拶をした。そして真っ先に全員が玉ねぎのステーキに箸を伸ばした。全員空腹か。「ん、ウマ!」 一番最初に声を上げたのは、店主だ。子供みたいに丸々一切れを掴んで齧り付き、目をキラキラさせて咀嚼している。「玉ねぎってこんなに甘くなるんだね。醤油が香ばしくてご飯が進む〜」 伊織は玉ねぎステーキをおかずに、多めに盛ったご飯をもりもりと食べ進めている。よく食べるだろうと言う見立ては間違いじゃなかったようだ。「……いただきます」 そこで、俺もようやく食べ始めた。もちろん俺も真っ先に手を出すのは、玉ねぎステーキだ。 型崩れしないよう
last updateLast Updated : 2026-08-03
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肆-③
 廊下を歩いている間も、凛寧は何も言わなかった。 再び台所へと戻って来ると、まだほんのり醤油の香りがしていた。「俺が洗うから、拭いてくれるか」「……分かった」 シンクに水を溜めて、そこに食器を浸けていく。洗うためのスポンジを無意識に探したところで、白いタワシのようなものが目に入った。「何だこれ?」「……ヘチマ。それで洗う」 まさかの、ヘチマ。 いや、でも家庭科の授業で昔の人はヘチマを使っていたとか言っていたような。郷に入れば郷に従え。虎穴に入らずんば虎子を得ず。いや、後半は違うか。 とにかく俺は人生で初めてヘチマを使って皿を洗い出した。洗剤らしい物もないから、本当にこれだけで洗っているんだろう。「……」 お互いに、無言で作業を進めていく。 心配していた油汚れも、意外と綺麗に落ちていくから驚きだ。洗剤を減らして洗えるのなら、節約できて良さそうだ。ヘチマスポンジ、侮れない。「……どうして、料理が得意なの?」 ぽつりと、凛寧が躊躇いがちに尋ねてきた。その問いに対する答えは、いつも同じことを言うようにしている。「一人暮らしをしていれば、それなりに慣れるもんさ」 でも、これは半分嘘だ。だって俺は、一人暮らしを始める前から料理が得意だった。 誰にも迷惑をかけないでいられるように。早く一人で生きていけるように。そして何より、役立たずになりたくなかった。そのために俺にできたことが、料理だったというだけの話だ。「まあ、料理なんてレシピ通りにすれば誰でも作れるし、そんなに難しいもんじゃない」「……ふーん。……じゃあ、料理が上手になれば、役立たずじゃなくなるの?」「えっ?」 ドキッと、心臓が跳ねた。そしてすぐに彼女が心を読むことができる能力持ちだと思い出す。放課後、伊織がそれを忘れていたのを揶揄できないなと内省した。「……いや、そんな心配いらないだろ。ほら、隠神とか、みんなも優しいみたいだし」 隠神は俺には優しくなかったけど。「………」 凛寧は再び黙り込んだ。 俺には、凛寧が愛されているように見える。それは凛寧が子供だからというよりは、きちんと家族として扱われているからだと思う。 店主と従業員という関係でも、正体が人間じゃなくても、衣食住を共にしているのならそれは家族と言っても過言ではないように思う。それだけの暖かさが、彼らにはある
last updateLast Updated : 2026-08-03
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