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第144話

Author: キラキラ猫
途端に、二人の呼吸が乱れ始めた。

遥が状況を把握できないうちに、唇も歯も、完全に湊の熱い吐息に侵食されていた。

突き放せない。

深く口づけられ、手足から力が抜けていく。

湊は遥の腰を掴むと、ひょいと持ち上げて大理石のカウンターの上に座らせた。

本来なら、ここで服にアイロンをかけるつもりだったのに。

湊の手が、彼女のうなじを軽く掴んだ。

遥はふと子供の頃に飼っていた猫を思い出した。

猫の首の後ろをつまんで持ち上げるのと同じだ。

そうされると、猫は大人しくなる。

遥の抵抗する仕草も、猫にそっくりだった。

遥は手を伸ばし、彼の胸を押しのけようとする。

湊はキスを止め、手を伸ばして自身のネクタイを引き抜くと、遥の腕を後ろに回してそのネクタイで縛り上げた。

彼に見つめられていると、遥はまるで自分が丸ごと呑み込まれてしまうのではないかという錯覚を覚えた。

さらに激しいキスが降り注ぎ、遥の呼吸を乱していく。

息が詰まりそうだった。

朝食を食べていないせいで低血糖になり、目眩がするのかもしれない。

それとも、キスのせいで酸欠になり、脳が思考を停止してしまったのかもしれ
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