アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~

アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~

last updateLast Updated : 2026-06-08
By:  天衣 琴音Updated just now
Language: Japanese
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夫婦喧嘩した翌朝、空から来た隼が突進して失神。気づくと中国王宮のベッドに寝ていた。皇帝の寵愛を受ける第二夫人としての生活が始まる。身の回りは女官や夫似の召使がしてくれる。その召使に唆され、皇帝の愛玩する隼の餌にと食用の鶏を庭に放つ。召使は皇帝に密告し、私は地下牢に投獄される。皇帝に謀反を企てた召使が皇帝を襲う寸前で、牢屋を出た私が知らせて事なきを得る。クーデターは失敗し、召使は磔で自害する。元の身分に戻され、皇帝の寵愛を受ける私。だが、皇帝は僻地へ遠征に出かける。長期不在で寂しくなり、若い兵士と浮気する。一夜の関係が深い仲になる。帰った皇帝に咎められ、駆け落ち同然で王宮を出る。私と恋の運命は?

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Chapter 1

冬の朝の来訪者

悪い夫にはどこかで罰が下る。そう思う私は愚夫の妻。どこにでもいそうなありふれた女だ。

そして、夫も平凡を絵に描いたような、普通の会社員である。夫の性格は悪い。

「このクズ野郎!」

私は夫に怒りをぶつけた。

「なんだと。だれが稼いで飯が食えてると思ってる?」

夫は居直った。

「はあ? 何様のつもり? つまんねぇ昭和の台詞ね」

「つまらなくていい。こっちには仕事があるんだ。おまえを養う義務もな」

「思い上がっちゃって。そんなんで、よく浮気したわね」

「浮気はしてないよ」

夫は平然と否定し、首を振った。

「嘘つけ! 私には分かるわ。シャツにいつもと違う香りがしたのよ」

「だから言ってるだろ? 帰りの電車が混んで、知らない女の香水かなんだかがついたんだろって」

昨晩、夫の浮気でケンカになった。こんな風景は、我が家では日常茶飯事だ。

そして、ケンカが収まらず、二人とも相手を無視し、黙ったまま朝の支度をした。

そんな冬の朝のことだった。年も明けた一月八日。少し曇り、ときどき太陽が顔を覗かす。

夫はこちらを見向きもせず、バタバタと出て行った。

それを奥で確認し、私はIHコンロのボタンを押して加熱を止めようとした。

夫が出て行って、ゆっくりとリプトンの紅茶を飲もうとした。お湯は沸いていた。

「おーい。カオリ」

玄関で聞き慣れた声がした。

嫌な夫が戻って来た。

私はツカツカと歩き、玄関を覗いた。

玄関で夫は立ったまま、私に指示を出す。

「忘れ物をした。机の上のUSBメモリ、取ってきてくれ」

「知りません」

「こら! 急いでるんだ」

「自分でどうぞ」

「フン。分かったよ」

夫は玄関で靴を脱ぎ、ふてくされて上がり込んだ。

小さな机の上にノートパソコンが置いてある。そこに挿しっぱなしになったUSBメモリを、ピンと抜いた、

「バーカ」

夫の背中に悪口を浴びせた。

「行ってくるぞ」

じつに忌々しげな言い方だ。腹が立つ。 

「うるさい。早く行け!」

私は顔を背け、玄関を指さした。

玄関でバカな夫が、まだぶつくさと文句を唱えている。

「なにさ。おまえが悪いんだろ?」

そんな風に毒づきたくなる。

「今晩も遅くなるぞ。飯はいらないからな」

夫は飯か仕事のことしか考えてない。USBメモリも仕事で使うのだろう。家にまで仕事を持ち込まないで、と私は思う。

でも、コロナのときはひどかった。家の中でリモート会議をし、四六時中家にずっといた。そんな風にして居座られるのが、嫌でたまらなかった。家事がはかどらなかった。息抜きすらできなかった。

夫がバタンとドアを閉め、私は指で口を引っ張った。

「いーだ!」

やっと、つまらぬ相棒がいなくなってくれた。

「おっと、私としたことが」

ガラス窓を光で照らす朝陽の中、ゆっくりと紅茶を飲もうとして、お湯を沸かしていたのを思い出した。

慌てて、IHコンロのボタンを押し、加熱を止めた。充満していた蒸気は収まった。

お湯をティーカップに注ぎ、リプトンのティーパックをそこに浸す。

しばらくして、ティーパックを三、四度上げ下げし、小さな皿にティーパックを寝かせた。

やっと熱い紅茶をいただける。

テーブルにティーカップを置き、ゆっくりと紅茶を啜った。

しばらくは、自由なひとときが楽しめる。

てっきりそう思った。いや、会社員の夫が出て行ったのなら、どんな妻でもくつろぎの時間を過ごすだろう。夫を見送れば、朝は落ち着く。

ちょうど、いい具合に洗濯機が終了の音を鳴らした。

一つ伸びをし、いつも聞くラジオをかけた。

パーソナリティの声が耳に心地よい。夫もこれくらいにいい声で、穏やかだったらなぁ。

ラジオをかけながら、洗濯機から洗濯物を出し、ベランダに向かった。

冬の朝は少し肌寒い。

冬の空に朝陽がまぶしい。

ベランダの物干し竿に、洗濯物を丁寧にかけてゆく。

ふいに、冬空を割って、何かが一閃した。黒い鳥のようなものが、私めがけて猛突進で飛来する。

「と、鳥!」

イヤー! 手で顔を覆った。

強い痛みが額に走る。

と同時に、気を失った。

私は失神してしまった。

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冬の朝の来訪者
悪い夫にはどこかで罰が下る。そう思う私は愚夫の妻。どこにでもいそうなありふれた女だ。そして、夫も平凡を絵に描いたような、普通の会社員である。夫の性格は悪い。「このクズ野郎!」私は夫に怒りをぶつけた。「なんだと。だれが稼いで飯が食えてると思ってる?」夫は居直った。「はあ? 何様のつもり? つまんねぇ昭和の台詞ね」「つまらなくていい。こっちには仕事があるんだ。おまえを養う義務もな」「思い上がっちゃって。そんなんで、よく浮気したわね」「浮気はしてないよ」夫は平然と否定し、首を振った。「嘘つけ! 私には分かるわ。シャツにいつもと違う香りがしたのよ」「だから言ってるだろ? 帰りの電車が混んで、知らない女の香水かなんだかがついたんだろって」昨晩、夫の浮気でケンカになった。こんな風景は、我が家では日常茶飯事だ。そして、ケンカが収まらず、二人とも相手を無視し、黙ったまま朝の支度をした。そんな冬の朝のことだった。年も明けた一月八日。少し曇り、ときどき太陽が顔を覗かす。夫はこちらを見向きもせず、バタバタと出て行った。それを奥で確認し、私はIHコンロのボタンを押して加熱を止めようとした。夫が出て行って、ゆっくりとリプトンの紅茶を飲もうとした。お湯は沸いていた。「おーい。カオリ」玄関で聞き慣れた声がした。嫌な夫が戻って来た。私はツカツカと歩き、玄関を覗いた。玄関で夫は立ったまま、私に指示を出す。「忘れ物をした。机の上のUSBメモリ、取ってきてくれ」「知りません」「こら! 急いでるんだ」「自分でどうぞ」「フン。分かったよ」夫は玄関で靴を脱ぎ、ふてくされて上がり込んだ。小さな机の上にノートパソコンが置いてある。そこに挿しっぱなしになったUSBメモリを、ピンと抜いた、「バーカ」夫の背中に悪口を浴びせた。「行ってくるぞ」じつに忌々しげな言い方だ。腹が立つ。 「うるさい。早く行け!」私は顔を背け、玄関を指さした。玄関でバカな夫が、まだぶつくさと文句を唱えている。「なにさ。おまえが悪いんだろ?」そんな風に毒づきたくなる。「今晩も遅くなるぞ。飯はいらないからな」夫は飯か仕事のことしか考えてない。USBメモリも仕事で使うのだろう。家にまで仕事を持ち込まないで、と私は思う。でも、コロナのときはひどかった。家の中でリモート会
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