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第220話

Autor: こふまる
橘冬真は目を上げ、表札を確認する。

間違いない。確かに夕月が瑛優と借りているマンションだ。

鹿谷はグレーのチェック柄パジャマに、ゆったりとしたルームガウンを羽織っている。どちらもジェンダーレスな雰囲気だ。

スキンケアを始めようとしていたところで、スポーツヘアバンドで前髪を上げていた。

そんな姿は、あどけなさの残る爽やかな少年にしか見えない。

「橘冬真!」

鹿谷は一瞬で表情を引き締めた。

直接の面識はない。5年前、数回ほど偶然出くわした時も、遠くから一瞥しただけだった。

だが、冬真の情報は徹底的に集めていた。夕月との離婚を知ってからは、冬真の写真をダーツの的にしていたくらいだ。

冬真の険しい視線が鹿谷の顔を這う。威圧的なオーラが爆発するように放たれる。

「鹿谷伶だな?」

帝王のように高みから命じる。

「死にたくなければ、消えろ」

後ろの警官二人が同時に咳払いをする。

「橘さん、落ち着いてください!」

警察をまるで眼中にないかのような態度だった。

「伶」

バスルームのすりガラス越しに夕月の声が響く。

「ボディクリーム、持って来るの忘れちゃった」

鹿谷は
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