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第 44 話

Autor: 柏璇
蒼司のどこか陰を帯びた視線の下、和真が先に口を開いた。

「彼女は子どもたちの実母ですよ。でも蒼司さんも彼女も仕事が立て込んでいるので、子どもの世話は彩乃さんに任せているんです」

福山社長は言葉を失った。

ふだん他人の家庭に口を出さない石原院長でさえ、思わず視線を向けた。

実の親が子どもを顧みず、後妻に世話をさせるのか?

しかも世間には「実母こそが妻だ」と触れ回していたのか?

亮介が落ち着いた声で言った。

「蒼司さん、この前私が桜峰市へ行った時は確か、奥様として真理さんをご紹介されましたよね?私の記憶違いではありませんよね?」

個室の入口で、彩乃は自分の心臓がすっかり感覚を失ったように感じた。

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