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15話. 帰る場所

Author: 6jay
last update publish date: 2026-09-28 13:15:40

深夜。多摩川沿いの二子玉川に、新しく用意したゼニトーンの作業室。

律は窓際で炭酸水を飲み、東京の夜景を見下ろしていた。

机には、久世グループ秘書室から届いた、統括副社長への就任打診が置かれている。

年俸とストックオプションは華やかだった。

だが著作権の帰属条項は、最後のページの小さな文字に隠されていた。

律はその一文に線を引く。

前の人生で何十回も見たやり方だった。

金を渡すふりをして、まず人を所有しようとする契約。

スマートフォンが震えた。

本家の女主人、麗子の番号だった。

『律。今どこ? すぐ本家へ来なさい。会長がお呼びです』

「わかりました。今から向かいます」

電話を切り、ジャケットを取る。

そのときドアが開き、ストールを巻いた澪が顔だけ出した。

「どこへ行くんですか?」

「本家」

表情がすぐに曇った。

「今から?」

「うん」

「1人で?」

律は笑わず、彼女を見た。

「自分の家だろ」

「あの人たちがいるところが、律さんの家なんですか?」

言ってから、澪は口を閉じた。

律の目が、ほんの一瞬揺れたからだ。

澪はストールの端をいじった。

「ごめんなさい。余計なことを言いました」

「い
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