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第26話

Author: 楽しくお金を稼ごう
時彦が去っていく後ろ姿を見つめていると、突然、佐有里に手首を強く掴まれた。

「沙綾、ときくんを追いかけて連れ戻してちょうだい。お母さん、まだあの子に聞きたいことがあるの」

「お母さん……」

「早く行きなさい!」

佐有里は譲らなかった。

沙綾は従うしかなかった。

母を介護士に任せ、彼女は後を追って外へ出た。

長い廊下の両端で、時彦と沙綾は立ち止まった。

「時彦……」

沙綾は声を張り上げた。

「待っていろ」

時彦は冷たくそう言い放つと、正人と詩織に対する口調は明らかに和らげて言った。

「お二人をお見送りします」

時彦は遠藤夫婦に対しては温和な態度をとるのに、母に対してはひどく冷淡だった。

どうして母はまだ分からないのだろう、どうしてまだ時彦に虚しい期待を抱いているのだろうか。

沙綾はその場でずっと待っていたが、時彦が一向に戻ってこないため、これ以上待つ気にはなれなかった。

立ち去ろうとした時、突然大きな手が伸びてきて、沙綾を石柱に押し付けて拘束した。

「丸山翔平!」

翔平は顔を腫らして青あざを作り、手首には包帯を巻いていて、誰かに酷く殴られたようだった。
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