แชร์

№06・スライムゼリー・2

ผู้เขียน: エノウアカシ
last update วันที่เผยแพร่: 2026-10-04 16:56:53

 時折罠を感知したメルランスに歩き方を指示されたりしながら、特に強力なモンスターにも出会わず第二階層へと続く階段を降りることになった。

 相変わらず石造りの厳めしい廊下を歩きながら、ふたりは黙って辺りを警戒する。

「この辺りからだね、スライムが出そうなのは。水場に近づけば出てくるでしょ」

「水場?」

「スライムは95%が水分でできてるからね、水を好むってわけ」

「ああ、そういう……」

 きゅうりみたいなものだな、とのんきなことを考えながら、南野はメルランスに続いて角を曲がった。

 その先で、ぷぎぃ!と何かの鳴き声がする。ぼろきれをまとって刃こぼれした斧を持った、豚に似た二足歩行の生き物。前にも見たオークだった。今回は三体いる。

「三体か……仲間を呼ばれると厄介だから、ここでケリをつけるよ」

 斧を構えて臨戦態勢のオークたちを前に、メルランスは素早く印を切って口早に呪文を唱えた。

「『第百二十五章の音色よ! 創生神ファルマントの加護の元、空を切る透明な刃の旋律を解き放て!』」

 短剣を振り下ろすと、ぶぅん、と音がして、風がないはずのダンジョン内に強い風が吹いた。厚みのある風は見えないカマイタチとなってオークたちに襲いかかり、その緑色の皮膚を浅く切り裂く。

 ぷぎぃ!と悲鳴を上げてひるむオークたちの中に飛び込んで、メルランスは短剣を振るう。一匹の頸動脈を切り裂くと、紫色の血しぶきが上がった。

 残った一匹が振るった斧は鈍重な一撃だった。短剣でそれをいなすと、回し蹴りでそのずんぐりむっくりしたからだを吹き飛ばす。吹っ飛ばされたオークは壁に叩きつけられた。

 最後の一匹が飛びかかってくる。このオークという生き物、素早さはあまりないらしく、子供の喧嘩のような勢いだ。

 メルランスはそれを簡単にかわすと、すり抜けざまに心臓に短剣を突き立てる。ブーツの底でからだを蹴り飛ばすと短剣が抜け、オークは血を吹きながら転がった。

 壁にたたきつけた一匹はまだ床でもがいている。その背中に容赦なく刃を突き立てると、最後の一匹も動かなくなった。

「……ふう。こんなもんかな」

 ところどころ紫色の血にまみれながら、メルランスは額の汗をぬぐった。

「……よく躊躇なくやれますね」

 対して、南野はなんとか吐き気をこらえていた。

 モンスターとはいえ、目の前で生き物が血を吹き出しながらあっけなく殺されたのだ。たとえ動物相手とはいえ殺す殺されるなどとは無縁だった世界に生きていたせいで、こればかりは慣れない。

 しかしメルランスは短剣をしまいながら、手馴れた様子で言った。

「当たり前じゃん。やらなきゃやられる。もう慣れっこだしね」

「それはわかってるんですけど……」

「甘っちょろいこと言わないで」

 煮え切らない南野に、ぴしゃりとメルランスが言い放つ。

「向こうがこっちを殺そうとしてかかってきてるってことは、そいつはこっちに殺される覚悟もしてるってこと。それはモンスターも野盗も同じ。あたしだって最悪殺される覚悟くらいしてる……だから、やれる」

 これが冒険者というものか。たしかな覚悟に裏打ちされた自信。非情なまでの合理性。これを強さと言うのなら、なるほど、メルランスは強いのだろう。

 そして、南野は弱い。みっともないくらい、弱い。コレクションを完成させるという覚悟の他には、なんの心構えもなかった。

 己の無力さを痛感しながら、南野は唾を飲み込んで吐き気をこらえた。

「……そういえば」

 話題を変える。

「ここに来るまで、モンスターの死骸や冒険者の死体なんかがなかったですね。こんな風に危険な場所だから、そういうのがあちこちに転がってるような気がするんですけど」

「ああ、それね。ダンジョン攻略に気をつけなきゃならないことのひとつ」

 メルランスが短剣を鞘に戻しながら人差し指を一本立てた。

「『掃除屋』だよ。って言っても、ちまちま死体回収する業者とかじゃないからね。『掃除屋』はダンジョンの通路に定期的に出現する、すべてを飲み込む暗黒空間。それに飲み込まれたものは塵も残さず消滅する。意志もなにもない、ただの現象」

「それって、生身の人間も飲み込まれたらまずいんじゃ……?」

「だね。だけど、定期的に現れるから出現ポイントの予測はできる。それを避けていけばいいだけの話だから、飲み込まれるマヌケはそういないよ」

 その辺りも冒険者にとっては常識なのだろう。それこそ、南野ひとりでダンジョンに挑んでいたら飲み込まれて終わりだったに違いない。改めてメルランスの存在に感謝する。

「さ、行くよ。水場まであと少し」

「はい」

 返事をして、南野はまた歩みを再開した。

 時折巧妙な罠を避けながら、ふたりはやがて水場に到着する。獅子のレリーフからきれいな水が湧き出ている水場だった。辺りにはモンスターの気配はない。

「この辺りだね。近くにスライムがいれば熱源に反応して近寄ってくるはず」

 そう言ったメルランスは、一休み、とばかりに水場の一角に腰を下ろす。

 南野も少し休憩したかった。ここまで歩き通しだ。水の一口でも飲みたい気分だったが……

อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป

บทล่าสุด

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №06・スライムゼリー・2

     時折罠を感知したメルランスに歩き方を指示されたりしながら、特に強力なモンスターにも出会わず第二階層へと続く階段を降りることになった。 相変わらず石造りの厳めしい廊下を歩きながら、ふたりは黙って辺りを警戒する。「この辺りからだね、スライムが出そうなのは。水場に近づけば出てくるでしょ」「水場?」「スライムは95%が水分でできてるからね、水を好むってわけ」「ああ、そういう……」 きゅうりみたいなものだな、とのんきなことを考えながら、南野はメルランスに続いて角を曲がった。 その先で、ぷぎぃ!と何かの鳴き声がする。ぼろきれをまとって刃こぼれした斧を持った、豚に似た二足歩行の生き物。前にも見たオークだった。今回は三体いる。「三体か……仲間を呼ばれると厄介だから、ここでケリをつけるよ」 斧を構えて臨戦態勢のオークたちを前に、メルランスは素早く印を切って口早に呪文を唱えた。「『第百二十五章の音色よ! 創生神ファルマントの加護の元、空を切る透明な刃の旋律を解き放て!』」 短剣を振り下ろすと、ぶぅん、と音がして、風がないはずのダンジョン内に強い風が吹いた。厚みのある風は見えないカマイタチとなってオークたちに襲いかかり、その緑色の皮膚を浅く切り裂く。 ぷぎぃ!と悲鳴を上げてひるむオークたちの中に飛び込んで、メルランスは短剣を振るう。一匹の頸動脈を切り裂くと、紫色の血しぶきが上がった。 残った一匹が振るった斧は鈍重な一撃だった。短剣でそれをいなすと、回し蹴りでそのずんぐりむっくりしたからだを吹き飛ばす。吹っ飛ばされたオークは壁に叩きつけられた。 最後の一匹が飛びかかってくる。このオークという生き物、素早さはあまりないらしく、子供の喧嘩のような勢いだ。 メルランスはそれを簡単にかわすと、すり抜けざまに心臓に短剣を突き立てる。ブーツの底でからだを蹴り飛ばすと短剣が抜け、オークは血を吹きながら転がった。 壁にたたきつけた一匹はまだ床でもがいている。その背中に容赦なく刃を突き立てると、最後の一匹も動かなくなった。「……ふう。こんなもんかな」 ところどころ紫色の血にまみれながら、メルランスは額の汗をぬぐった。「……よく躊躇なくやれますね」 対して、南野はなんとか吐き気をこらえていた。 モンスターとはいえ、目の前で生き物が血を吹き出しながらあっけなく殺され

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №06・スライムゼリー・1

     スライム。 RPGのモンスターと言われて誰もが最初に思い浮かべるであろうモンスターだ。レベル1でも倒せる程度の弱さで、特に魔法など使わないザコキャラ。「今回は楽に行けそうですね」 いつか来た西のダンジョンに再び訪れて、南野は気楽そうに言った。 対して、メルランスは苦い顔だ。お説教をするような口調で、「あんた、スライム舐めてない?」「え? だってあの、青くてきょろっとした目のかわいらしい最弱モンスターですよね?」 有名なRPGのビジュアルを思い浮かべて、南野はきょとんとした。大きくため息をこぼすメルランス。「そりゃあ、低層階に出るなんてことないモンスターだけどね。割と厄介な相手だよ? 半液状で物理攻撃はほとんど効かない。分裂していくらでも再生するし、残らず魔法で焼き尽くさなきゃならない」「けど、そんなに害はないんじゃ……」「まさか。近づく熱源に反応して奇襲してくる。どこからともなく降ってきて、べっちゃり張り付いて、溶解液を出して獲物を溶かして吸収する。あれは結構貪欲なモンスターだよ」 思っている以上に難敵らしい。某RPGの最初の敵のアイツは脳内から除外しなければならない。それにしても、溶解液とはまた凶悪な。「ともかく、低階層とはいえダンジョンはダンジョン、気を引き締めていかなきゃ」 言ってから、メルランスは印を切り呪文を唱えて明かりを生み出した。明かりを先行させて石造りの古びた遺跡に踏み入る。 そのあとをおっかなびっくりついて歩きながら、南野の問いかける声が反響した。「あの……スライムって、食べられるんですか?」 今回のターゲットは『スライムゼリー』とあった。『スライムを原料としたゼリーで、滋養強壮の効果がある』とだけ書いてあった。 いまいちモンスターを食べるという行為にピンとこないのだが、生き物である以上食べられないことはないのだろう。毒があるかないかはわからないが。「さあね、実際に料理してみないとわかんないよ」 床や壁をこつこつと短剣で叩きながら、メルランスは慎重に進んだ。「うん、新しい鎧もいい感じ。今日は魔力の巡りもいいし、上々」「それはなによりです」「前みたいに急に飛び出したりしないでよ?」「うっ……気を付けます」 前回のダンジョン探索で怪我をさせてしまった負い目から、つい小声になってしまう。メルランスは意に

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №05・聞き耳頭巾・4

     夜も更けて、酒場がすっかり冒険者たちでにぎわう中、今日の買い物の品をずらりとテーブルに広げる。「まあまあの値段でいいものが手に入ったかな。あんたの服もあたしの鎧も明日までかかるから、明日はお休みってことでいい?」「ええ、構いませんよ。俺もこっちに来てからずっと動きっぱなしで休日が欲しかったところですから」「体力ないなあ……」「面目ない……」 しゅんとする南野を前に、メルランスが『聞き耳頭巾』を手に取ってみる。「これ、ホントにひとのこころの声まで聞こえるのかな?」「本物だったら、ですけどね」「よーし、試してみよう!」 三杯開けたエールの勢いなのか、彼女は勇ましく言って頭巾をかぶろうとした。慌てて止める。「ダメですよ!!」「えー、なんで?」「コレクションは基本新品未開封こそが至高なんですから! 中古だと価値が下がります!」「この蒐集狂……どっちにしろ、砂漠のダンジョンに落ちてたやつでしょ? どうせ誰かもう使ってるよ」「それでも可能な限り現状維持をですね……!」「本物かどうか確かめなきゃらちが明かないでしょうが!」「けど……あっ、ああああああ!!」 南野の言葉を振り切って、すっぽりと頭巾をかぶってしまうメルランス。かわいい赤ずきんは彼女によく似合っていた。ひょこり、飾りの耳が揺れる。「どれどれ……?」 わくわくと耳を澄ませる彼女に、早速南野のこころの声が届いた。『洗濯板』「はあああああああ!?!?」「えっ、なんですか!? なにか聞こえたんですか?」『ド貧乳、詐欺レーズンパン、平ら胸、大平原、銭ゲバ、悪徳高利貸し、守銭奴、毒舌、性悪、根性ねじ曲がってる、ガサツで色気なし』「なんだとおおおおおおおおお!?!?」「ちょっ! やめてくださ……ぐふっ!」 南野の胸倉をつかみ上げてがくがく揺さぶるメルランス。顔を真っ赤にして怒っているメルランスに対して、南野の顔色は青紫色だ。 しかし、すべてはこころの声だ。実際面と向かって言われたわけではないが、そこまでクソミソな感想を抱いているとわかれば首も絞めたくなる。「悪かったな!! けどそこまで言うことなくない!?!?」「……なにも……いってまひぇん……」 首を締め上げられて南野は虫の息だ。周りの冒険者たちは痴話げんかかなにかと思って遠巻きに笑って見ているだけだ。 ……いや、聞

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №05・聞き耳頭巾・3

    「なんですか、あなた?」「それ、25枚ぽっちしか出せないならあんたじゃなくあたしが買う」「なに言ってるんですか、これは俺が先に目を付けたものですよ?」 急に言い争いを始めた客同士に、商人は目を白黒させる。「いーや、あたしの方が先だよ。25枚しか出せないならすっこんでな」「わかりましたよ……じゃあ、27枚出します」「ふうん、それでも27枚なんだ。あたしなら……30枚出す」 突然始まった競り合いに、商人も口を挟めない。「まあ、どっちに売るかはそこの商人さん次第だけど?」 メルランスが水を向けると、ようやく商人が口を開いた。「そりゃあ、高値で買っていただける方に売りますよ。決めました、あなたに売ります」「そう来なくっちゃ!」「そんなぁ……」 大げさに落胆して見せて、南野はすごすごと天幕を後にした。 しかし、すべては演技だ。 商人の前で客同士が競り合いをする。その場の勢いというのは重要で、その競り合いではじき出された金額が高値だと商人は錯覚してしまう。それ以上値を釣り上げても貴重な客をふたりも失うのだ、多少買いたたかれても売ってしまうだろう。「……詐欺の手口だ……」 テクニック、と言えば聞こえはいいが、要は台本通りの寸劇だ。商人はそれにまんまと踊らされたわけだ。 ……かわいそうに……「お待たせー」 袋を持ったメルランスが天幕から出てくる。袋からは頭巾の赤がちらりと見え隠れしていた。「上手くいったね」「……いつもこんなことしてるんですか?」「いつもはしないよ、誰かといっしょにいるときだけ」 どうも信用ならない。かなり手慣れた様子だった。他にもあくどい『テクニック』を知っていそうだ。 メルランスは袋を南野に押し付けてにっこりと微笑んだ。「はい。『聞き耳頭巾』の金貨30枚と服の2枚、合計32枚は十日で五割、くれぐれも忘れないでね」「……はい」 とんでもない悪魔にお金を借りてしまったのではないか、という気が今更しないでもないが、仕方がない。 なんにしても、これで『聞き耳頭巾』は手に入った。「じゃあ、酒場に……」「ちょっと待って、寄るところがあるの」 言いかけた南野を制して、メルランスは勝手に見当違いの方向へすたすたと歩き出した。慌ててついていきつつ、問いかける。「どこへ行くんですか?」「防具屋。あたしの胸鎧、穴開

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №05・聞き耳頭巾・2

    「さあて、まずは目的のものを手に入れるとしましょうか。ま、安心してよ。無駄にお金使わせる気はないから」「どういうことですか?」「まあまあ、ちょっとした値引きのテクニックだよ。あれをこうしてね……」 メルランスが南野に耳打ちする。聞いた『テクニック』とやらに南野は目を剥いた。「そんな詐欺まがいのこと……!」「いやなら好きなだけお金使えばー?」「……やらせていただきます」 今にも血の涙が出てきそうだ。 こっちに来てからというもの、彼女の尻に敷かれっぱなしの気がする。見知らぬ世界を案内してもらっているのだから仕方ないかもしれないが、ちょっと不本意だ。「ほら、あそこにキャラバンの馬車がある。ああいうところは道すがら冒険者からマジックアイテムを買い付けたりしてるからね、ちょっと見てきなよ」 南野の腕を引き、メルランスは大きな店を開いている天幕へと向かった。彼女は天幕の中へは入らず外で待っている。 大きな天幕の中では数人の商人たちが商談中で、だれもかれもいかにも海千山千のあきんどたちといった風情だ。 並んでいる品物を見ていると、小太りの中年商人が揉み手をしながら寄ってきた。「なにかお探しですか?」「いえ、ちょっと寄ってみただけです」 基本テクニックその1。目的のものがあっても口には出さない。吹っ掛けられる可能性がある。 商人に付きまとわれながらあちこちの品物を見て回っていると、ふと赤い色が目に入った。『赤』というと苦い思いになるが、それは確かに頭巾だった。けものの耳をかたどった飾りがついている。「これなんていいな。かわいい。娘へのプレゼントにいいかもしれない」 娘なんていないけど。噓も方便だ。「これはお目が高い!」 商人は声を弾ませてずいっと近寄ってきた。商品を手に取って見せてくる。「これはですね、動物の声が聞こえるといういわくつきのマジックアイテムでして。遠く砂漠のダンジョンから帰ってきた冒険者から買い付けたものです」「ふぅん、本物なんですか?」 基本テクニックその2。なんでもいいからケチをつけろ。 しかしさすがプロ、気分を害した様子をおくびにも出さず、商人は大きくうなずいた。「魔力反応はありますから、何らかのマジックアイテムであることは確かです。この耳! いかにも聞こえそうでしょう?」「それだけじゃなぁ」「そう言わずに

  • 南野コレ式!~蒐集狂の無能営業、レアアイテムコンプするまで元の世界に帰れま100~   №05・聞き耳頭巾・1

    「なにここ……泉の市場じゃない」 いつも通り『レアアイテム図鑑』のちからで転移した先で、辺りを見回したメルランスが声を立てた。「泉の市場?」「さっきまでいた酒場からそう遠くないところにある市場だよ」 なるほど、今回はご近所というわけか。わざわざ転移するまでもなかった。 泉の市場、というだけあって、巨大な噴水が広場の真ん中に陣取っている。その周りには昼間の活気があふれる露店が広がっていた。 果物や服、怪しげなマジックアイテムらしきものも売っていた。ところどころで大道芸を披露しているものもいる。 南野は完全に観光客気分でつぶやいた。「ずいぶんにぎわってますね」「そりゃあ、この街はここらでは一番大きいからね。商人たちもここで商売するのが手っ取り早いってわけ」 肩をすくめたメルランスが解説する。なるほど、交通の要所でもあり、交易の要所でもあるわけか。冒険者ギルドが盛んなわけだ。「ま、あたしも穴の開いた鎧を着てるわけにもいかないから、買い物ついでにうってつけの獲物だね」 今回のターゲットは『聞き耳頭巾』……と書いてあった。なんでも、どんな動物の声も聞き取り、ひとのこころの声まで聞こえることもあるそうだ。 市場にある、ということは、誰かが売りに出しているのだろう。 さて、ここで問題がひとつ。「……あのぅ……」「なに?」「俺、お金まったく持ってないんですけど……」 言いにくそうに告げると、メルランスはふふんと小馬鹿にしたように笑った。「知ってる。それで、まだなにか言いたそうだけど?」 これを言ってしまうと、なんだか守銭奴という悪魔にたましいを売り渡してしまうような気がした。経済力に敗北したかのような。 しかし、背に腹は代えられない。 意を決して、南野はメルランスに思いっきり頭を下げた。「お金、貸してください!!」「そう来ると思った」 にやり、契約を成立させた悪魔のように笑うメルランス。罪悪感と屈辱感と、取り返しのつかないことをしたという後悔の念が押し寄せてくる。 しかし、きっとこの女のことだ、『あたしのお金はあたしのもの』とか言ってびた一文たりとも貸してくれないに違いない。「いいよー」「いいんですか!?」 意外とフランクに快諾された。驚いて顔を上げると、彼女は聖母のような笑みを浮かべて金貨のたっぷり詰まっているであろう革

บทอื่นๆ
สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status