LOGINそれを見て私はすかさず起き上がると、まだ大きな屹立を口に咥え、ゆっくりと舌を這わせる。
「こ、こら! 止めろ!」
「これからご飯なんでしょ? このままじゃ下履き履けないだろうから綺麗にしてあげる」
「いいから! また勃つだろうが!」
「もう十分勃ってるよ」
むしろ普通の人のMAXぐらい勃っている。私がそんな言葉を飲み込みオズワルドの屹立を舐めていると、とうとうオズワルドに頭を両手でグッと押さえつけられてしまった。
「先に、飯だ」
「……ちぇ」
駄目か。どさくさに紛れてもう一回お願いしようとしたが、どうやら失敗したようだ。
私は仕方なくドレスを着てしょんぼりと寝室を出ると、そんな私の後ろからオズワルドの呆れたような笑い声が聞こえてくる。
「他の女もよくそうやって落ち込んでここを出て行ったが、お前の理由とは真逆なのだろうな」
「どういう意味?」
「そのまんまだ。今までここから出て行っ
心の中でずっと警鐘が鳴っている。この人は王だ。好きになってはいけないのだ、と。 それからしばらくして離宮に軟膏が届けられた。それを届けてくれたのはオズワルドの専属の執事さんだ。「本当に、本当に申し訳ありませんでした、ダリア嬢」 オズワルドの執事さんは初老のイケオジで、艷やかな黒髪をきっちりと後ろに撫でつけ、眼鏡の奥に少しだけ神経質そうな緑の瞳が光っている。「大丈夫ですから! それに誰のせいでもないって言うか、私が咄嗟に防御出来てれば問題無かったって言うか……」 そう、万が一の時の為に習っていた護身術を披露する間もないほど、私はここで気を抜いていたのだ。「防御? お前が?」 私の台詞にオズワルドが首を傾げて尋ねてくるので、私は深々と頷いた。「合気道習ってたからね! でもそんなのすっかり忘れてたよ……」「あいきどう? 何かよく分からんが護身術のようなものか」「うん。相手の力を利用して投げ飛ばす的な奴。投げ飛ばしたらすぐさま亀甲縛りだよ!」「お前は男を縛り上げる事に関しては引く程手際が良いからな。残念だったな、技を披露出来なくて」「ほんとだよ。そんな訳なので大丈夫です。軟膏ありがとうございます」 そう言って頭を下げた私を見て執事さんが少しだけ表情を緩めた。「王の言う通り、本当に普通に話しておられるのですね」「?」「気安いだろ? 記憶が無くなっているとは言えなかなかの態度だと思うんだ」「ですが王、ダリア嬢にお会いになられてからは以前よりも少しだけ取っ付きやすくなったと言われていますよ」「誰にだ」「使用人にでございます。私も嬉しゅうございます。世間で何と呼ばれようとも私達にとってあなたはあの地獄から救い出してくれた救世主ですから」「……大げさだ。仕事中にすまなかったな。戻れ」「畏まりました。それでは私はこれで失礼致します。ダリア嬢、お早い回復を祈っておりま
声は出せなかったけれど心の中で呟いたその時——。 部屋のドアが勢いよく開いた。「ダリア!」「んん……?」 血相を変えて部屋に飛び込んできたのはオズワルドだ。 オズワルドは私の姿を見て一瞬顔を歪めたが、すぐに全ての表情を消して帯剣していた剣を抜いた。「ダリア、目を閉じていろ」 オズワルドはそれだけ言ったかと思うと、男たちに問答無用で斬りかかる。 オズワルドの言う通り私は急いで目を閉じたが、男たちの叫び声が耳にこびりつく。 しばらくして手足を縛っていたロープが解かれた。ついでに口のタオルも。「目を開けてもいいぞ」 オズワルドの言葉に私はゆっくりと目を開けてオズワルドを見つめると、涙が頬を伝う。そんな私を見てオズワルドは眉根を寄せて私を抱きかかえた。「あの人達は?」「運び出した。今から尋問だ」「殺してない?」「ああ。大切な証人だからな。だが、その後は死罪だ。俺の物に手を出した罪は重い」「うん」 オズワルドの物。何だかその一言が嬉しくて私はオズワルドに抱きつこうとしたけれど、生憎力が入らない。「酷いな」「うん……せっかく綺麗にしてるのにな」「全くだ。毎日毎日念入りにマッサージをしてオイルを塗り込んでいるのにな」「ほんとだよ……見て、アザだらけ。顔もでしょ?」「ああ。だが、湿布でも貼っていればすぐに案外可愛いお前に戻る」 冗談めかしてそんな事を言うオズワルドに、私は少しだけ笑ってしまった。 怖かった。痛かった。オズワルドは私が本当はそう思っている事もきっと知っている。 けれどこうやってわざと私に合わせて茶化してくれているのだろう。 殴られる事も蹴られる事も前世で慣れている。それでも怖かった。だからもう思い出したくない。 私がオズワルドの胸
けれどいつものゾクリじゃない。気持ちが悪い時のゾクリだ。それでも中はこんな時でも濡れてきてしまう。 それに気を良くしたのか、男は下履きを脱いで熱い塊を曝け出した。そしてそれを私の中に充てがう。「んん……」 それまで抵抗していた私だったが、この時点でもう一切の抵抗を止めた。 殴られ続けて疲れたのと、充てがわれた熱い塊がもう止まらない事を知っていたからだ。 それならば男たちの好きなようにさせて、さっさと終わってくれた方がマシだ。 そう思った途端、涙が溢れ出した。 ※ あれから二週間が過ぎた頃、俺は昼間は城で仕事をして夜には離宮に戻るという生活をしていた。もちろんほぼ毎晩ダリアを抱き、休日には誰にも邪魔される事なく快適な生活を送っていたのだが——。 その日、俺はいつもと変わらず朝から書類仕事をしてから執務室で重鎮達の進言という名の愚痴を聞いていた。「王、城に潜り込んでいたスパイはやはり隣国の手の者でした。早急に何か手段を考えませんと、このままでは内部から破壊されてしまいます!」 この国の重鎮の1人が言うと、次々に同じような声が上がる。「では何か策はあるのか? こちらに入り込んだ製薬会社には今数人のスパイを潜り込ませているが、未だ証拠が見つからない。今の状態であちらに宣戦布告などしたら、言い逃れをされて結局何も終わらない。違うか?」「そ、それはそうですが……」 冷ややかな俺の声に皆が黙り込む。そんな中、今度は別の重鎮が話し出す。「次は私が。王、離宮を再開されたのは何かの作戦ですか? それともただ女を囲う為ですか?」 そんな事を尋ねてきたのは側室候補の娘を持つ親だ。「どちらも違う。あの女はお前たちも知っての通り、唯一俺の寵愛を受けている女だ。サロンの実態が分からない今、あそこにあいつを置いておくことは出来ないから離宮に連れてきたまでだ。離宮の再開ではない」「ですが側室候補はどうします!?」
「ここ、使用人の人とか居るの?」「一応な。だがここの使用人は皆、城からの通いだ。古株で俺の専属のような奴らに任せてある。ただ……」 そう言ってちらりとオズワルドが私を見た。「なに?」「全員男なんだよな……お前、絶対に手を出すなよ? 言っておくが、全員既婚者だからな?」「分かってるってば! でもオズワルドの身の回りの世話も男の人がしてたの? メイドさんとか居なかったんだ?」「ああ。女を王の側におくのは危険だろ。何か手違いがある……かもしれない」「あったんだ」「二代前の王がな。まぁそういう所は俺も人のことは言えないが」「女好きって事?」「せめて性欲が強いと言ってくれないか。別に俺は女が好きな訳じゃない。抱くのが好きなだけだ」「なるほど。私と一緒か」「ああ。……いや、お前と一緒と言われると少し違う気もするが」「どこが違うの! 一緒でしょ!? 要はセックスが好き! そんだけよね?」「そうなんだが、俺は別に腹上死するまでセックスをしたいとは思わないぞ」「えー! なんで?」「なんでと聞かれても困るが、俺は普通に死にたい。とにかくそういう訳で俺の周りは皆男で固めてあるんだ。だが、やはり使用人を昼に入れるのは危険だな。掃除は夜に、食事はここで作らず運ばせるか。それか俺がここで仕事をするか、いっそ閉じ込めておくかだな」 何やらブツブツと呟き出したオズワルドに私は思わず噴き出した。「大丈夫だってば! 悪さしないから安心してよ!」「……本当に?」「本当だよ! 私だってオズワルドとするのが一番気持ち良いんだから。それに気づいたんだけど、オズワルドとするとかなり性欲発散されるみたいなんだよね」 自分でも驚きだが、何回もオズワルドとしているうちに、だんだん性欲が落ち着いてきたのだ。 毎日したいしオズワルド
「お店の人、凄く緊張してたね!」 突然やってきたオズワルドを見て店員さんは可哀想なほど縮こまって震えていたのを思い出して言うと、オズワルドは真顔で頷く。「ああ。悪いことをしたな」「でもオズワルドにだってお菓子買う権利はあるからね! いつ誰が来ても良いように心の準備はしておかないと」「そういうものか?」「そういうものだよ!」 接客業をするのであれば、ある日突然王様がやってきたぐらいでビビっていてはいけない。それは接客業の極意のようなものだと私は思っている。 頷くオズワルドを横目に私がさっそく買ったばかりの焼き菓子を開けていると、オズワルドがそこから無言でクッキーを一枚抜き取って齧りだす。やはりオズワルドは結構甘いものが好きなようだ。 そうこうしているうちにようやく城に辿り着いた。 離宮は城の門をくぐり更に庭を迂回した場所にあり、高い壁に囲われていた。 馬車から降りた私は目の前に聳え立つ白亜の美しい絵画にでも出てきそうな建物と、それを取り囲む高すぎる壁を見上げて思わずため息を付く。「凄い高い壁……これ離宮じゃなくて要塞だよね?」「外から覗かれないようにとの配慮だそうだぞ」 冷たい声でそんな事を言うオズワルドに私は思わず首を傾げた。「昨日も言ったが、ここは俺の両親が使っていたんだ。元々は側室達の為に造られたらしいが、両親はここで自分たちの愛人を囲っていたんだよ」「ん? 両親の愛人? それってお互いの愛人が一つの離宮に住んでたって事?」「ああ。男も女も同じ場所で囲われてたんだ。間違いが起こらない訳がないと思わないか?」「思う」「その最たる間違いが俺だ。俺は離宮で生まれた。父親が王という事にはなっているが、本当の所は誰にも分からない」「え……もしかしてそれも有名な話?」「超がつくほど有名だな。誰も俺を王の子だとは思っていない。俺自身もな。だが俺は王に選ばれた。それは今が戦乱の世だったからに過ぎない」
「分からない。俺は王だ。滅多な事では誰も信用しない。出来ない」 いつもよりも数倍冷たい顔でそんな事を言い放ったオズワルドの顔は、本当に冷酷王そのものだった。 けれどそうさせたのは他の誰でもない、周りの人間だ。 私はカクテルを手早く作り上げてオズワルドに一つ手渡して言う。「やっぱり狙われてるのって私とあなた?」「ほぼ間違いなく」「そっか……はぁ~……」「そんなに側室が嫌か? それとも相手が俺一人になるのが嫌なのか?」 怪訝な顔をしてそんな事を言ってくるオズワルドに私はすぐさま首を振った。「違うよ。むしろ最近はオズワルド以外と寝たいなんて思わなくなっちゃったよ。そうじゃなくて、身の丈って言うのかな。ついこの間まで街灯の下に立って客取ってたような奴がさ、いきなりお城での生活なんて出来る訳ないよね?」 規則正しくお上品に、が何よりも苦手な私だ。それはオズワルドも痛い程良く分かっているだろう。こんな私だから絶対にさっきのような事をしでかすに決まっている。「なんだ、城で暮らすのが嫌なだけか」 私の答えにオズワルドは何故か少しだけ表情を和らげて言う。「まぁ、そう」「自由人だもんな、お前。ではやはりお前は離宮に住むと良い。城の敷地内ではあるが城とは隔離されている。元は両親が使っていたんだが、そこなら誰にも干渉はされない」「でも命狙われてるんでしょ? 私。そんな所に一人で暮らしてて構わないの?」「別に一人で住めとは言ってない。俺もそこに移る。むしろ命を狙われている者同士、お前は唯一信頼出来る相手だ。そしてそれはお前にとってもだろ」「確かに」 絶対に安全なのは誰だと言われたら、同じ敵に命を狙われているであろう、オズワルド以外には居ない。「毎日一緒?」「ああ」「朝から晩まで?」「昼は流石に城で公務をするが、夜は離宮に戻る」 私はオズワルドをじっと見つめてもう一度大き







