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第 64 話

Auteur: 柏璇
彩乃は手にしたビニール袋を落とし、指先に鋭い痛みが走った。

破れた袋の口から、服に仕込まれていた細い針が何本か顔を出していた。

彩乃はふっと笑った。――これが、蒼司に「優しくてか弱い」なんて評された真理?

彩乃は自分を善人だとは思っていなかった。けれど、両親に教え込まれた価値観が間違っているとは考えたことがない。

もし真理が本当に不幸な女性で、やむを得ず子どもたちを手放したのだとしたら、再び現れたときも、彩乃はきっと上客をもてなすように接したはずだ。

だが、現実の真理は違った。彼女が狙っていたのは、ただ蒼司ひとり。

彼女は「子どもに会いたい」と言いながら、わざとボディローションを割り、若葉の足
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