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第277話

Author: 星柚子
奈穂は若菜とも特別親しいわけではなく、雲翔と親しくなったのも正修がきっかけだ。だから、こういう話題に口を挟むのは控えたほうがいいと思い、黙っていた。

「自分でも、どうしてなのかはっきりしないんだよな」雲翔は肩をすくめた。「最初は、ただ困っているところを助けただけだったのに、その後……」

いつから惹かれたのか、雲翔自身にも分からない。

だが、それでいい。惹かれたなら口説けばいいだけの話だ。もともと恋愛を避けるつもりもない。

帰国したとき、若菜が今の会社の愚痴を少しこぼしていたので、ちょうどいいと思い、雲翔は若菜を自分の会社に呼び、そばで秘書として働かせることにした。

近い場所にある者が、優先的に機会を掴む、ということだ。

若菜の様子を見る限り、自分に対して特別な嫌悪感を持っているわけでもなさそうだ。

正修は黙ったまま。しばらく我慢していた雲翔だったが、ついに耐えきれず尋ねた。「お前、俺に何か言うことないのか?」

正修は視線を上げて雲翔を見た。「言うことは一つだけだ。何があっても、できるだけ冷静でいろ」

「大丈夫だって!」雲翔は胸を張って言った。「俺は十分冷静だし、まさか
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