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第261話

作者: おミカン
絵里は、田中が勘違いしているのだと思った。

五年前の裕也が、どうして自分なんかを好きになるというのだろう。

「あの頃の私はまだ子どもだったし、あの人が私を好きになるはずない。わがままな私に呆れもせず、真っ向からぶつかってこないだけでも十分だった」

絵里は火を止め、器に二つよそってから、外のダイニングテーブルへ運んだ。

田中は不思議そうに眉をひそめる。

嫌う?

そんなはずがない。

裕也様の昔の部屋には、写真がたくさん飾られていた。十枚あれば八枚は奥様に関係するものだったのに。

田中は絵里の前へ進み、探るように言った。

「奥様……何か、誤解されていませんか?実は裕也様、本当に奥様のことが……」

絵里はまっすぐ田中を見つめ、続きを待った。

そのとき、外の庭先からエンジン音が響いた。

裕也が帰ってきたのだ。

ほどなくして、すらりと背の高い裕也が入ってくる。長い脚で大股に歩き、まっすぐ絵里のほうへ寄ってきた。

「俺のために用意してくれたのか?」

テーブルの甘味に目を留め、絵里が田中に作らせたのだと思ったらしい。

絵里はこくりとうなずき、視線を落として素直に言う。

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評論 (1)
goodnovel comment avatar
塚田広美
続きは気になるけどお値段が少し高いので無理もう少しどうにかなると気軽に購読出来るのになーと思います。
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