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第121話

Penulis: 星柚子
それは――奈穂だ。

この瞬間の彼女は、正修の腕に手を添え、優雅な足取りで宴会ホールへと入ってきた。

長い髪は美しくまとめられ、肩を露わにしたマーメイドラインの白いドレスを纏い、胸元には特別に美しい宝石のブローチが輝いている。

その姿は気品に満ち、華やかで、彼女が現れた瞬間、場にいた全ての視線が吸い寄せられた。

北斗は奈穂を凝視し、両手が激しく震えていた。

――理解できなかった。

こんな場で、正修の同伴が、なぜ奈穂なのか。

正修は水戸家の令嬢と政略結婚するのではなかったか?

水戸家の令嬢も今日来るはずではなかったのか?

……まさか。

北斗にとってあまりにも衝撃的で、恐ろしい可能性が、稲妻のように脳裏を駆け抜けた。

水戸家が伊集院グループを不自然に敵視し始めたこと。

奈穂が海市を離れ、京市に来たこと。

そして今日、正修と腕を組んで誕生日宴会に現れたこと――

……つまり、奈穂こそ、あの控えめで謎に包まれた水戸家の令嬢だというのか!

その時、奈穂と正修が来場したと聞きつけた新井信三(あらい のぶぞう)が、急いで二階の休憩室から降りてきた。満面の笑みで迎える。

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