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第1597話

Auteur: リンフェイ
「咲」

辰巳が彼女の赤い唇を見つめる眼差しは、ますます熱を帯びていた。

咲は目が見えないが、彼の変化を感じ取ることはできた。

彼が彼女の名前を呼ぶ声は、ますます低く、かすれていく。

また、彼は彼女に何かをやろうとしている。

それに気づくと、咲は慌てて後ずさった。

彼女は胸元に、無理やり押し付けられた宝石の花束をまだ抱えていた。

あわてて後ずさり、鉢植えにぶつかってしまった。

今にも転びそうになったその時、力強く大きな手が彼女を助けた。

辰巳は素早く彼女の腰を抱き寄せ、ぐいと引き戻すと、自分の胸の中に押し込んだ。

ずっと虚ろだった胸が、この温かく柔らかな体で満たされた。この感覚は本当に最高だと思った。

咲は我に返るともがき、「結城さん、離してください」と声をひそめて叫んだ。

店内には店員もいるというのに。

二人の店員と二人のボディーガードは、ずっと通りを行き交う人々を眺めていた。辰巳の所業など、見えていないふりをしていた。

「助けただけだよ。わざとからかったわけじゃない」

辰巳は彼女の耳元でそっと囁くと、我慢できずに彼女の頬に口づけした。

彼女の微かな震え
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