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酔っ払いの妄想か勘違いもしくはこれが一目ぼれ《2》

작가: 砂原雑音
last update 최신 업데이트: 2025-03-01 17:00:00

「下心あんのはてめえだろうが! ゲイかよ! こんなとこまで追っかけてきやがってどんだけ必死だああ?」

「俺はゲイじゃねえ! お前が性質悪そうだから様子見に来たんだよ!」

「自覚無しかよ馬鹿みたいに張り合ってきて鬱陶しい!」

ゲイじゃねえ!

ついこないだまで女もいたんだよ俺は!

そう怒鳴り返そうとした時だ、パン!と破裂音のようなものが鳴る。

背後で慎さんが手を打ち鳴らしたのだと一瞬後に気が付いた。

「こんなとこで怒鳴り合って、警察でも呼ばれたらどうするんですか二人とも」

腰に手を当てて睨みながらそう言うと、慎さんは俺の横をすり抜けていく。

は、なんで。

迫られて困ってたんじゃないのかよ。

どうして俺まで怒られるんだと納得がいかずにいると、慎さんが男に手を差し伸べて起き上がらせた。

尚更俺が悪い気がして、面白くないが慎さんに諭された手前黙るしかなく二人の会話に耳を傾ける。

またしつこく迫るようだったら、もう一度割り込んで引きはがす気満々だったのだが。

「翔さんも。こんなとこで迫るから勘違いされるんですよ。早く自分の店に戻って仕事したらどうですか」

「使えそうな人間発掘してくるもの仕事のうちなんだよ」

「だったら他を当たってくださいってば」

思っていたような展開ではなく、首を傾げながら嫌な予感が頭を過る。

「できませんよ、僕にホストなんて」

続けて言った慎さんの言葉に確信した。

どうやら俺は、激しく勘違いをしてしまったらしい。

「ああ、ほら。タクシー来ましたからさっさと乗ってくださいね」

慎さんが男の背中を押して大通りへと促す。

そこには、路側帯に停車したタクシーが見えた。

俺の存
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