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第298話

Author: 白川 露
あっという間に時は流れ、気づけば半年以上が過ぎていた。

秋の訪れを前に、星ヶ丘の街は華やかな賑わいに包まれていた。

宏明は、娘の風香を西園寺家へ嫁がせたい一心で浩一郎に腰を低くして、必死に取り入っていた。

そのおかげか、風香はまるで浩一郎の実の娘のような存在となり、休みのたびに西園寺家の本邸へ通うようになった。

暇さえあれば浩一郎とお茶を飲み、将棋を指し、書まで披露する。

いつの間に身につけたのか分からない腕前だったが、浩一郎はすっかり風香を気に入り、終始ご満悦だった。

俊一は二階のカフェスペースでコーヒー豆を挽いていた。ちょうどその時、一雄もコーヒーを淹れにやって来た。

一雄は俊一などまるで目に入っていないかのようにコーヒーメーカーの前に立ち、彼に一瞥もくれなかった。

「一雄、葉月家のお嬢さんは毎日のように来てるってのに、お前は顔も出さないのか?お父さんを怒らせるつもりか?」

俊一は皮肉っぽく口元を吊り上げた。

一雄は何も答えず、ただ黙々と手を動かし続けていた。

「まあ、そうだよな」

一雄が何も言わないのを見て、俊一はなおも追い打ちをかけた。

「お前の頭の中
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