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第10話 晩餐会

Author: 暁万里
last update publish date: 2026-09-11 05:00:37

 朝日がレースのカーテンを柔らかく透かしていた。

 私はまだ荷物の片付けが終わっていない部屋を見渡す。

 段ボール箱は壁際に積まれたままで、家具は最低限しかない。

 それでも、この部屋は不思議と居心地がよかった。

 誰かのためではなく、自分のための場所。

 それだけで、胸の奥のおもりが減って、少しだけ軽くなる。

 テーブルの上に置いていたスマートフォンが何かの通知で震えた。

 画面を開くとそこには、私が家にいないことに気付いた雅臣からのメッセージが何十件も並んでいた。

――どこにいる?

――帰ってこい。

――話をしよう。

――今日中には戻れ。

 最初はそんな内容ばかりだった。

 けれど、時間が進むにつれて、その文章は少しずつ変わっていく。

――まだ怒っているのか?

――もう十分だろう。

――荷物まで持ち出して……いい加減にしろ。

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