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第707話

Author: おミカン
裕也はそれほど煙草を吸う方ではないが、苛立った時には一本だけ火をつける。

病室を出ると、屋外の喫煙所へ向かい、ポケットから煙草を取り出して火をつける。

吐き出された紫煙が彫りの深い顔立ちにまとわりつき、その横顔をいっそう物寂しげに見せている。

絵里が修司の夢を見た……

そのことを思い出すたび、胸の奥に重いものが沈む。

愛する妻が命の危機にさらされた時、自分は何もできなかった。それどころか、彼女を救ったのは他の男だった。

その事実が、裕也の胸を締めつけている。

健が彼を探し当て、険しい表情で傍らに立ち、報告する。

「社長、逃げた連中をすべて捕らえました」

裕也は半分ほど残った煙草を、ゴミ箱の灰皿に無造作に投げ入れる。火をもみ消し、伏せていた目を上げて健を見る。

「何を吐いた?」

健は言い淀む。

「言え」

健はその威圧感に気圧され、ありのままを口にする。

「小針と洋二様が手を組んでいました。今回の件は二人の共謀です。奴らの話では、小針は奥様を確実に殺すつもりだったと……」

怒りを孕んだ裕也の顔色は、恐ろしいほどに陰惨だ。

やがて、冷ややかな嘲笑が漏れる。

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