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第 251 話

Auteur: 柏璇
「じゃあ、そういうことで」

昼。

彩乃は小さなキャリーケースを引き、拓海と一緒に出発した。

車の中で、拓海がちらりと彼女を見て言った。「最近、亮介とは連絡とってないのか?」

彩乃は、兄が何を聞きたいのかすぐに分かった。「うん、してない」

彼女は今でも亮介の顔をまともに見ることができなかった。あの夜、彼に問われた言葉を思い出すことすら怖かった。

時間が経つうちに、あれは夢だったんじゃないかとさえ思うようになっていた。

リゾートに着くと、車を降りた瞬間、彩乃の視界に入ってきたのは――カジュアルな服装で、片手を車の屋根につきながら電話をしている亮介の姿だった。

その後ろ姿だけで、彼だと分かった。

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