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第21話

Auteur: 閑雲
探し始めて三十分ほど経った頃、前方のベンチに二人の人影が座っているのが見えた。

陽咲は恐る恐る近づき、懐中電灯で照らしてみた。まぎれもなく紬希だった。

彼女は慌てて駆け寄り、紬希を抱きしめると、どこかぶつけたり怪我をしていないか入念に確認した。

無事だと分かり、陽咲はようやく安堵の息を吐き、紬希を連れて帰ろうとした。

だが顔を上げると、ベンチには蒼空が座っており、漆黒の瞳に笑みを浮かべてこちらを見つめていた。

「清水さん。奇遇ですね、またお会いしました」

その瞬間、陽咲の心の底から得体の知れない恐怖が込み上げてきた。

その感覚は、無意識のうちに逃げ出したいという衝動を抱かせた。

事実、陽咲は即座にその衝動に従った。

彼女は紬希を背中に庇い、愛想笑いを浮かべた。「ええ、本当に奇遇ですね、周防さん。用がないようでしたら、紬希を連れてこれで失礼します」

陽咲が背を向け、立ち去ろうとした時だった。

紬希が彼女の袖を引っ張った。陽咲は尋ねた。「どうしたの、紬希?」

紬希は首を横に振り、周防をじっと見つめて彼に手を振った。「お兄ちゃん、ばいばい。おはなししてくれて、ありがと
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