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第653話

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月子からの電話をずっと待っていたのに、かかってこなくて、でも静真は自分から掛けて答えを聞く勇気もなくて、不安でたまらなかった。

月子がサン本人だった、という予想外の事実は、彼女を遠い存在のように感じさせ、静真の不安をさらに掻き立てた。

精神的に追い詰められた状態でも、彼は現実から目を背け、はっきりとした結論を求めようとはしなかった。秘書である自分口から、まるで月子が電話をかけてくるかのような、曖昧な時間さえ告げられれば安心できるというのか?

詩織は、こんなことになるとは思ってもみなかった。

もしかしたら静真は、主導権を他人に渡したことがないから、待つという行為が耐え難く、自分に月子の真似をさせて偽りの安心を得ようとしたのかもしれない。

そんな風に自分自身に嘘をつくなんて。

なんて馬鹿げたことを?

しかし静真の目には、冗談めいた様子は全くなく、本当に自分の口から偽りの慰めを求めているようだと詩織は感じた。

まさに、偏執的と言えるだろう。

「……来月です」そう思いながら、詩織は静真の気持ちを汲み取って言った。「来月は11月にはきっと連絡をくれますよ。安心してお待ちください
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トラ子
詩織さん、優秀な秘書(*´ω`*)
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