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第951話

Author: 雪吹(ふぶき)ルリ
「真司、今回は本当に葉月さんと別れたの?」と、理恵はまだ半信半疑で、もう一度問いかけた。

真司は薄い唇を引き結び、「ああ」と低く応じた。

その瞬間、理恵の心の奥は花が咲いたように弾けた。

真司は高級車の運転席のドアを開け、乗り込んだ。

「真司、どこへ行くの?私も一緒に行くわ」と、理恵は助手席のドアに手を伸ばし、彼と一緒に行こうとしている。

真司が佳子と正式に別れた今、この好機を逃すわけにはいかない。

だが真司は彼女をまるで存在しないかのように無視し、アクセルを踏み込み、車は猛スピードで走り去った。

理恵はその場に凍りつき、排気ガスをまともに浴びた。

理恵「……」

握りしめた拳を震わせながら、彼女は走り去る車の後ろ姿を見つめている。それはまるで真司の冷酷な背中のようで、自分がどれだけ追いかけても決して追いつけないのだ。

だが、理恵の心は晴れ渡っている。真司と佳子を別れさせたこと、それ自体が大成功なのだ。

彼女はすぐさまスマホを取り出し、逸人の番号を押した。

「千代田さん、すべて順調よ。真司と葉月は赤ちゃんのことで仲違いして、正式に別れたわ」

逸人は大喜びした。「今度こそ本当に別れたのか?」

理恵は笑みを浮かべた。「これまで二人は何度も別れたり戻ったりしてきたけど、真司は一度も自分の口から『別れた』なんて言ったことがない。今回は彼のほうから切り出したのよ。つまり本当に終わったってこと」

逸人は抑えきれないほど喜んでいる。「素晴らしい!やっと二人を引き裂けた!林、今こそ藤村のベッドに潜り込むんだ。一度寝て既成事実を作ってしまえば、彼は君のものになるぞ」

ベッドに入る。それが最も近道だ。

理恵は唇を吊り上げた。「努力するわ。千代田さんも頑張って、葉月を落として。できればあの腹の赤ちゃんを始末して!」

逸人は冷たく笑った。「安心しろ。あの子が生まれることは絶対にない」

そのころ、佳子は二階の窓辺に立ち、理恵が電話している姿を見ている。相手が逸人だと考えるまでもなく分かる。二人は今、勝利の喜びを分かち合っているのだろう。

佳子は赤い唇をわずかに歪め、冷笑した。その喜び、長くは続かないのよ!

……

佳子は真夕を呼び出し、二人はバーで会った。

真夕が脈を取り、「佳子、安心して。赤ちゃんは元気よ」と告げた。

佳子はようやく胸をなで下ろし
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Comments (3)
goodnovel comment avatar
nocccoo
真夕のときと同じような展開。 簡単に解決する問題が、自分達で複雑にしているだけ。
goodnovel comment avatar
神無月しん
いや、なんでそうなる? 真司になんで言わないの? お互いに話し合えば済むレベルじゃね? 相思相愛で、今では真司には佳子を護れる力もあるやんね。 何うだうだしてるのか分からん。
goodnovel comment avatar
まかろん
不安しかない。佳子だけに任せていいことない。真司にちゃんと打ち明けないことが問題 真司にも敵が誰か教えとかないとどんどん悪人の罠に嵌まり、誤解も増える お互いが信頼できてないからこのような誤解を生んでる そう思うと、2人はうまくいかなくて当然 応援してたけど、諦めついた
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