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第230話

作者: 星柚子
奈穂がロリポップを受け取るのを見て、ルルの顔に、無邪気な笑みが浮かんだ。

何かまだ話したそうにしていたが、奈穂の隣に立つ正修の存在に気づくと、少し怯んだようだ。

正修は特に何かをしたわけでもなく、視線を向けたわけでもない。それでも、ルルには分かる。このおじさんは――なんだか、怖い。

結局、ルルは奈穂にそれ以上話しかけることなく、くるりと向きを変えて部屋の中へ入っていった。

紗里はルルについて行かず、その場に残り、奈穂を見つめたまま、何か言いたげに口を閉ざしている。

ちょうどそのとき、正修のスマートフォンが鳴った。

彼は一度は通話を切ろうとしたが、奈穂がそれを制し、もう大丈夫だと目で合図して、先に電話に出るよう促した。

正修はそれでようやく少し脇に下がり、電話を受けた。

紗里は奈穂の前に歩み寄り、その視線には、慎重さと、隠しきれない心配が入り混じっている。

「奈穂……私、知らなかった……」

奈穂が、あの交通事故に遭っていたこと。そして――片脚を、もう以前のようには使えなくなったこと。

歩き方だけ見れば、一見すると大きな異変はない。だが、紗里は覚えている。奈穂は、踊る
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