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第69話

Author: おミカン
彼は彼女の傍らにぎこちなく手をつき、躊躇いと憂いを含んだ眼差しで見つめる。やがて、重い口を開いた。

「絵里、俺が誰かわかるか?」

「裕、裕也……」

絵里の声は柔らかく、微かに掠れていた。

裕也の胸中に、瞬時にして花火が打ち上がったかのような高揚感が広がる。瞳の熱は一気に高まり、彼はそのまま彼女に覆いかぶさると、口づけを深めようとした。

だが、ベッドに横たわる絵里の両手は力なくシーツへと滑り落ちた。

瞳は閉じられ、寝息はあくまで静かだ。胸元だけが、安らかに上下している。

彼女は、眠りに落ちていた。

柔らかな灯りが彼女の顔を照らし出す。よく見れば肌の産毛さえ透けて見えそうで、朱に染まった頬はまるで熟れた桃のようだった。

裕也はしばし呆れたように彼女を見つめていたが、やがてふっと苦笑を漏らすと、身を起こして浴室へと向かった。冷水のシャワーを浴びるために。

……

翌朝、目を覚ました絵里を襲ったのは激しい頭痛だった。

上体を起こしてヘッドボードに寄りかかり、しばらく記憶を辿ってみるが、どうやってベッドに入ったのか皆目見当がつかない。

記憶にあるのは裕也と祝いの酒を飲んだ
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Comments (3)
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na703ha
また新たな登場人物???
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富子
どうしたの 心配事
goodnovel comment avatar
貴代惠
さて誰でしょう?つぎのてんかいを楽しみにします
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