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第158話

Author: 幸月
食後、オフィスに戻る道すがら、杏奈は那月から誘いを受けていたことをふと思い出し、裕司に軽く話を振ってみた。

「先輩。その誘い、行った方がいいと思いますか?」

「どっちでもいいんじゃないかな」裕司はあっさりと答えた。

「ここは法治国家なんだから、向こうだってそう変な真似はできないさ。それに、つまらないと思ったらさっさと帰ってくればいい。今はあっちが君に頼み事がある状況なんだから、立場的には君の方が上なんだよ」

「それもそうですね」杏奈も納得して頷いた。「じゃあ、少しだけ顔を出してみます」

最悪、すぐに帰ればいいのだから。

しばらくして、二人はエレベーターに乗り込んだ。杏奈はデザイン部のフロアで降り、裕司はそのまま最上階の社長室へと上がっていった。

デザイン部にはデザイナー専用のアトリエが併設されており、制作に必要な機材が一通り揃っている。フロアに戻るなり、杏奈はすぐさまそのアトリエへ直行した。

再びアトリエから出てきた時には、窓の外はすっかり暗くなっていた。

「杏奈、もうっ、遅いよ!」

エントランスの外で待ちくたびれていた那月が、不満げに頬を膨らませた。「何件もメッセ
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